ベトナム進出する日系企業の最新情報!進出するメリットや注意点とは

最終更新日:2024.11.05
ベトナム情報
Wakka Inc. メディア編集部
ベトナム進出する日系企業の最新情報!進出するメリットや注意点とは
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こんにちは。Wakka Inc.のメディア編集部です。
現在ベトナムに進出する日系企業は増加傾向ですが、日系企業がベトナム進出を成功させるためには、業界や国の市場動向を握ることが重要です。

しかし、今後の市場動向を調べるのは、なかなか難しいのではないでしょうか。
本記事ではベトナムに進出する日系企業の最新情報と、進出のメリットや注意点を解説していきます。

今後ベトナム進出を検討している、またはベトナム進出で事業を成功させたい日系企業の方はぜひ参考にしてみてください。

目次

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ベトナムに進出している日系企業の概要

ベトナムに進出するには、現地の情報を取得していることが重要です。

現在すでに多くの日系企業が進出しているベトナムですが、急速な経済成長により市場の動向はめまぐるしく変わっています。
今後もビジネスチャンスの拡大が期待できる一方で、進出するタイミングを逃してしまう可能性もあるので注意が必要です。

そのため常に最新状況を把握することが大きなポイントとなります。
ここではベトナムに進出する日系企業の最新情報を解説していきます。

日系企業がベトナムに進出してきた経緯

日系企業がベトナムに進出することになったのは、1986年に採用されたベトナムの「ドイモイ政策」がきっかけです。
ドイモイ政策のなかの「国際経済協力に積極的に参入していく」という政策により、日系企業のベトナム進出が始まりました。
ベトナムは当時、周辺諸国に経済成長の部分で遅れをとっており、そこで海外の市場経済を導入して経済成長を図ろうとした経緯があります。

日系企業がベトナムへ進出し始めたのは1990年年代からで、製造業界の企業の進出から始まり、サービス業などの進出があり現在に至るといった状況です。

また近年ではベトナムはオフショア開発拠点としても大きな役割を持っています。

ベトナムに進出している日系企業の最新情報

現在ベトナムに拠点を置く日系企業の数は2,373拠点です。
また10年前の進出拠点数に比べると企業拠点が2倍以上に増えています。

西暦20122022
企業拠点数1,0812,373

出典:海外進出日系企業拠点数調査(2022年調査結果、2012年調査結果)

ベトナムに進出する日系企業が新規で投資する業界としては、これまでは製造業がメインでしたが、近年では非製造業界への投資件数が伸びている状況です。

また、新規で投資する金額も初めは製造業の一強状態が続いていましたが、現在は製造業以外の業界への投資額が増えています。

出典:日本企業の動向と投資環境の変化|日本貿易振興機構

ベトナムへ進出する日系企業が増えた理由としては、人件費の面で他国よりもコストが安かったといったところにあります。

もともと、多くの日系企業が中国に進出してきましたが、2010年代は中国の人件費の高騰が続きました。
それまで中国への進出が多かった日系企業は、よりローコストな人件費で事業を行える国が必要でした。
そこで注目されたのがベトナムであったという経緯があります。

またベトナムの経済成長や優秀な人材が増えていることにより、製造以外の業界でベトナムに進出する日系企業も近年は増えています。

ラボ型開発の拠点をベトナムにおく日系企業も増えている

近年人件費のコストメリットを活用して、IT系のシステム開発などを海外の人材に委託するオフショア開発の案件が増えています。
その中でも、ラボ型開発の拠点をベトナムにおく日系企業が増えています。

ラボ型開発とは、ITシステムなどの開発について案件専用のチームを編成し一定期間で依頼者の指示を受けながら進める開発形式です。

ベトナムにてラボ型開発が増えてきた理由としては、日本国内のエンジニアが不足している状況に関係があります。
開発リソースが足りない中で、人材コストが低いかつ優秀な人材を確保する必要があったため、ラボ型開発の拠点をおく日系企業が増えました。

ラボ型開発について詳細を知りたい方は下記資料も参照してみてください。

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ベトナムに進出している日系企業の今後

これまでベトナムへの日系企業の進出は増えてきましたが、今後も日系企業はベトナムにて事業拡大を進めていく可能性は高いと言えます。
日系企業の今後の事業拡大先として、国別だとベトナムはアメリカに次いで2位につけています。

出典:日本企業の動向と投資環境の変化|JETRO(日本貿易振興機構)

また既にベトナムに拠点をおく日系企業も約6割が事業拡大すると回答しており、ベトナムでの事業の期待値は今後も大きくなりそうです。

しかし急激な経済成長をしているために、人件費も少しずつ高騰し続けている状況です。
日本と比較すると、まだコストを抑えられますが、給与水準の動向を把握する必要があるでしょう。

これまでは「コスト削減」を目指して進出する企業が多かったですが、今後はコスト削減よりも「リソースの確保」という部分に価値がおかれるのではと言われています。
そのため今後ベトナムへ進出する企業の目的が変化していくことが予想されます。

日系企業がベトナムに進出する上でのメリット

ベトナム進出で得られるメリットはコスト削減だけではありません。
下記のメリットを把握することで、ベトナム進出の必要性や重要性をより感じるのではないでしょうか。

  • 日系企業にとってベトナムは人件費が安い
  • 優秀な人材がそろっている
  • ベトナムは日系企業に対して税制優遇などを行っている
  • ベトナムの経済成長率は右肩上がり

これらのメリットについて詳しく解説します。

日系企業にとってベトナムは人件費が安い

先程もすこし述べましたが、ベトナムは日本に比べると人件費が安いです。
厳密にはベトナム国内の物価が安いため、日本人の給与水準より低い賃金で人材を雇用することができるのです。

ベトナム人の平均年収は日本円で約48万円ほどと言われており、日本人の平均年収のおよそ1割くらいしかありません。
仮に日本人の半分の年収でもベトナムではかなり高い生活水準で生活ができるでしょう。

事業を行う上で人件費の削減というのは利益の部分に大きく影響してきますので、特に大規模の事業では大きな恩恵を受けることができます。

優秀な人材がそろっている

ベトナムは人件費が安いだけでなく、若くて優秀な人材も豊富です。
ベトナムの特徴として繊維産業が主力で手先が器用な人材が多いのと、ITリテラシーが高い人材が多いことが挙げられます。
ITリテラシーの高さから、オフショア開発の委託先としてとても人気があります。

また、ベトナムは儒教の教えが強いため、勤勉な若者が多く、真面目に仕事を取り組む人が多いです。
人件費が安いだけでなく、優秀で真面目な人材が多いため、人件費が主なコストとなるオフショア開発にてベトナム人はとても重要なリソースになっています。

ベトナムは日系企業に対して税制優遇などを行っている

ベトナムにて日系企業が事業を行う場合、法人税の部分で優遇措置を受けることができます。
ベトナムでは外資企業(日系企業)を積極的に誘致する政策があるからです。

標準税率が20%というのも日本に比べるとかなり低いですが、IT企業などはさらに優遇措置を受けることができます。
条件によっては法人税10%で事業を行うこともできるので、もしベトナムへの進出を検討する場合は税制の優遇措置でどこまで法人税を下げられるかもポイントになるでしょう。

ベトナムの経済成長率は右肩上がり

ベトナムの経済成長率が右肩上がりであることも、日系企業にとって大きなメリットです。
実際に、2023年のベトナムの国内総生産(GDP)の成長率は5.05%と高い経済成長率を維持しています。

引用:業種・部門べ悦の実質GDP成長率|JETRO(日本貿易振興機構)

急速な経済成長により先程述べた税制面の優遇だけでなく近年は貸出金利が下げられたりなど、より日系企業が進出しやすい体制が整えられてきています。

これらの優遇措置は国の政策の後押しによるものが大きいでしょう。
日系企業が進出することにより新しい雇用が生まれ、進出する企業もコストや税制面のメリットがあるといったようにお互いが恩恵を受けることができているのは国の政策があってこそです。

日系企業がベトナムに進出する上でのデメリット

日系企業がベトナムに進出するときのデメリットは以下の2点です。

  • ベトナムは国の政策の変更が多い
  • アジア諸国に比べるとベトナムは離職率が高い

ベトナム進出を成功させるには、デメリットについても把握しておくことが有効です。
上記のデメリットについて詳しく解説します。

ベトナムは国の政策の変更が多い

ベトナムは国内の政策が変化しやすいといったデメリットがあります。
政策が変化しやすいことにより事業自体が先に進まなかったり、収益の部分などで影響が出てしまうことが起こっています。

なぜ国の政策が安定しないかというと、国が安定よりもGDPの成長率を上げることを重視しているからです。
実際ベトナムは6.5~7.0%の経済成長率を目標にしており、この目標を達成するために国は多くの政策変更を行っています。

高い経済成長率をたたき出している反面、こういった日系企業側が受けるデメリットもあるのです。

ベトナムはアジア諸国に比べると離職率は高い

ベトナムは優秀で勤勉な若者が多い反面、日本に比べると離職率が高いです。

ベトナムは国民の平均が31歳と日本に比べると若い人材の割合が非常に高いため、それに合わせて20代のうちに転職する人の数も自然と多くなります。
ベトナム人にとって会社は一時的に所属するものであり、ある程度の経験を積むことができればより良い条件を求めて転職するといった考えを持っているようです。

実際、ベトナムの転職率は現在約24%ほどで、日本の約1.5倍の数値です。

なるべく離職率を下げるためにも、日系企業としては従業員の待遇面の改善やコミュニケーションを綿密に取ることが重要になるでしょう。

日系企業がベトナムに進出する前に押さえるべきポイント2点

ここまで述べてきたように日系企業のベトナム進出はメリットだけでなくデメリットも存在するため、ベトナムにて事業を成功させるに以下の2つのポイントを押さえておきましょう。

  • ベトナムにどんな日系企業が入っているか市場調査をする
  • コミュニケーションが優れた人材の確保が重要

上記2つのポイントについて詳しく解説します。

ベトナムにどんな日系企業が入っているか市場調査をする

ベトナムに進出している日系企業は製造業が多かったですが、現在は業界が多種に渡るため、入念に市場調査を行うことをおすすめします。
なぜなら、競合他社が既に多く進出している場合、人材の確保などが困難になるからです。

実際に既にベトナムに進出している日系企業の拠点は2300社ほどあるため、全ての業界で必ずしも優秀な人材を確保できるわけではありません。

ベトナム進出を検討している事業について、人材の確保が可能か、また競合他社が多くないかは事前に確認しておきましょう。

コミュニケーションが優れた人材の確保が重要

ベトナムでの事業を成功させるためのポイントとして、コミュニケーションの部分は非常に大きいです。
コミュニケーションをしっかり取れる人材がいれば、業務自体も円滑に回りますし認識の齟齬などが起きにくくなります。

またここで言う「コミュニケーションが取れる人材」というのは現地ベトナム人のことだけでなく、現地で管理や運営を担当する日本人についても優秀な人材が必要です。
例えばベトナム人の中には日本語を話せない人材もいるため、現地の言語を話すことができる人材がいないと業務効率は大きく下がります。

このようにベトナム人と日本人の双方で言語的な意味合いでのコミュニケーション能力が優れた人材が必要です。

日系企業がベトナムの情報収集をするために利用する手段

先ほども述べたようにベトナムに進出して事業を成功させるためにベトナムの現地情報を収集しておく必要がありますが、具体的にどのようにして調べれば良いのでしょうか?

下記に情報収集のためのおすすめの手段を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

「VIETJO(ベトジョー)」は、ベトナムの現地情報を配信しているニュースサイトです。
イベントなどのエンタメ情報から、経済、政治まで幅広い分野のニュースを取り扱っています。
ベトナムの最新情報を手軽に入手できるでしょう。

また、「JCCH(ホーチミン日本商工会議所)」は、ベトナムと日本の経済発展に貢献することを目的とした団体です。
現在では1000社を超える企業が登録しており、企業向けセミナーなども開催されています。

進出する際の人脈づくりや情報収集などに有効です。

まとめ:日系企業がベトナム進出して事業を成功させるには

日系企業がベトナムに進出して事業を成功させるためには下記が必要です。

  • 進出前にベトナムの国の情勢とベトナム人の理解
  • 進出後に現地の人材と綿密にコミュニケーションを取る

ベトナム進出における恩恵を受けるには、上記のような事前準備や継続的な対応を怠らないことが重要です。
最新情報のチェックや市場調査を入念に行い、ベトナム進出を成功させましょう。

この記事を書いた人
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