事業拡大の手順や資金調達方法とは?成功のポイントや企業例も紹介!

最終更新日:2023.11.15
DX・システム開発
中垣圭嗣
事業拡大の手順や資金調達方法とは?成功のポイントや企業例も紹介!
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こんにちは。Wakka Inc.のベトナムラボマネージャーの中垣です。
事業拡大は大きな利益獲得の可能性だけでなく、新しい従業員の採用のきっかけにもなり、実際に事業拡大で大きく成功した企業事例もたくさんあります。
とはいえ、

「事業拡大といっても、具体的に何をすればいいのだろう?」
「事業を拡大するのはリスクが高そう。成功するのはほんの一部の企業だけでは?」

と考える方も多いでしょう。
しかし失敗する原因を理解し、正しく行動すればリスクは確実に減らせます。そこで本記事では、事業拡大の手順から成功のポイントまで詳しく解説します。事業拡大の必要な手順を知り、成功の確率を上げたい方はぜひ参考にしてください。

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目次

事業拡大とは?

事業拡大とは、企業が成長を目指す上で重要な経営手法です。
具体的には、既存事業の拡大や、新規事業の開拓が当てはまります。事業拡大に成功すると利益増加が見込めるだけでなく、企業の長期的な存続にもつながり、実際に多くの企業が検討・実施しています。
しかし事業拡大はメリットとデメリットの両面があり、あらかじめリスクを想定し計画的に実施しなければ、失敗の可能性も高くなり注意が必要です。
成長を目指す企業にとって、事業拡大は避けては通れない重要な課題といえます。

事業拡大が必要な理由

「なぜ事業拡大が必要なのか?」について、いまひとつピンときていない方も多いのではないでしょうか?
結論としては、変化の多い市場に柔軟に対応して長期的に存続できる企業になるためです。
もちろん、事業拡大を行わなくても継続的に利益を出している企業もあります。しかし、現在はネットの発達も関係して変化の多い時代であり、今後長期的な目線で考えれば事業拡大は決して無視できません。
さらに他の理由として、成功している事業ほど競合に真似をされ、売り上げに影響する可能性があるからです。順番に詳しく解説します。

会社の長期的な存続のため

会社の長期的な存続のため、事業拡大は必要不可欠です。事業拡大で成長や変化を起こさなければ、多様な世間のニーズに対応できません。
近ではインターネットの浸透により、ニーズの変化も以前に比べて顕著です。そして世間のニーズに対応できなければ、企業間の競争にも負け、結果的に従業員の士気が下がります。従業員の士気が下がれば、商品やサービスの品質も下がり、負のスパイラルにおちいり企業の衰退につながるかもしれません。
既存事業だけに頼って変化しなければ、大きな確率で成長が鈍くなり、生き残りが難しくなります。変化の早い現代において、企業が継続的に成長し生き残るためにも、時代に合わせた事業拡大に取り組みましょう。

競合と差別化を図るため

競合と差別化を図り売り上げを守るためにも、事業拡大が重要です。たとえ自社のアイデアで事業が軌道に乗っても、いずれ競合に真似をされ顧客が分散し、売り上げの低下も考えられます。
さらに競合が真似をした事業にアレンジを加え、進化させる可能性もあるでしょう。そうなれば、さらに顧客は競合に流れます。今の事業に満足せず、事業拡大にて常に競合との差別化を図りましょう。

事業拡大する手順とは?

実際に事業拡大をする際は、正しい手順を知り、計画的に実施する必要があります。
事業拡大の手順は次のとおりです。

  • 市場調査
  • 新製品開発
  • 既存事業の拡大
  • 新規事業の拡大

ひとつずつ順番に解説します。

市場調査

事業拡大の際には、まず市場調査をしましょう。市場で自社の立ち位置や、最新の流行から衰退しているものまで事前に把握する必要があります。市場を把握する際には、自社の参入できる余地があるのかも確認しましょう。
具体的には、流行りの製品やライバル製品の強みを理解したうえで、満たされていない需要を分析します。市場調査を怠り、市場に需要のないサービスや製品を開発しても仕方ありません。需要を把握し、新しく求められている商品やサービスを開発すると失敗のリスクが大きく減ります。

新製品開発

市場調査で需要を把握できたら、新製品の開発に着手しましょう。新製品の開発を行うことで、市場でのさらなるシェア拡大が見込めます。
自社がすでに参入している市場であれば、今まで培ってきた知識や技術を使えるのが強みです。新しい市場に参入する場合は、時間がかかるうえに、資金や従業員の確保も必須です。
場合によっては新しい開発部門を設け、時間をかけ育てる必要があります。しかし新しい市場にて顧客を獲得できれば、大きな利益が見込めるだけでなく、既存事業が不調の際にもリスク分散になるでしょう。

既存事業の拡大

今までのノウハウを存分に活かすなら、既存事業を拡大しましょう。既存事業で培ったノウハウを活かせるので、戦略的に低リスクで行えます。
たとえば、今まで子ども用の紙オムツ商品を製造していた会社が、新しく大人用の紙オムツも製造する場合などが該当します。
今まで子ども用の紙オムツを製造してきたノウハウや技術があるので、大人用の紙オムツを売り出す際にもうまくいくケースが多いでしょう。しかし実際に製造する前には、参入できる余地があるのか、需要の変化も含めて事前のリサーチを怠らないのが成功のカギです。いくらノウハウがあるといえ、需要がなければ売り上げは伸びません。
リスクが少ない事業拡大を目指すなら、既存事業の拡大も視野に入れましょう。

新規事業の拡大

新規事業の拡大という選択肢もあります。新しい分野に参入するので非常にリスクは高いですが、成功すれば利益の増大が見込めます。
新規事業の拡大では、新しい商品の企画・開発により多額のコストがかかるので、既存の資源を有効活用するのがオススメです。M&Aを利用して、外部の資源を採り入れる方法もあります。
新規事業の拡大では、参入する新しい市場のニーズやライバル製品についても下調べが必要であり、準備は大変ですが軌道に乗れば新しい収益源として育ちます。高リスクですが、ニーズの変化に対応する意味や新たな利益獲得において効果的でしょう。

事業拡大の基本戦略は2つ

事業拡大の方法は大きく分けると次の2つです。

  • 自社で実施する
  • M&Aの利用

それぞれの特徴も含めて解説いたします。

自社で実施する

事業拡大を自社で実施するケースを考えてみましょう。自社で実施する場合の手順は、市場調査からはじまり、商品の開発や営業など必要な取り組みは多岐にわたります。
しかし自社で実施する場合は、結果的に少し非効率になる恐れがあり、注意が必要です。なぜなら、ゼロから新規事業を立ち上げるため、相応のリソースを必要とするからです。
既存のノウハウを有効活用できればコスト削減になりますが、予算の切り詰めには限界があります。仮にうまく軌道に乗ってきたときにニーズの変化が生まれる可能性もあり、時間や労力が報われないケースもあります。自社で実施する場合は、リスクが高いことは心得ておきましょう。

M&Aの利用

事業拡大の方法として、M&Aは有効です。M&Aが有効な理由は、リスクを最小限にできるからです。自社だけで事業拡大を目指せば、時間や労力をかけてもニーズの変化で報われないケースもあります。
しかしM&Aならコストはかかりますが、時間や労力は削減できます。M&Aの具体的なメリットは大きく2つです。

  1. ノウハウを取得できる
  2. 人的資源が手に入る

自社だけで事業拡大する場合は、ノウハウや人員などのリソースを割く必要がありますが、M&Aを利用すれば解決します。
さらに買収した企業に人気商品があれば、その知名度も手に入り、新しい顧客の獲得にもつながります。労力や時間を削減して効率的に事業拡大するなら、M&Aを選びましょう。

事業拡大のメリット

事業拡大のメリットは大きく5つあります。具体的には次のとおりです。

  • 知名度の向上
  • 市場への対応力の向上
  • 大きな利益獲得の可能性
  • 新しい社員を採用するきっかけ
  • リスク分散

ひとつずつ詳しく解説します。

知名度の向上

事業拡大により、知名度の向上につながります。活動範囲を広げると、より多くの消費者や取引先との関わりが増えるからです。さらに事業拡大に取り組めば、メディアに取り上げられる機会も多くなります。知名度が上がれば新規顧客が増えたり、新しい人材を確保できたりするなど、多くのメリットを得られるでしょう。

市場への対応力が向上

事業拡大をすれば市場への対応力も向上します。
理由は、事業拡大の際に行う入念な市場調査で、今後起こる可能性のある市場の変化もある程度予測できるからです。
さらに、既存事業だけに依存しないことがリスク分散にもなり、リスクマネジメントの観点から見ても事業拡大は優位働きます。もし既存事業が不調な場合も、新規事業が軌道に乗れば会社全体としての売り上げも安定するでしょう。事業拡大にて新規事業が安定すれば、変化が激しい市場への対応力もつき、経営は盤石なものとなります。

大きな利益獲得の可能性

事業拡大にて、大きな利益が見込めます。
事業拡大が軌道に乗れば、市場シェアが広がり売上が伸び、知名度の向上で新しい顧客もつくためです。事業拡大にて既存事業と結びつければ、相乗効果も生まれます。もちろんリスクもありますが、大きな利益獲得のために挑戦する価値は十分にあります。

新しい従業員を採用するきっかけ

事業拡大は、新しい従業員を採用するベストなタイミングです。前述したとおり、事業拡大にて話題になれば多くの方の目にとまり、メディアに出る機会も増え知名度は上がるでしょう。メディアへの露出が増え、魅力的に思った方が増えれば、求人募集への応募も増えます。
また優秀な人材を採用する機会にもなり、さらなる企業発展も期待できます。事業拡大をする場合、必然的により多くの人員が必要になるため、人材獲得のよい機会となるのではないでしょうか。

事業拡大のデメリット

事業拡大は多くのメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。デメリットを理解し、リスクに備えましょう。具体的なデメリットは次のとおりです。

  • 先行投資が必要
  • マネジメントの労力が増える
  • ランニングコストが増える

順番に詳しく解説いたします。

先行投資が必要

デメリットのひとつは、多額の先行投資が必要なことです。有効な先行投資ができれば問題ありませんが、誤った選択をすれば経営が一気に厳しくなります。
具体的には、新しい事業に多額の先行投資をしたにもかかわらず、売り上げが悪く事業終了した場合です。さらに有効な先行投資をしたものの、リターンを得られるまでに時間差があり、資金繰りに影響することもあります。
先行投資で失敗しないためにも、資金計画を入念に、リスクを抑えた選択をしましょう。

マネジメント労力が増える

マネジメント労力が増えることも、デメリットといえます。
事業拡大で組織の規模が大きくなると、従業員や設備が増えます。従業員や設備が増えればその分管理労力も増し、従来の方法では通用しなくなるかもしれません。
例として、従業員同士のトラブルが増えたり、組織としての意思決定が遅くなることがあげられます。事業を拡大すると同時に、自社で適切にマネジメントできる範囲を把握し、計画的にすすめることが重要です。事業拡大にて組織が大きくなれば、それだけマネジメント労力も増え大きな負担になるでしょう。

ランニングコストが増える

事業拡大でランニングコストも増大します。事業拡大を実施すれば、新しい人件費や製品の開発費が別途必要になるからです。
その他にも、新しい工場の建設費や賃料も該当します。さらにランニングコストが増えたにもかかわらず、売上が伸びなかった場合はさらに経営が厳しくなります。
事業拡大にてコストを回収できなかったケースもよく考えましょう。事業拡大にて利益が出た場合にも、ランニングコストと照らし合わせて収支を見ましょう。

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事業拡大の成功へのポイント

事業拡大の成功へのポイントを知ることで、失敗のリスクを下げられます。
事業拡大の成功へのポイントは7つあり、次のとおりです。

  • 市場調査を入念に行う
  • タイミングを見極める
  • 現在抱えている人材を中心に
  • M&A会社への依頼は慎重に
  • ブランディングを大切に
  • 利益率を上げるのを優先
  • 実際に小さく試して検証

詳しく解説します。

市場調査を入念に行う

事業拡大の失敗を防ぐためにも、市場調査は入念に行いましょう。せっかく新しいサービスや製品を開発しても、市場に需要がなければ意味がなく、売上が伸びない多くの原因です。
具体的には、市場の需要や他社製品の強みなどを把握する必要があるでしょう。
また、ターゲットとしている顧客にあったサービスや商品なのか調べることも大切です。市場調査をし、事業拡大のリスクを減らしましょう。

タイミングを見極める

事業拡大で失敗しないために、参入するタイミングは重要です。
理由としては、仮に経営状況が不安定な時期に参入してしまうと、経営が傾き最悪の事態を招く可能性があります。具体的に参入すべきタイミングは次のとおりです。

  • 既存事業が安定している
  • 人手に余裕がある

いくら事前準備をしても、事業拡大はリスクを伴います。もちろん適切なタイミングでなければ、時機をあらためる必要があるでしょう。
事業拡大を成功に導くためにも、適切なタイミングを見極めて慎重に行うとリスクを減らせます。

現在抱えている従業員を中心に

安定的に事業拡大を行うなら、現在抱えている従業員を中心に取り組みましょう。事業拡大はたしかに従業員の確保が必要であり、新しく採用する機会も増えますが、即戦力になるとは限りません。
それに比べ、現在抱えている従業員ならば既存事業にも精通しており、それまでに築いてきた信頼関係もあります。現在の従業員を中心に取り組めば、安心して事業拡大を任せられるでしょう。

M&A会社への依頼は慎重に

M&Aの成功率を上げるなら、依頼するM&A会社は慎重に検討しましょう。信頼できるM&A会社に依頼できなければ、事業拡大に失敗するだけでなく、経営そのものが厳しくなる恐れもあります。
たとえば、M&Aによって企業イメージが損なわれ、採り入れた事業が企業全体の足を引っ張る可能性もあるからです。
ただしリスクはありますが、M&Aが事業拡大において有効な手段であることは間違いありません。少しでも事業拡大の成功率を上げるために、依頼するM&A会社はじっくりと選びましょう。

ブランディングを大切に

事業拡大の戦略において、ブランディングも大切です。理由としては、同じ市場で他社との差別化を図り、自社ブランドの価値を確立させる必要があるからです。
自社ブランドを確立させれば、売り上げの安定にもつながります。
たとえばモスバーガーは、他社のハンバーガーと比較して価格設定がやや高めです。しかし、「食材にこだわっている」「高級感があるハンバーガーを売っている」というブランディングに成功しています。
また、自社ブランドのイメージが損なわれない既存事業とマッチさせることも重要です。ブランディングは、市場でのブランド価値を確立させ、売り上げを安定させるためにも意識しましょう。

既存事業の利益を上げることを優先

何より忘れてはいけないのは、既存事業で利益を上げることです。事業拡大には大きな先行投資が必要であり、準備として資金確保が必須条件です。既存事業で利益を上げ、資金を確保しなければ事業拡大に踏み込めません。
たとえば、既存事業の利益が下がっているタイミングで事業拡大すればどうでしょうか?あまり余裕がない状態にもかかわらず、事業拡大で大きなリソースを取られ社内の雰囲気も悪くなるかもしれません。
新規事業で収益化する前に、資金が底をつく最悪のケースも考えられます。既存事業の利益を伸ばし、安心して先行投資を行いましょう。

実際に小さく試して検証

まずは実際に小さく試してみましょう。小さく検証することで改善点が見つかり、本格的に事業を拡大する際のシミュレーションにもなり、リスクを減らせます。
はじめから本格的に取り組んでしまうと、失敗した時に取り返しがつきません。最悪のケースを防ぐためにも、小さく検証するのは有効な方法です。

事業拡大への資金調達

事業拡大には先行投資にかかる資金が必要です。しかし、正しい方法で資金調達できなければ、資金繰りが厳しくなります。具体的に資金調達する方法としては次のとおりです。

  • 資産の売却
  • 融資
  • クラウドファンディング
  • 補助金

順番に詳しく解説します。

資産の売却

事業拡大に必要な資金を手早く入手するには、資産の売却がよいでしょう。保有している資産を売却すれば、低コストで現金化できるだけでなく、返済の必要もありません。
具体的に売却できる資産としては、不動産・有価証券・債権などが該当します。資産の売却は手早く現金化できるのがメリットですが、悪質な業者も存在するので、売却先は慎重に決めなければいけません。冷静に判断し、納得できる取引先を選びましょう。

融資

事業拡大において、融資も資金調達に有効な方法です。経営状態によっては、前述した資産売却ができない企業もあり、その場合はとくに融資が役に立ちます。
しかし審査の結果によっては、希望金額に満たないケースもあります。新規事業が軌道に乗らない場合でも、当然返済があり、その場合は経営に大きく影響することもあるでしょう。返済が滞らないように、利息も考慮した適切な返済計画が必要です。

クラウドファンディング

資金調達において、グラウドファンディングも1つの方法です。インターネットで取り組みを応援してくれる人を募り出資してもらうシステムなので、資産の売却や融資の返済も必要なく低リスクです。
もちろん応援してくれた方に返済の必要はありませんが、出資した金額に応じて商品などでお返しをするシステムになっています。
クラウドファンディングで多くの方に出資してもらえれば話題にもなり、知名度も上がります。その時に出資されなくても、知名度が上がれば製品完成後に購入していただけるケースも増えるでしょう。
まだまだ新しいシステムで認知度は低いですが、全体的にリスクが少なくオススメです。

補助金

補助金も、資金調達として活用するべきでしょう。補助金は返済の必要もなく、リスクの少ない資金調達方法です。
具体的に、国や地方団体から返済不要の補助金があり、厚生労働省のホームページなどに情報が掲載されています
しかし、条件や募集期間が頻繁に変更されるため、自社にあった補助金を探し出すのが困難な場合もあります。
審査を受ける際に必要書類も多いので、一度専門家へ相談した方がよいです。注意点としては、後払いになるケースが多く、その場合は立て替える必要があることです。
最近では新型コロナウイルス関連の補助金も多いので、「自社で活用できる補助金はないか?」定期的にチェックしておいたほうがよいでしょう。

事業拡大で成功した企業事例

では実際に事業拡大で成功した企業事例を紹介します。今回紹介するのは次のとおりです。

  • JT
  • 楽天グループ
  • 任天堂(Nintendo)
  • 富士フィルム(FUJIFILM)

事例を参考に、事業拡大の際にお役立てください。

JT(日本たばこ産業)

JTは事業拡大に成功した企業として有名です。
日本でタバコのイメージ悪化から喫煙者が減り売上が低下しましたが、そこで海外のタバコ企業を複数買収し、今では収益の半分以上を海外の売上でまかなっています。
さらに海外の企業を買収したことで、海外進出のコストも抑えられ、結果的に今では世界で第3位のタバコグループに成長しました。JTはタバコ事業以外にも、加工食品や医薬品の部門があり、売上全体の約10%を誇ります。
事業拡大にて売上の半分を海外で確保でき、タバコ以外の事業でも売上が安定しているようです。

(参考:タバコの経済評価[PDF] / JT公式 売上内訳

楽天グループ

楽天グループも事業拡大の成功例として有名です。みなさんもよく知る楽天経済圏は、M&Aによる事業拡大で築かれ、最近でも携帯事業に参加するなどその勢いは衰え知らず。

  • 通信販売サイトである楽天市場からスタート
  • カード会社を買収して楽天カードを作り上げる
  • 証券会社を買収して楽天証券を作り上げる

など、事業拡大によって組織の規模を大きくしていきました。楽天の戦略として、楽天経済圏内の事業を結びつける手法も成功した理由でしょう。
たとえば、楽天カードの引き落としで楽天証券の株を購入するとポイントがつきます。新規事業を既存事業に結びつけ、顧客に魅力的なサービスを展開する手法もプラスに働いています。
M&Aでの事業拡大において、楽天グループはとてもいいお手本になるでしょう。

(参考:楽天公式 楽天の歴史

任天堂(Nintendo)

  • ファミリーコンピューター
  • スーパーファミコン
  • ニンテンドーDS
  • Wii

をはじめとしたゲーム機(ハード)から、

  • マリオシリーズ
  • 星野カービィシリーズ
  • ゼルダの伝説シリーズ

などの人気ソフトまで生みだし、大人から子どもまで、世界中の人々に愛させるゲームメーカー任天堂。
2022年6月には、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)の国内販売台数が2500万台※を突破しました。※推定累計(参考:ファミ通.com
そんな任天堂が実は、もともと京都で花札を作っている会社だったというのは有名な話です。カードゲームの衰退から、当時まだめずらしかった家庭用テレビゲーム機に目をつけて製造を開始。1983年に発売したファミリーコンピューターは、複数人で遊べるゲーム機として空前の大ヒットを記録しました。
アナログからデジタルへと大きく舵を切った任天堂の大胆な事業拡大(転換)が、近年ではスポーツ競技としても普及するようになったコンピューターゲーム文化の礎を築いたのです。

(参考:会社の沿革 | 任天堂

富士フィルム(FUJIFILM)

既存事業で磨きあげたノウハウを存分に活かしながら、新しい分野で成功したのが、1934年設立の老舗フィルムメーカー富士フィルムです。
写真事業の衰退の危機にあった富士フィルムは、長年培ってきたフィルム製造の技術(ナノテクノロジー)を、化粧品・医薬品の分野へと活用しました。
たとえば、人間の肌や骨を構成するタンパク質のひとつであり、美肌や健康、アンチエイジングへの効果も期待される成分として注目されているコラーゲン。実はこのコラーゲン、写真フィルムの主成分でもあるのです。
不純物を極限まで削ぎ落とし、長期間成分を安定させるコラーゲンに関するハイレベルな技術が、富士フィルムにはありました。
創業以来磨いてきた既存事業の高い技術力が、事業拡大・構造転換の成功を支えているのです。

(参考:富士フイルムだからできること | FUJIFILM ビューティー&ヘルスケア Online

自社にあった戦略で事業拡大しよう!

今回は事業拡大について解説いたしました。事業拡大とは、企業が成長を目指す上で重要な経営手法です。やり方として、既存事業の拡大か新規事業の開拓があり、事前調査をした上で、適切なタイミングで行うことが重要です。
メリットは大きく、知名度の向上や大きな利益獲得の可能性があります。デメリットも理解したうえで、自社にあった戦略で取り組みましょう。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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