CMSにセキュリティ対策が必要な理由|対策法と選び方を徹底解説
CMSは、Webサイトの構築・管理・運用を行うシステムであり、導入すればWebサイトを専門知識なしで運用・管理できます。
しかしCMSはサイバー攻撃を受けるリスクがあるため、セキュリティ対策を徹底しなければなりません。
CMSの導入を検討している方は、考えられるセキュリティリスクと対策方法を確認しておきましょう。
この記事では、CMSにセキュリティ対策が必要な理由と具体的な対策法を7つご紹介します。
セキュリティ性の高いCMSを選ぶコツもあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
ヘッドレスCMSの導入を予定している事業会社さまへ。
ヘッドレスCMSの導入目的に応じた、インフラ環境選定の手助けに。
ヘッドレスCMSのタイプの違いに応じたインフラ環境の構築例や、サーバー調達時に必要になる情報をチェックリストとして網羅しました。
CMSの種類とそれぞれのセキュリティ性
CMSとは「Content Management System」の略称で、様々なオンラインコンテンツを一括管理するためのプラットフォームを指します。
CMSを導入すれば、専門知識がなくても簡単にWebサイトを運営・管理できます。
ただしCMSはサイバー攻撃を受けやすいため、セキュリティ性を確認してから導入することが大切です。
なおCMSは、主に次の3種類に分類されます。
- オープンソース型
- パッケージ型
- クラウド型
それぞれの特徴とセキュリティ性を確認して、CMS選びの参考にしてください。
オープンソース型
オープンソース型のCMSは、ソースコードが公開されているCMSで、誰でもカスタマイズできる特徴があります。
基本的に無料で利用できるものが多く、法人・個人問わずに世界中で広く使用されているCMSの種類です。
世界中に利用ユーザーがいるため、コミュニティや情報が充実しており、初めてCMSを導入する方でも使いやすいです。
ただしオープンソース型は、ソースコードが公開されているため、脆弱性をつくサイバー攻撃の対象になりやすいデメリットがあります。
パッケージ型
パッケージ型は、ベンダーが独自に開発したシステムのライセンスを購入し、自社サーバーにインストールして使用するCMSの一種です。
組織利用を前提として機能や仕様がパッケージされているケースが多く、インストールしてからカスタマイズする手間がかかりません。
セキュリティ対策もベンダーが独自に開発しているため、オープンソース型よりもセキュリティリスクが少ない傾向にあります。
ただしパッケージ型のCMSは、サーバーにインストールしてからのアップデートやメンテナンスを自社で行う手間が発生します。
また初期費用やプラグイン・ライセンス費用など、導入コストが高額になりやすいデメリットがあるため、予算内で導入できるCMSを探しましょう。
クラウド型
クラウド型は、ベンダーが管理するサーバー内に搭載されたシステムを、インターネット経由で利用するCMSの導入形式です。
自社サーバーを用意したりシステムをインストールしたりする手間がかからず、すぐに導入できるメリットがあります。
またメンテナンスやセキュリティ対策をベンダーが行うため、自社でCMSを管理するタスクが軽減され、セキュリティリスクも低減されます。
しかしクラウド型のCMSは、サイバー攻撃やシステムダウンなどトラブルが生じた際に、ベンダーに対応を依存しなければなりません。
またオープンソース型のように自由なカスタマイズ性はなく、ベンダーが決めた仕様・機能を利用する必要があります。
CMSにセキュリティ対策が必要な理由
CMSにはセキュリティ対策が重要ですが、「なぜセキュリティ性を強化する必要があるのか」理由を知らなければ、積極的に対策できません。
CMSの導入を検討している方は、次のセキュリティ対策が必要な理由を確認しましょう。
- サイバー攻撃のターゲットになる確率が高い
- 外部システムから不具合が生じる可能性がある
- セキュリティ対策に関する専門知識とスキルが不足している
それぞれの理由を確認して、CMSのセキュリティ対策を強化するべきか検討してください。
サイバー攻撃のターゲットになる確率が高い
CMSにセキュリティ対策が必要な理由は、サイバー攻撃のターゲットになる確率が高いからです。
CMSは法人・個人問わずに多くのユーザーが利用しているため、サイバー攻撃のターゲットになりやすいです。
サイバー攻撃をしかける攻撃者としては、独立したサイトを狙うより多くのユーザーが利用しているCMSで構築したサイトを狙ったほうが、効率的に個人情報を引き出せます。
特にWordPressなどオープンソース型のCMSは、無料で手軽に導入できるため、専門知識がなくとも導入できます。
そのためセキュリティ対策が疎かになっているケースも多く、サイバー攻撃をしかける攻撃者からすると、情報を引き出しやすいターゲットとして狙われやすいです。
外部システムから不具合が生じる可能性がある
CMSを導入しても、外部システムから不具合が生じる可能性があるため、セキュリティ対策が必要です。
CMSにプラグインなどの外部システムを導入すれば、フォームの設置やSEO強化など、基本機能にない性能を付与できます。
しかしCMSのバージョンアップに伴い、プラグインが不具合を起こせば、最新の状態へアップデートできずにセキュリティ対策が疎かになる可能性があります。
さらにCMSのセキュリティ性が高くても、外部システムの脆弱性をつかれたサイバー攻撃を受ける可能性があるため注意が必要です。
セキュリティ対策に関する専門知識とスキルが不足している
CMSにセキュリティ性が求められる理由は、セキュリティ対策に関する専門知識とスキルが不足しているからです。
CMSを利用すれば、ITに関する知識やスキルがないユーザーでも簡単にWebサイトを構築・管理できるため、セキュリティ対策に関する専門知識とスキルが不足しているケースがあります。
一般社団法人日本損害保険協会が実施した「中小企業の経営者825人に聞いたサイバーリスクへの意識調査」によると、中小企業のうち約4社に1社がサイバー攻撃への対策を行っていないことがわかりました。
さらに52.3%がサイバー攻撃の対象になると認識しておらず、29.7%の経営者が被害をイメージできていません。
しかし中小企業の5社に1社がサイバー攻撃の被害を経験しており、セキュリティ対策が必要なことが明らかになりました。
いざサイバー攻撃を受けてしまうと、コンテンツの改ざんや個人情報の漏洩など被害を受けてしまうため、CMSのセキュリティ対策を強化しておくことが大切です。
CMSが警戒するべきサイバー攻撃の種類
CMSを導入する際には、想定されるサイバー攻撃の種類を理解して警戒する必要があります。
CMSが警戒するべきサイバー攻撃の種類は、次の通りです。
- SQLインジェクション
- クロスサイトスクリプティング
- DoS攻撃
- ゼロデイ攻撃
それぞれの特徴を解説するので、サイバー攻撃にはどのような種類があるのか確認しておきましょう。
SQLインジェクション
SQLインジェクションは、データベースやアプリケーションを攻撃する代表的なサイバー攻撃です。
SQLとは「Structured Query Language」の略称で、データベースを操作するための言語です。
SQLインジェクション攻撃は、アプリケーションの入力フォームやURLパラメータにSQLコードを挿入して、データベース内の情報を不正に操作するものです。
具体的には、アプリケーションの入力フォームやURLパラメータに、SQLコードを挿入して、データベース内の情報を検索したり不正な情報を追加したりするサイバー攻撃です。
入力検証やエスケープ処理が疎かな場合に、SQLインジェクションで攻撃されることが多く、不正データの削除や追加などWebサイトを破壊されるリスクがあります。
クロスサイトスクリプティング
クロスサイトスクリプティングは、「Cross Site Scripting」の略称として「XSS」と表記するケースがあるサイバー攻撃の一種です。
具体的には、サイト内に不正なJavaScriptを埋め込み、サイト内のコードを改ざんして不正な操作を行います。
サイトを訪問したユーザーに対して不正なサイトへ誘導したり、個人情報やCookie情報を盗んだりと、悪質な操作によって被害をもたらします。
DoS攻撃
DoS攻撃は、「Denial of Service Attack」の略称であり、「サービス拒否攻撃」の意味合いを持つサイバー攻撃の一種です。
Dos攻撃は、悪意を持って大量のデータをシステムやサイトへ送信して、サーバーに負荷をかけてサーバーダウンさせる手法です。
トラフィックやリクエストなど通常では想定されていないほどの、大量のデータを送り込むことで、サーバーの処理が遅延し通常の対応ができない状態へ追い込みます。
Dos攻撃を行う理由は、嫌がらせや妨害行為、抗議・脅迫などサイト運営者への意思表示が原因のケースが多いです。
また分散型DoS攻撃と呼ばれる複数の攻撃者が連携して、トラフィックやリクエストを大量送信するサイバー攻撃も存在します。
分散型Dos攻撃は、一部の攻撃減を防いでも他の攻撃を防げずに、サーバーがパンクしてしまうため対策が難しいです。
ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃は、「Zero-Day Attack」と表記されるように、サーバー側が対策する間を与えずにサイバー攻撃を仕掛けます。
攻撃者がサイトやシステムの脆弱性を発見次第、サイバー攻撃を仕掛けるため、ベンダーやサイト運営者が脆弱性発見から修正パッチ適用するまでの期間を与えません。
ゼロデイ攻撃を受ければ、サイトの制御を奪われてしまいサーバーの停止や改ざん、個人情報の奪取などの被害に遭います。
ゼロデイ攻撃を防ぐためには、サーバーの不具合・脆弱性を早期発見し、修正パッチを適用させるスピーディーな対応が必要です。
CMSのセキュリティリスクにより被害を受けるケース
CMSのセキュリティ対策が疎かになっていると、サイバー攻撃を受けるリスクを解説しました。
具体的に、CMSのセキュリティリスクにより被害を受けるケースには、直接的な被害と間接的な被害の2種類に分類されます。
それぞれセキュリティリスクにより被害を受けるケースを確認して、対策を実施しましょう。
直接的な被害
CMSのセキュリティリスクによる直接的な被害として、次のようなものが挙げられます。
- 情報漏洩や個人情報の流出
- サイト・コンテンツの改ざん
- データ破壊やウイルス感染
直接的な被害とは、サイト内や訪問ユーザーに対して起こりうる被害リスクを指します。それぞれの被害を確認して、CMSのセキュリティ対策を実施するべきか検討しましょう。
情報漏洩や個人情報の流出
CMSのセキュリティリスクとして、情報漏洩や個人情報が流出する被害が想定されます。リスクがあります。
サイバー攻撃を受けて、情報漏洩や個人情報が流出してしまえば、サイトの運営を一時ストップしなければなりません。
サイト訪問者の個人情報が流出すれば、企業の信頼が低下し顧客やクライアントへの謝罪や説明対応に追われてしまいます。
そのため、情報の流出源を特定しサイトを復旧するための対応が必要です。情報漏洩や個人情報の流出は、CMSを使ったサイト運営における大きな損失となるため。対策を徹底しなければなりません。
サイト・コンテンツの改ざん
CMSのセキュリティリスクとして、サイト・コンテンツが改ざんされる被害があります。
不正アクセスによってサイト内の情報やコンテンツが書き換えられ、悪質なページへ誘導するようサイトを改ざんされるリスクがあります。
自社サイトが他の悪質サイトへの転送処理として改ざんされると、サイトを訪れたユーザーや既存顧客の信頼を失ってしまうため注意しなければなりません。
また近年は「ランサムウェア」と呼ばれるサイトを改ざんするサイバー攻撃が多発しており、セキュリティ対策が求められています。
ランサムウェアは、サーバーをロックしたりファイルを暗号化したりと、サイト情報を改ざんして元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求するサイバー攻撃です。
なかには「身代金を支払わなければ、サイト内の個人情報や重要情報を暴露する」と、情報を人質に身代金を要求するケースもあります。
サイト・コンテンツが改ざんされると、サービスやサイトの利用停止にもつながるため、顧客離れや売上低下などの被害へ直結します。
データ破壊やウイルス感染
CMSのセキュリティ対策を強化していないと、データ破壊やウイルス感染のリスクがあるため危険です。
サイト内に収集した顧客情報や過去のコンテンツ情報を消去されると、サービスやサイト運営が困難に陥ります。
顧客情報を格納しているデータファイルが破壊されると、顧客へのサービス提供が難航し企業の信頼が低下するため、注意しなければなりません。
また過去のコンテンツが消去されると、SEO効果が低下しサイトの露出度が下がってしまうため、集客力が低下します。
コンテンツ制作には膨大な時間と労力が必要なので、SEOの観点から見るとサイト内のコンテンツデータが消去される事態は大きな損失です。
さらにサイトがウイルス感染した場合は、サイトにアクセスしたユーザーもウイルスの被害に遭うため、二次被害からより大きなトラブルへ発展します。
間接的な被害
CMSのセキュリティリスクは、直接的な被害だけでなく、以下のような間接的な被害が想定されます。
- 損害賠償や復旧費用の発生
- 企業イメージの低下による顧客離れ
- 復旧や対応による業務量の増加
間接的な被害は、損害賠償の発生や顧客離れなど企業の収益を低下させるリスクが多いです。
それぞれの被害を確認して、CMSのセキュリティリスクを把握しておきましょう。
損害賠償や復旧費用の発生
CMSのセキュリティリスクにおける間接的な被害として、損害賠償や復旧費用が発生します。
個人情報が流出した場合は、対象のユーザーへ謝罪し損害賠償を支払う必要があります。
情報漏洩や個人情報の流出は、企業イメージの低下につながるため、適切に対応しなければなりません。
またサイト情報を改ざん、消去された場合には、復旧するために人件費やシステム導入費などのコストが発生します。
CMSで構築したサイトがサイバー攻撃を受ければ、損害賠償や復旧費用が発生するため、支出が増えて収益が激減します。
特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会が公表した「2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」によると、情報漏洩が起きた際の平均被害は次の通りでした。
情報漏洩に関する項目 | 人数・金額 |
一件あたりの漏えい人数 | 1万3,334人 |
一件あたり平均想定損害賠償額 | 6億3,767万円 |
一人あたり平均想定損害賠償額 | 2万9,768円 |
個人情報流出による一件あたりの平均想定損害賠償額は、6億3,767万円と高額です。漏洩した情報の内容や人数によって損害賠償額は変わりますが、数千万円~数億円単位の支払いが必要になることを覚えておきましょう。
企業イメージの低下による顧客離れ
CMSのセキュリティリスクとして。企業イメージの低下による顧客離れが発生します。
個人情報の流出やコンテンツ内容の改ざん・他サイトへの転送被害など、サイバー攻撃により顧客やクライアントに迷惑がかかれば、企業イメージが低下します。
企業イメージの低下に伴い、「個人情報を適切に管理できない企業」だと判断されると、顧客離れにつながるため損失は大きいです。
CMSのセキュリティリスクとして、ユーザーへの被害に発展することによる企業イメージの低下や顧客離れに注意しなければなりません。
復旧や対応による業務量の増加
CMSで構築したサイトがサイバー攻撃に遭うと、復旧や対応により業務量が増加します。
サイト・コンテンツが改ざんされたり、ウイルス感染の被害に遭ったりすると、サイトを復旧するために膨大な業務量が発生します。
さらに顧客やクライアントへの対応に追われるため、サイト復旧と顧客の信頼回復に膨大な労力と時間が必要です。
サイトの復旧や対応に追われることで、通常業務が疎かになれば、さらに企業イメージが低下し顧客離れが発生します。
そのためサイバー攻撃による二次被害を防ぐために、いち早いサイト復旧と改善が求められ、従業員は膨大な業務量を処理しなければなりません。
システム開発を検討されている方に向けてすぐに使える『RFP(提案依頼書)テンプレート』をご用意!
編集しやすいパワーポイント形式のテンプレートなので、項目を埋めるだけで簡単にRFPが作成できます。
CMSで実施するべき7つのセキュリティ対策
CMSにおけるセキュリティ対策として、次の7つを実践しましょう。
- 最新バージョンへアップデートする
- 複雑なパスワードに変更する
- SSLを導入する
- WAFを導入する
- 外部システムを最小限に留める
- 利用権限を制限する
- 復旧対策を用意する
サイバー攻撃を防ぐために、それぞれの対策法を実施してください。
1.最新バージョンへアップデートする
CMSでセキュリティ対策を行うためには、最新バージョンへのアップデートが必要です。
クラウド型のCMSであればベンダー側が最新バージョンへアップデートしてくれますが、オープンソース型やパッケージ型のCMSは、自分で行わなければなりません。
CMSをバージョンアップすれば、脆弱性が修正されセキュリティ性の強化につながるため、サイバー攻撃を受けるリスクを軽減できます。
さらに操作性の不具合やサイト内の不正アクセスを改善できるため、より快適に安心して利用できるコンテンツを提供できます。
CMSのセキュリティ性を強化したい場合は、定期的に最新バージョンへアップデートを行いましょう。
2.複雑なパスワードに変更する
CMSのセキュリティ性を強化するには、複雑なパスワードに変更することが大切です。
サイバー攻撃や不正アクセスを回避するためには、パスワードを特定されない複雑なものに変える対策法が効果的です。
パスワードは8桁以上の英数字を織り交ぜたものを使用し、定期的に変更することをおすすめします。
またサイト管理者の名前や誕生日、社名などをパスワードに使用した場合、特定されるリスクがあるため注意が必要です。
特定されにくいパスワードとして、不規則な英数字の羅列を採用して、どこかにメモしておくことをおすすめします。
またCMSのログインパスワードだけでなく、パソコンのログインパスワードを複雑なものに変更しておくと、よりセキュリティ性を強化して不正アクセスを防止できます。
3.SSLを導入する
CMSで実施するべきセキュリティ対策として、SSLの導入がおすすめです。
SSL(Secure Sockets Layer)は、サイトとユーザー間でやり取りされるブラウザ上の通信を暗号化することです。
公開鍵暗号化技術によってデータ通信を暗号化し、情報の奪取やコンテンツの改ざんを防止します。
SSLを導入すれば情報の送受信を暗号化できるため、クレジットカード情報やログイン情報など機密性が高い情報を傍受されても、情報を解読することが難しいです。
そのため情報漏洩や不正利用などセキュリティリスクを軽減して、安全にサイトを運営できます。
4.WAFを導入する
CMSで実施するべきセキュリティ対策には、WAFの導入があります。
WAFは「Web Application Firewall」の略称であり、Webアプリケーションとバックエンドサーバーを保護するセキュリティソフトです。
SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどのサイバー攻撃は、リクエストとして不正ではないため、ファイアウォールやIDSのようなセキュリティ網を潜り抜けてしまいます。
対してWAFは、不正リクエストや悪意のある攻撃を検知し遮断できるため、サイバー攻撃を防止できます。
5.外部システムを最小限に留める
CMSのセキュリティ性を強化するために、外部システムを最小限に留めることが大切です。
CMSはプラグインなどの外部システムを導入することで、機能拡張が行えます。
しかし外部システムの脆弱性をつくサイバー攻撃を防止するためには、不必要なプラグインは排除しセキュリティ性を高めることが大切です。
使用する外部システムを最小限に留めることで、攻撃対象を少なくしサイバー攻撃のリスクを最小化します。
CMSを最新バージョンにアップデートしても、外部システムのセキュリティ性が脆弱な場合は、サイバー攻撃のリスクが高まるため注意しましょう。
6.利用権限を制限する
CMSの不正アクセスを防止するために、利用権限を制限することが大切です。
CMSの利用権限を制限することで、特定のデバイスからアクセスしなければ、サイトを編集・管理できないよう対策できます。
利用権限を制限はIPアドレスを活用するものが多く、異なるIPアドレスからの不正アクセスを防止し、サイバー攻撃を未然に防げます。
7.復旧対策を用意する
CMSで実施するべきセキュリティ対策として、復旧対策を用意しておきましょう。
定期的にバックアップを取っておけば、不正アクセスによるコンテンツの改ざんやデータの消去があった際、スムーズにサイトを復旧できます。
サイバー攻撃に遭ってもデータ復旧までの時間が短いと、損失を軽減して顧客離れも防止できます。
CMSでセキュリティ対策を徹底するとともに、データのバックアップを取って復旧対策を用意しておきましょう。
セキュリティ性の高いCMSを選ぶコツ5点
サイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策が重要ですが、CMSを導入する際にセキュリティ性が高いものを選ぶことが大切です。
セキュリティ性の高いCMSを選ぶために、次のコツを押さえておきましょう。
- セキュリティ対策資料の充実度を確認する
- サポート体制の充実度を確認する
- 各導入形態の脆弱性を理解しておく
- 復旧準備が整えられているか確認する
- 外部システムとの連携性を確認する
それぞれのコツを押さえて、セキュリティ性の高いCMSを導入しましょう。
セキュリティ対策資料の充実度を確認する
セキュリティ性が高いCMSを選ぶコツとして、セキュリティ対策資料の充実度を確認することが大切です。
セキュリティ対策に関する資料が充実しているCMSは、セキュリティ性が高く復旧対策やサイバー攻撃への対策を徹底している可能性があります。
反対にセキュリティ対策に関する資料が用意されていないCMSは、セキュリティ性が弱くサイバー攻撃を想定していない可能性があるため注意が必要です。
具体的にどのようなセキュリティ対策を実施しているのか、資料を確認してCMS選びの参考にしてください。
サポート体制の充実度を確認する
セキュリティ性の高いCMSを選ぶためには、サポート体制の充実度を確認することが大切です。
どれだけセキュリティ対策を強化しても、サイバー攻撃を受ける可能性はゼロではありません。
万が一、サイバー攻撃を受けた際のサポート体制を確認しておくことで、CMSを導入してからのリスクに備えられます。
またサポート体制を確認する場合は、セキュリティ対策だけでなくCMSを含むシステム全般に対するサポート内容を確認することが大切です。
各導入形態の脆弱性を理解しておく
セキュリティ性の高いCMSを選ぶコツとして、各導入形態の脆弱性を理解しておきましょう。
各導入形態によってセキュリティの脆弱性が異なるため、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。
CMSの導入形態 | 脆弱性 |
オープンソース型 | ・ソースコードが公開されており、脆弱性をつかれやすい・サイバー攻撃のターゲットにされやすい |
パッケージ型 | ・脆弱性を理解したベンダーがセキュリティ対策を行うため、オープンソース型よりセキュリティ性が高い・自社でメンテナンスやアップデートを行う必要があるため、古いバージョンを使用している場合は脆弱性をつかれやすい |
クラウド型 | ・ベンダーがセキュリティ対策を実施し、定期メンテナンスやアップデートを行うためセキュリティ性が高い・クラウド上でサイバー攻撃を受けた場合は、膨大なデータ量が悪用・消去される |
一般的にオープンソース型のCMSが、サイバー攻撃を受けるリスクが高く脆弱性をつかれやすいです。
パッケージ型やクラウド型にも、それぞれの脆弱性をつかれるリスクがあるため、それぞれの特徴を理解して自社に合うCMSを選びましょう。
復旧準備が整えられているか確認する
セキュリティ性の高いCMSを選ぶコツとして、復旧準備が整えられているか確認することが大切です。
データのバックアップ機能や不具合が生じてからの報告や原因追及を行う対策が整えられているか、復旧準備の充実度を確認しておきましょう。
他にもベンダーへの問い合わせ方法がフォームやメール・電話など、どのような方法を採用しているかで、不具合が生じた際の復旧スピードが異なります。
万が一にサイバー攻撃を受けたときに、適切な対応をしてもらえるCMSを選ぶことで、原因の早期発見・システムの早期復旧を実現できます。
外部システムとの連携性を確認する
セキュリティ性の高いCMSを選びたいときには、外部システムとの連携性を確認しておきましょう。
複数のサイトを運営・管理していると、CMSも複数のシステムを利用するケースが多いです。
複数のシステムを統合して一括管理できれば、セキュリティ性が高まりサイバー攻撃による、データベースの改ざんや消去を防げます。
そのためCMSを選ぶ際には、外部システムとの連携性を確認して、できるだけ一つのシステムで一括管理できる体制を整えましょう。
CMSを導入する際はセキュリティ対策を徹底しよう
CMSを導入する差異には、セキュリティ対策を徹底する必要があります。
セキュリティ対策を徹底しておかなければ、個人情報や重要情報が漏洩し、企業イメージの低下へとつながるため要注意です。
また情報漏洩に伴う損害賠償や、改ざんされたサイト・コンテストを復旧するための費用が発生してしまいます。
CMSのセキュリティ性を強化するために、最新バージョンへのアップデートやSSL・WAFの導入など、セキュリティ対策を実施しましょう。
またCMSを導入する前に、セキュリティ対策資料やサポート体制の充実度を確認することで、セキュリティ性の高さを確認できます。
CMSの導入を検討している方は、本記事を参考にサイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策を実施してください。