OMOとオムニチャネルの違い|アフターデジタルのマーケティング

最終更新日:2024.10.26
EC開発
Wakka Inc. メディア編集部
OMOとオムニチャネルの違い|アフターデジタルのマーケティング
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こんにちは。Wakka Inc.のメディア編集部です。

近年、デジタルデータの活用が進み、OMOやオムニチャネルが注目されています。
言葉はよく聞いて知っていても、

「OMOとオムニチャネルでは何が違うのか」
「導入することでどのような効果があるのか」

といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、

  • OMOとオムニチャネルの違い
  • OMOを導入するメリット
  • OMOを成功させるポイント
  • OMOの今後のトレンドとアフターデジタルのマーケティング

などについて解説します。

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目次

OMOとオムニチャネルの違い

OMOとは

OMO(オーエムオー)は、Online Merges with Offline(オンライン・マージズ・ウィズ・オフライン)の略称です。
直訳するとオンラインとオフラインの融合という意味合いになります。

オンラインとはインターネット上のコンテンツ。
つまり、ネット通販やECサイトなど、オンラインショップのことです。

一方のオフラインは実店舗を表しています。

OMOは、顧客にオンラインとオフラインの違いを意識させることなく、両者を融合したよりよい顧客体験を提供することを目指したマーケティング手法です。
元Google中国の代表で、投資会社シノベーション・ベンチャーズを設立した李開復(り・かいふく)氏が、2017年にOMOの概念を提唱して注目されました。

オムニチャネルとは

OMOと似た用語にオムニチャネルがあります。
直訳すると、多様な(オムニ)販売経路(チャネル)ということです。

つまり、オムニチャネルとはWebサイトやSNS、メルマガなど、企業が持つ様々な販売チャネルを駆使して顧客との接点を増やす販売戦略を指しています。

顧客に販売チャネルの違いを意識させることなく、オンラインでもオフラインでも同様のサービスを提供します。

OMOとオムニチャネルの違いとは

オムニチャネルの目的は販売チャネルを多様化し、顧客との接点を増やすこと。
また、オンラインとオフラインのチャネルを連携することで、いかに成果を上げていくかを検討します。
これは、商品・サービスを提供する企業側の視点に立った戦略と言えるでしょう。

一方、OMOは顧客の視点に立って、商品の認知から購入、アフターフォローに至るまで、顧客体験の全般に関わっていくマーケティング手法です。
より良い顧客体験を提供するために、オンラインとオフライン両者の利点を活かした、顧客視点の戦略と言えます。

OMOを採り入れるメリット

OMOにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
本章ではOMOを採り入れることで得られるメリットについて解説します。

新しい顧客体験を提案できる

OMOを採り入れることで得られるメリットとして、まず新しい顧客体験を提案できることが挙げられるでしょう。

顧客体験とは、単に購買のしやすさに限定したものではありません。
商品の認知をはじめとして、

  • 商品情報の検索
  • 商品のお試し
  • モバイルオーダー
  • 購入商品の決済
  • アフターフォロー

など、顧客が商品を認知してからアフターフォローにいたるまで、購買のライフサイクル全体において新しい顧客体験を提案できます。

もちろん、各企業や店舗が自社にとっての顧客体験をどのように定義づけるかによって、提案すべき顧客体験は変わってくるでしょう。
しかし、従来の実店舗だけの販売、オンラインのECサイトだけの販売にはとどまりません。

オンラインとオフライン、それぞれの利点を融合することによって、幅広い顧客体験を提案できます。
企業や店舗が定義した顧客視点での新たなサービスを設計できれば、OMOはサービスの可能性をより広げられるでしょう。

顧客との接点を増やせる

OMOではオンラインとオフラインを融合するため、提供する商品やサービスを通じて顧客との接点を増やせるのも大きなメリットと言えるでしょう。

オンラインだけ、またはオフラインだけでは、どうしても顧客との接点が限られます。
しかし、OMOなら例えば、顧客がスマートフォン(オンライン)で商品を注文し、店舗(オフライン)で注文した商品を受け取るといったように、オンラインとオフラインの両方で接点を作れます。

顧客との接点が増えれば、それだけ商品・サービスの販売機会も増えることになるでしょう。
また、顧客との接点が増えると、次に解説する顧客情報の収集にもつながります。

顧客情報を収集できる

OMOを導入して顧客との接点が増えると、接点が増えた分だけ収集できる顧客情報も増えます。
しかも、オンラインとオフラインの情報が統合された形で蓄積できるのです。

オンラインとオフラインの境界がなく、オンラインからオフライン(またはその逆)の導線上にある顧客の一連の行動データを、つながった形で収集できるのは大きなメリットです。
収集したデータは様々なマーケティング施策に利用できるほか、新たな顧客体験の創出にも役立てられるでしょう。

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OMOを成功させるためのポイント

OMOを成功させるには、以下3つのポイントが大切です。

  • 顧客体験を最適化する
  • 顧客の行動データを蓄積する
  • オンライント実店舗のデータを一元化する

それぞれ順に紹介します。

顧客体験を最適化する

前述したとおり、OMOとは顧客視点に立ってより良い顧客体験を創出し、提供することです。
どのような顧客体験を提供すれば、顧客の満足度が向上するかをいつも中心に考え、自社が提供している顧客体験チューニングし続けることが求められます。

自社が現状の取り組みでどのような顧客体験を提供できているかを分析し、課題を洗い出しましょう。
その上で、収集した顧客データなどを参考に、

  • 顧客が何に価値を感じているか
  • それに対してどのような顧客体験を提供できるか

などを検討して顧客体験を最適化していきます。

顧客の行動データを蓄積する

従来のマーケティング施策でも顧客データは部分的に収集していました。
例えば、実店舗の来店を促すためにポイントカードを発行すれば、顧客情報や購買履歴などのデータを収集できます。

しかし、すべての顧客がポイントカードを作るわけではありません。
また、店舗への来店以外に顧客との接点を持てないため、得られる行動データは限定的なものになるでしょう。

OMOの場合は、オンラインとオフラインを上手く融合することで、顧客の行動データを引き出すことができます。
例えば、店舗で実物を見ながら買い物ができるが、商品の決済はすべてオンライン化するといった施策が考えられるでしょう。

この例では会計でレジを通したり、会計待ちになったりという煩雑さが解消されるという顧客体験を提供できます。
その上、すべての顧客にオンライン決済してもらうことにより、従来の施策よりも得られる行動データが増えるでしょう。

OMOでは、顧客体験を創出するとともに、顧客との接点を増やし、行動データを収集できる施策の検討が求められます。
収集した顧客の行動データはシステムに蓄積することで、より上質な顧客体験の創出と、様々なマーケティング施策に役立つでしょう。

オンラインと実店舗のデータを一元化する

OMOを成功させるためには、オンラインや実店舗のシステムで扱うデータを一元管理するのが非常に重要です。
これはOMOでマーケティング施策を打つための大前提と言えるでしょう。

顧客データ、商品データ、在庫データなどは一元管理されていないと、オンラインとオフラインが融合した施策には使えないからです。

例えば、アパレルショップなどでECサイトから商品の試着予約ができるサービスがあります。
試着したい商品の在庫が最寄りの店舗にない場合、別の店舗や倉庫在庫から調達しなければなりません。
そして、顧客が最寄りの店舗で試着し、気に入ったらそのままオンラインで決済して商品を購入します。

このようなOMOのサービスは、顧客データ、商品データ、在庫データがオンラインと店舗で一元化されていないと実現できません。

また、収集した顧客の行動データも、オンラインと実店舗で共有することではじめて、上質な顧客体験につなげられると言っても過言ではないでしょう。

OMOの活用事例

本章では、OMOの活用事例を紹介します。

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 MOBILE ORDER & PAY 公式ページ

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社は、MOBILE ORDER & PAYと呼ばれる独自のモバイルオーダーシステムを導入しています。

MOBOLE ORDER & PAYのユーザーは、スマートフォンで簡単に商品を注文してオンラインでそのまま決済。
あとは、注文時に指定した店舗へ行って商品を受け取るだけです。

例えば、仕事中にオフィスで商品を注文しておき、休憩中など空き時間に店舗へ出向いて商品を受け取れば、混雑したレジに並ぶ手間がなくスムーズです。

ナノ・ユニバース

ナノ・ユニバース 公式ページ

アパレル大手のナノ・ユニバースのOMOは、スマートフォンアプリのチェックイン機能が主軸になっています。

チェックイン機能とは、利用者がアプリでチェックインすると、利用者一人ひとりの特性に合わせて個別に

  • 店舗の新着商品情報
  • ECサイトでお気に入り登録した商品
  • 登録した商品を使ったコーディネート

などの情報が届く機能です。

また、店舗訪問時に、店舗に設置された筐体にスマートフォンをタッチすることでもチェックインできます。

チェックインで届いた情報をもとに店舗で買い物をしたり、店舗スタッフからアドバイスをもらったりしながら、より良いアイテムや着こなしと出会い、心地よく買い物する。
これがナノ・ユニバースの提案する顧客体験と言えるでしょう。

平安グッドドクター

平安グッドドクター 公式ページ

平安グッドドクターは、中国でOMOを活用してオンライン診療を実現している医療プラットフォームです。
運営しているのは中国の平安保険グループで、保険事業以外にも様々なデジタルサービスを展開しています。

平安グッドドクターはスマートフォンアプリを導入することで、

  • オンライン診療の受診
  • 通販を利用した薬の購入
  • 医療機関の予約

といった機能を利用でき、ワンストップのサービスを受けられます。

オンライン診療でユーザーはAIチャットを利用して年齢、性別、症状などの基本情報を入力し、AIは入力された情報をもとに適切な医師とのマッチングを行います。
次のステップでマッチングされた医師からオンライン問診を受けるという流れです。
通話機能、テレビ電話機能もあるため、医師は患者の顔や患部を見ながら適切な診察ができます。

また、医師から処方箋をもらったら、そのままアプリの通販機能を利用して薬が購入できます。
処方薬だけでなく、市販薬やサプリメント、日用品などの購入も可能です。

この平安グッドドクターのアプリは、利用者が3億人を超えると言われる中国NO.1のオンライン診療アプリです。

OMOの今後のトレンドと課題

デジタル技術やデータ活用が注目される昨今、OMOはさらに普及していくと考えられます。

本章では、今後のOMOトレンドと直面する課題を紹介します。

DX推進によってデジタルデータの活用が進む

近年、スマートフォンやSNSの普及によって消費者の消費行動は大きく変化してきました。
また、ITの導入でデジタル化が進んだことにより、デジタルデータを活用したビジネスモデルの進化も起きています。

このような変化をきっかけとして、多くの企業ではDXの推進が求められています。

DXを推進すれば、

  • 生産性の向上
  • 競争力の強化
  • 変化へのスピーディーな対応力

が得られるからです。

各企業がDXを推進することで、さらにデジタルデータの活用は進むでしょう。

OMOの活用で新たなサービスが生まれる

OMOの導入でデジタルデータの利活用が進むと、各企業はそれぞれ自社にとっての最適な顧客体験を創出する取り組みを進化させるでしょう。

例えば、スターバックスをはじめ多くの飲食店で導入が進んだモバイルオーダーのように、オンラインとオフラインを融合した新たなサービスが今後もたくさん生み出される可能性があります。

OMOで新たな顧客体験を活用したユーザーにとっては、さらに良質な顧客体験を期待します。
したがって、提供する側の企業にとっては、顧客を囲い込むためにさらに良質な顧客体験を提案し、新たなサービスを構築し続けることが求められるでしょう。

顧客視点に立ったオンラインとオフラインの融合が必要

これまでにO2O(Offline to Online)やオムニチャネルなど既存のマーケティング施策を導入してきた企業では、企業側の視点でサービスを構築してきたかもしれません。
例えば、店舗で利用できるクーポンをWebサイトやメルマガなどで発行し、顧客に店舗へ誘導するのがO2Oという手法です。

しかし、これはあくまで店舗の販売を促進したいという企業側の都合でしかありません。
顧客にとってはオンラインとオフラインの区別はないからです。

OMOの考え方は顧客視点に立った施策を導入することであり、O2Oやオムニチャネルの考え方とは違います。
これからOMOを導入し、ビジネスモデルを進化させていくためには、顧客視点からオンラインとオフラインの融合を図り、上質な顧客体験を創出していくことが課題と言えるでしょう。

OMOをアフターデジタルのマーケティング施策に活かす

DXの推進、OMOの導入によってデジタルデータの活用が進みはじめた現代は、デジタル時代と言えるでしょう。
デジタル時代である現代を境に、デジタル時代の到来前をビフォーデジタル、到来後をアフターデジタルと呼ばれることがあります。

また、前述してきたように、OMOはオンラインとオフラインを顧客視点で融合させることです。
OMOの導入を成功させるには、顧客視点で良質な顧客体験を創出することが欠かせません。

オンラインとオフラインを融合した顧客体験を提供することで、顧客から多くのデジタルデータが得られます。
得られたデジタルデータを活用して、さらに新たな顧客体験を提供する。

このような活動を通じて、OMOの施策は進化していくでしょう。
アフターデジタルにおけるマーケティング施策を進化させるため、OMOを導入し、活用していきましょう!

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