エンタメ領域におけるEC構築のヒント|エンタメECの現状と課題、成功事例

2024.10.08
Wakka Inc. メディア編集部
エンタメ領域におけるEC構築のヒント|エンタメECの現状と課題、成功事例
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エンタメ領域とECを融合させることは、ECの効率的な運営につながります。

エンタメとECの組み合わせは非常に相性が良く、うまく活用すれば見込み顧客への機会損失を防ぐこともできます。

エンタメとECの融合は、ファンのニーズに応えるだけでなく、売上の向上も期待できる効果的な手段です。

一方で、エンタメに特化したECを運営する過程では、エンタメ領域特有の課題に直面することも少なくありません。

本記事では、エンタメに特化したEC運営のポイントについて解説します。効率的な運営や売上アップを実現するための課題と対策もまとめているので、エンタメ領域の新規事業を検討している方はぜひ最後までお読みください。

目次

エンタメECの特徴と現状・ECを取り入れると効果的なエンタメ

エンタメに特化したEC(以下、エンタメEC)において、売上と顧客満足度の向上が見込めるコンテンツには次のものがあります。

  • ゲーム
  • アニメ
  • アイドル
  • キャラクター
  • Vtuber・YouTuber
  • スポーツ
  • 舞台演劇
  • 演奏会
  • 公演など

これらのコンテンツは、オンライン配信との相性が抜群です。

特に、音楽やオンラインゲームなどはエンタメECとの親和性が高く、比較的取り入れやすいジャンルです

新型コロナウイルスの流行以降、ECでのグッズ販売は増加の一途をたどっています。

特に、外出が規制されていた時期はオンライン配信のコンテンツを楽しむ人が増加しました。

オンライン配信は参加者数の制限がなく、全国を市場として展開できる点が大きな強みです。

また、物販全体のEC市場も拡大傾向にあり、今後もオンライン購入の需要が増える見込みです。

さらに、オンライン決済の普及によってオンラインショッピングを手軽に楽しめるようになり、ユーザー側のハードルも下がりました。

以下のグラフは、ECの市場規模がどのように推移しているかを示したデータです。

映像・音楽ソフトは物販分野、チケット販売はサービス分野、音楽・動画配信はデジタル分野に分類されます。

上記のデータを見ると、いずれの分野でも市場規模が拡大していることが分かります。

参考:経済産業省『電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

なぜファンはECで購入するのか

エンタメ業界でECを導入するべき理由の一つは、顧客満足度の向上です。

多くのファンはできるだけ長く推しと一緒にいたいと考え、グッズを購入して推しを支えようと考えます。

イベント当日はグッズ販売エリアに長蛇の列ができるので、せっかく並んでも人気商品が売り切れている可能性もあります。

ECで事前にグッズを購入することは、ファンにとって大きな安心材料です。

エンタメ業界はSNSなどの顧客接点(タッチポイント)が豊富なため、ネット販売との相性が非常に良いといえるでしょう。

エンタメECのメリット

エンタメECは、消費者と販売元の両方にメリットをもたらします。

消費者のメリット販売元のメリット
24時間365日購入できる人気商品の売り切れリスクを回避できる事前購入でイベント当日は安心して楽しめる限定グッズや特典付き商品を購入するハードルが低くなる24時間365日販売できる予約販売をすれば在庫管理がしやすい売上予測や計画的な販売がしやすくなる収集したデータをマーケティングに活用できる

エンタメ領域においては、初回特典や期間限定の商品など、そのタイミングでしか購入できないアイテムの需要が非常に高いです。

人気商品を確実に購入したいファンと、無駄な在庫は極力省きたい販売者側の両方のニーズが合致します。

希望する商品を購入できれば、消費者は次回もECで買い物しようと考えます。

販売者はそのデータをもとに、新商品の企画や製造、宣伝活動などの販売戦略に役立てることが可能です。

エンタメECの課題と対策

エンタメECにはさまざまなメリットがありますが、クリアすべき課題もあります。

販売者がクリアすべき課題例は下記の通りです。

  • 在庫切れや売り切れへの対処
  • 予約商品の出荷体制
  • リードタイム予想
  • 物流波動の分析

それぞれ解説します。

在庫切れや売り切れへの対処

ECで予約販売などを行っても、在庫切れや売り切れが起こる可能性はゼロではありません。

過去の販売履歴から必要な在庫数を慎重に検討することが重要です。

在庫切れや売り切れに対処するには在庫管理システムの活用を活用しましょう。

近年はAIによるデータ解析ツールなども増えており、より精度の高い需要予測ができるようになりました。

イベント当日と同じ商品を販売する予定がある場合は、ECと当日販売に分けて在庫確保するとより機会損失を防げます。

予約商品の出荷体制

イベント前に予約商品を販売する場合は、商品の出荷体制にも注意が必要です

ファンはイベントに向けてグッズを購入しようとするため、一定期間に注文と出荷が集中します。

注文数が急増すれば、その分出荷時のミスも発生しやすくなります。

ミスを防ぎ、商品をスムーズに発送するためには、効率的な梱包・発送の体制を整えることが不可欠です。

物流のプロセスを見直し、計画的かつ迅速に対応できる仕組みを構築することが、顧客満足度の向上につながります。

リードタイム予測

リードタイムとは、グッズの発注から製造、納品までにかかる日数を指します。

立体造形や特殊な形状のアイテムは製造には時間がかかるため、リードタイムを予測しながらプロジェクトを進めることが重要です。

売れ行きが順調な商品が在庫切れを起こすと、本来得られるはずだった利益を失うことになります。

特に、海外の工場で製造を行っている場合は、国内製造よりもリードタイムが長くなりやすい傾向にあります。

製造元や仕入先と友好な関係を築けていれば、製造プロセスの改善や物流の最適化によってリードタイムを短縮することも可能です。

エンタメECの効率的な運営のためにも、リードタイム予測には十分な時間を充てましょう。

物流波動の分析

エンタメECの導入を検討する際は、物流波動についての理解も深めなければなりません。

物流波動とは、季節のイベントやトレンドの変化による物流量(出荷量)の増減のことです。

先述の通り、注文数が増えると人為的なミスが発生しやすくなり、配送遅延や誤出荷などのトラブルにつながる恐れがあります。

物流波動の影響を最小限に抑えるためには、波動の山と谷の分析と、現場との情報共有が欠かせません。

物流波動を分析した後は、物品の保管場所や人員の調整もセットで行うことが大切です。

自社だけで繁忙期を乗り越えるのが不安な場合は、発送代行サービスの活用も検討しましょう。

●料金目安もわかるECサイト構築ガイド
>新規事業などでECサイトを構築する場合のガイドを作成しました。目的や売上規模に応じたEC種別選定や最適な構築手法についての診断を受けることができます。

エンタメECの成功事例

エンタメ業界でECを展開した事例を3つ紹介いたします。

  • タツノコプロ OFFICIAL MALL
  • MUUU
  • Sakenomy Shop

成功事例から自社での導入のヒントを導き出してください。

タツノコプロ OFFICIAL MALL

引用元:タツノコプロ 

人気作品を多数生み出してきたタツノコプロでは、多くのキャラクターグッズをECで販売しています。

先行予約や期間限定販売、各種キャンペーンなど、話題の商品が一目で分かるレイアウトにこだわり、最新の作品やイベント情報などをチェックできるのがポイントです。

EC限定のアイテムや特典など希少性の高い商品がファンの心をくすぐり、ユーザーの購買意欲を掻き立てます。

参照:タツノコプロ OFFICIAL MALL 

MUUU

引用:MUUU 

大手YouTuber事務所のUUUMが運営するプラットフォーム「MUUU」は、今をときめく人気YouTuberやインフルエンサーのグッズを多数扱っています。

クリエイターがオリジナル商品を作りやすい仕組みが大きな特徴で、ファンからの要望に応える形でのグッズ提供が可能です。

以前は人気商品の販売直後にサーバーダウンが多発していましたが、サイト構築を見直し、サーバーの安定性も向上しました。

結果として、エンジニアの工数削減と消費者の満足度向上の両方を実現しています。

参照:MUUU 

Sakenomy Shop

引用:Sakenomy Shop 

元プロサッカー選手の中田英寿氏が代表を務める「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」は、2021年に日本酒専門ECサイト「Sakenomy Shop」をオープンしました。

日本全国の銘酒をECで購入できる仕組みを作り、日本酒の文化と魅力を世界に発信しているのが特徴です。

同ECでは、中田氏が旅をしながら酒蔵を巡り、生産者たちとの繋がりを大切にする様子がメディア配信されています。

日本酒というコンテンツをエンタメ業界で盛り上げ、ファンを増やし続けている点がエンタメECの成功事例として注目されています。

参照:JAPAN CRAFT SAKE COMPANY 

ファンとの信頼構築にはエンタメECの活用が不可欠

ゲームやアニメ、アイドルYouTuberなど、エンタメ領域でのグッズ販売には、ECの活用が有用です。

エンタメECは顧客満足度の向上だけでなく、ファンとの信頼構築において大きな役割を果たします。

しかし課題もあり、在庫切れへの対処やリードタイム予測も慎重に行わなければなりません。

エンタメECならではの課題は、ファンの心理に寄り添うことで解決の糸口を見つけやすくなります。

EC構築の際は、安定したグッズ販売に向けて計画的なプロジェクト進行を意識しましょう。

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