食品ECサイトの売上ランキング|市場動向・メリット・成功のポイントを解説


こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
EC市場は近年、大きな盛り上がりを見せています。
食品EC市場も例外ではなく、市場規模が年ごとに成長しています。
しかし、ECに取り組む上では食品業界ならではの課題もあるため、
「食品ECにはどのような課題があるのか?」
「どうやったら成功できるのか?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、食品ECサイトの
- 特徴やメリット
- 売上ランキング
- 成功事例
- 導入を成功させるポイント
などについて詳しく解説します。
自社でこれから食品ECサイトの導入を検討される方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
EC市場は変化のスピードが非常に速く、常に最新トレンドを把握しておくことが重要です。
特に、食品ECは消費者ニーズや販売手法の移り変わりが激しく、戦略のアップデートが欠かせません。
Wakka Inc.では、食品ECの最新トレンドを独自に調査し、実践に活かせる資料としてまとめています。
本記事をお読みいただいた方には、食品ECのトレンド資料を無料でご提供しています。
ぜひ今後のEC戦略立案にお役立てください。
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食品ECのトレンド調査
食品ECサイトの構築/改修を
食品ECとは

ECとは、Electronic Commerceの略です。日本語では電子商取引と呼ばれています。
電子商取引とは、インターネットを使って商品やサービスを売買する取引のことで、ネットショップやインターネット通販が該当します。
食品ECは、インターネットを通じて生鮮食品、加工食品、飲料などの食品を販売するEC形態です。
販売形態としては、大きく以下の3パターンがあります。
- 一般的な食品EC
- ネットスーパー
- 食品サブスク
一般的な食品EC
一般的な食品ECは、生鮮食品や加工食品、飲料などを販売するECサイトの形態で、自社でECサイトを構築して運用しているケースと、Amazonや楽天市場などのECモールに出店しているケースがあります。
ネットスーパー
ネットスーパーとは、インターネット上で注文された商品をスーパーマーケットの店舗から自宅へ配送したり、店舗で受け取ったりできるサービスを提供するタイプの食品ECです。
実店舗を中心に配送を行うため、利用できるエリアが限られる場合があります。
食品サブスク
食品サブスクとは、月額料金制で会員に定期的に食品を配送するサブスクリプション型の食品ECです。
定期的に商品を購入してもらえるため売上が安定しやすい一方で、会員を獲得するためには他の食品ECとの差別化が重要な分野といえます。
食品をECで販売する際は、取り扱う商品や営業形態によって、食品衛生法に基づく営業許可または営業届出が必要になる場合があります。
必要な手続きは地域や商材によって異なるため、所轄の保健所に事前確認することが重要です。
すでに食品店などの実店舗を営業している場合は問題ありませんが、新規ビジネスとして食品ECサイトを運営する場合は、所轄の保健所に問い合わせて手続きをしましょう。
食品EC市場の現状

新型コロナウイルスの感染拡大防止対策による影響で、2020年以降の数年間、EC市場全体は大きく成長しました。
食品ECも同様に市場規模が毎年拡大していますが、他の分野と比較すると、EC化があまり進んでいないのが現状です。
本章では食品EC市場の現状について、具体的に見ていきましょう。
巣ごもり需要で急成長した食品EC
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策により、2020年以降、人々は外出を控えるようになりました。
しかし、外出して買い物をしなくなったからといって、食品の需要がなくなったわけではありません。
実店舗での買い物が減少した影響で、オンラインでの需要が増えました。
いわゆる、巣ごもり需要です。
巣ごもり需要によりECサイトでの購買が大きく増え、EC市場が活性化しました。
食品業界でも同様に、外出を控える消費者の巣ごもり需要により、食品EC市場は拡大傾向にあります。
食品EC市場の規模
食品ECの市場規模は、2019年が1兆8233億円で前年比7.77%の伸び率でした。
新型コロナウイルスの影響が拡大した2020年は、2兆2086億円で前年比21.13%と大きく伸びました。
さらに、2021年には2兆5199億円で前年比14.1%と、前年よりやや鈍化したものの依然として高い伸び率を示しています。
※表は、横にスクロールできます
| 分類 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 市場規模(億円) ※下段:前年比 | EC化率 | 市場規模(億円) ※下段:前年比 | EC化率 | 市場規模(億円) ※下段:前年比 | EC化率 | |
| 食品・飲料・酒類 | 18,233 (7.77%) | 2.89% | 22,086 (21.13%) | 3.31% | 25,199 (14.10%) | 3.77% |
| 生活家電・AV機器・PC・周辺機器等 | 18,239 (7.29%) | 32.75% | 23,489 (28.79%) | 37.45% | 24,584 (4.66%) | 38.13% |
| 書籍・映像・音楽ソフト | 13,015 (4.76%) | 34.18% | 16,238 (24.76%) | 42.97% | 17,518 (7.88%) | 46.20% |
| 化粧品・医薬品 | 6,611 (7.39%) | 6.00% | 7,787 (17.78%) | 6.72% | 8,552 (9.82%) | 7.52% |
| 生活雑貨・家具・インテリア | 17,428 (6.73%) | 23.32% | 21,322 (22.34%) | 26.03% | 22,752 (6.71%) | 28.25% |
| 衣類・服装雑貨等 | 19,100 (0.99%) | 13.87% | 22,203 (16.25%) | 19.44% | 24,279 (9.35%) | 21.15% |
| 自動車・自動二輪・パーツ等 | 2,396 (2.71%) | 2.88% | 2,784 (16.21%) | 3.23% | 3,016 (8.34%) | 3.86% |
| その他 | 5,492 (5.55%) | 1.54% | 6,423 (16.94%) | 1.85% | 6,964 (8.43%) | 1.96% |
| 合計 | 100,515 (8.08%) | 6.76% | 122,333 (21.71%) | 8.08% | 132,865 (8.61%) | 8.78% |
※出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査(令和2年度・令和3年度)」をもとに作成
食品業界のEC化率
次に、業界の市場規模に占めるEC化の割合を見ていきましょう。
物販全体で2021年時点のEC化率は8.78%を占めているのに対し、食品業界で見るとEC化率は3.77%と低い水準にとどまっています。
これは、EC化を推進する上で食品業界に特有の課題があり、足かせになっていることが考えられます。
食品ECを導入する上での課題についてはあとの章で詳しく解説します。
食品ECサイトが注目されている理由

食品ECサイトを運営して成果を出すためには、利用者にとって食品ECがどのようなメリットを得られるかを押さえておくことが重要です。
本章では、食品ECサイトが注目されている理由を、利用者にとってのメリットの観点から解説します。
これから食品ECサイトを運営しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
買い物にかかる時間を節約できる
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの実店舗で買い物をする場合、まず店舗までの移動時間が必要です。
自宅から買い物に出かける場合は往復の移動時間が必要で、職場や外出先からの帰り道に店舗へ立ち寄る場合にも多少の移動時間がかかるでしょう。
また、店舗で買い物をする間も、店内で売り場の移動が発生します。
さらに、店内が混みあっている場合などは、会計にも時間がかかるでしょう。食品ECサイトで買い物をすれば、実店舗の買い物でかかる時間は不要です。
店舗への移動にかかる時間や、店内の買い回りで売り場を移動する時間は大きく節約できるでしょう。
忙しくて買い物に行く時間が取れない場合でも、手軽に買い物ができるので便利です。
荷物の持ち運びがいらない
荷物を持ち運ぶ手間がないことも、食品ECサイトのメリットの一つです。
購入した商品は自宅まで配送してくれるため、まとめ買いなど大量の買い物をしたときに重い荷物を持ち運ぶ手間がありません。
思い立ったらいつでも買い物ができる
営業時間を気にせず、思い立ったときにいつでも買い物ができるのも食品ECサイトのメリットです。
新型コロナウイルスの感染防止対策によって、営業を短縮するようになったスーパーなども多く、外出帰りに買い物をしたくてもすでに閉店している場合もあるでしょう。
しかし、食品ECサイトを利用すれば、24時間365日いつでもどこでも買い物ができるため、時間を気にする必要がなくなりました。
近所で買えないものや良いものが簡単に買える
近所のスーパーではなかなか手に入らない商品でも、食品ECサイトなら購入できる場合があります。
例えば、近年は健康志向の高まりもあって、有機栽培や無農薬の野菜が人気を集めています。
しかし、一般のスーパーではなかなか手に入りません。
近所に有機食品の専門店があれば便利ですが、店舗数が多くないため見つけるのが難しかったり、たとえ見つかっても遠かったりすることもあるでしょう。
食品ECサイトの中には、有機栽培の野菜や、家畜の飼料にもこだわった食肉など、取り扱う商品に強いこだわりを持つサイトもあります。
そのようなこだわりのサイトを利用して、希少な商品や優れた品質の商品を気軽に購入できるのも食品ECサイトのメリットといえるでしょう。
食品ECサイトの事業者にとってのメリット

食品ECサイトの導入は、事業者にとってもさまざまなメリットがあります。
本章では事業者側の視点からメリットを解説します。
商圏に制約されず販路を拡大できる
食品ECサイトの利用者は、いつでもどこからでも商品を注文できます。
実店舗は立地によって地理的に商圏が決まってくるため、事業者は主に地元の顧客をターゲットにすることになるでしょう。
しかし、ECサイトの強みを活かすことで、これまで届かなかった全国のインターネットユーザーにアプローチできるため、商圏の制約がなくなります。
これにより、商圏にとらわれない新たなマーケティング施策を展開し、販路を拡大できるでしょう。
営業時間の制約がないので販売機会を増やせる
ECサイトでは、24時間365日いつでも注文受付が可能です。
利用者は欲しいと思ったときにすぐに注文ができるため、販売機会のロスをなくせます。
このような販売機会の増加を有効に活用すれば、売上の増加につなげられるでしょう。
顧客データを収集してマーケティング施策に活用できる
食品ECサイトはインターネットを経由して購買が行われるため、実店舗と比較して利用者の購買データが集めやすいといえるでしょう。
もちろん、実店舗でもポイントカードの導入やクレジットカードの利用によってある程度の情報は集められます。
しかし、すべての人が利用するわけではないので、収集できる情報は限定的です。
対して、すべての決済をオンラインで実施する食品ECサイトでは、すべての利用者の購買実績を収集できます。
それだけではなく、食品ECサイトでは利用者の行動に関する詳細なデータも収集できるため、利用者の購買行動を分析してマーケティング施策に役立てられるでしょう。
食品ECサイトの売上ランキング

本章では、2022年時点の食品ECサイトの売上ランキングを紹介します。
上位3社は、1位と3位の顔ぶれが前年から変わっていません。
2位にはイオン(ネットスーパー)が入りました。
次項では、上位3社を詳しく紹介していきましょう。

1位 アマゾン(日本事業)

大手ECモールのAmazonが提供する「Amazonフレッシュ」は、食品EC市場における売上高が1位で、2022年度の売上高は約900億円でした。
Amazonフレッシュが配送可能なエリアは東京都の一部地域に限定されていますが、新鮮な食材を注文から最短2時間で届けてくれる点が大きな特徴です。
また、配送の時間指定も8時から24時までと幅広く、ライフスタイルに合わせた柔軟な利用ができるようになっています。
Amazonフレッシュの利用は、Amazonプライム会員であれば追加の登録手続きや会費はかかりません。
1回の注文金額は4,000円以上からで、10,000円以上注文すると配送料が無料になります。
2位 イオン(ネットスーパー)

イオンネットスーパーは、最寄りのイオン店舗から自宅へ商品を届けるサービスを提供しています。
イオンスクエアメンバーかiAEONの登録をすれば誰でも利用できます。
メンバー登録をしても入会金や年会費はかかりません。
サイトで購入した商品は自宅配送のほか、店舗で受け取ることもできます。
勤務先などで空き時間に注文しておき、帰宅途中に最寄りの店舗へ立ち寄って受け取るといった利用方法もできて便利です。
アパレル業界などで導入が進んでいるOMO(Online Merges with Offline:オンラインと実店舗を融合したマーケティング戦略)の食品業界版におけるOMOの一例といえるでしょう。
3位 オイシックス・ラ・大地(Oisix)

2017年に「オイシックス」と「大地を守る会」が経営統合、さらに2018年に「らでぃっしゅぼーや」と経営統合して現在の「オイシックス・ラ・大地」になりました。
オイシックス・ラ・大地は、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決することを目指し、「作った人が自分の子どもにも食べさせられるもののみを届ける」というオイシックス独自の安全基準で、食の安心・安全に取り組む会社です。
- 農薬ゼロを目指す
- 育て方や飼育場所が確認できるもののみ扱う
- 安全な海でとれた魚のみを扱う
- 合成保存料・合成着色料を一切使用しない
といった、安心・安全にこだわった商品を取りそろえているのが特徴です。
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食品ECのトレンド調査
食品ECサイトの構築/改修を
食品ECサイトを運営する上での課題

利便性を高める
自宅に近い店舗で食品を買っている人の中には、「買い物は店舗で事足りている」と考えている人も多く、食品ECサイトを利用するメリットをあまり感じていない人もいるでしょう。
また、店舗で実際に商品を手に取って、鮮度を確認したいというニーズも根強くあります。
実店舗と比較して食品ECサイトにとって不利な点をいかに改善し、利便性をアピールできるかが食品ECサイトの課題のひとつです。
さらに、利便性の高いサイトの構築とサービスを設計し、実店舗とは違った切り口で食品ECサイトならではの利便性を追求することも必要でしょう。
生鮮食品の鮮度を確保する
生鮮食品の取り扱いが難しいことは、食品ECサイトにとって大きな課題といえるでしょう。
生鮮食品で重要なのはもちろん鮮度ですが、ECサイトの運用では鮮度を保つことが容易ではありません。
鮮度を保つためには、例えば次のような対策が必要になります。
- 商品の在庫を持つため冷凍・冷蔵設備に投資する
- 設備を持たない場合は専門業者にアウトソーシングする
- 配送時に鮮度を落とさないため、食品に特化した物流網を整備する
このような対策が必要になるため、他の業界と比較して設備費用がかかります。
生鮮食品の鮮度を確保しながら、いかに運用コストを抑えて収益性を高めていくかが食品ECサイトの課題といえるでしょう。
利益率を高めるビジネスモデルを確立する
食品ECは、商品の単価が低いわりに、バックエンドでは数多くの業務が発生して運用コストがかかるため、利益率が低くなりがちです。
今後も食品ECの市場が成長して利用者が増えていくと、運用の負荷も高まっていくため、運用の効率化を進めるとともに収益性の高いビジネスモデルを構築することが課題となるでしょう。
食品ECサイトを成功させるためのポイント

物流業務を効率化する
食品ECには、実店舗にないメリットがあります。
そのひとつとして、重いものや大きいものなど、持ち運びがたいへんな商品を配送してもらえることが挙げられます。
こうしたメリットを活かすためには、物流体制を整備して効率化し、鮮度を保ったまま商品を届けることが重要です。
消費者に食品ECを利用するメリットを感じてもらうために、物流面の取り組みは重要になります。
自社に物流のノウハウがなければ、物流業務のアウトソーシングを検討してみても良いでしょう。
定期購入につなげてリピーターを増やす
食品ECに限ったことではなくすべての業界にいえることですが、顧客のリピート率を高めることは食品ECにおいても重要です。定期購入やサブスクリプション型のサービスを導入するなど、リピーターを増やして安定した売上につなげる施策を打ちましょう。
その他、リピート率を高めるための施策としては、お買い得情報などのメルマガ配信や、初回・2回目など入会から日が浅い購入者向けキャンペーンの実施などが挙げられます。
信頼性と知名度を高める
ECサイトでは、実店舗と違って商品の実物を見ながら買い物をすることができません。
そのため、実際の商品を手に取らなくても安心して購入できると思ってもらえるような、企業の信頼感や知名度が重要です。
信頼感や知名度は一気に上げられるものではないため、安価でお試し購入のサービスを実施するなど、信頼を得るための施策を採り入れることも必要になります。
食品ECサイトを成功させた3つの事例

食品ECサイトを導入する際には、自社に適したモデルを構築するためにも成功事例を参考にすることをおすすめします。
本章では、自社の特徴を活かして成功している食品ECサイトの事例を紹介します。
ハイ食材室

「良い物は良い、悪い物は悪いと本音で語れる少し面倒な食材屋」というスローガンを掲げ、テーブルを囲む時間を通じて人々を笑顔にすることを目指し、選ぶ幸せと食べる幸せを提供している株式会社ドレステーブルのECサイトが「ハイ食材室」です。
こだわりぬいた食材が持つ物語
食材の作り手と受け手の間に生まれる物語
食材の物語をお客様と共有することで、食の本質を徹底的に追求した食材の価値を、ドレステーブルは提供しています。
企業理念を読むだけで、ハイ食材室の食に対する信念が伝わってくるため、同じ価値観を持つ利用者からは厚い信頼が寄せられるのでしょう。
職人醤油

職人醤油は、日本各地の400以上の醤油蔵を訪問してセレクトした醤油を販売する専門店です。
すべての商品は100mlの小瓶で統一されています。
職人醤油では、醤油の作り手を大切にしています。
- 醤油のことが大好きな作り手
- 自分の理想とする醤油に近づくために製造設備の改良を続ける作り手
- 伝統的な製法を守り続けるために木桶づくりから手掛ける作り手
- 醤油を使ってくれるお客様が大好きな作り手
それぞれが醤油づくりに対する思想を持ち、より良いものづくりを追求している職人が作る醤油を取り扱っています。
さまざまなこだわりの醤油を使い分けると、毎日の食卓が楽しくなる。
作り手のこだわりを伝えることで、豊かな食のスタイルを提案するのが職人醤油です。
食べチョク

「生産者からチョクでお届け。だから新鮮。だから美味しい」
このキャッチコピーが目を引くのが、日本最大級のオンライン直売所「食べチョク」です。
購入した商品が農家や漁師から直接届けられる点が大きな特徴です。
食べチョクでは、市場には出回らない珍しい食材や限定の商品など、45,000点以上の商品が出品されています。
生産者自身で値決めができるシステムにより、購入することで生産者の応援につながるのがポイントです。
こうした取り組みが消費者の共感を呼び、2022年にはユーザー数が70万人を突破しました。
食品ECが向いている企業・向いていない企業

食品EC市場は拡大を続けていますが、参入すれば必ず成功するわけではありません。
商材の特性や自社のリソースによって、向き不向きが明確に分かれます。
本章では、食品ECで成果を出しやすい企業と、苦戦しやすい企業の特徴を整理します。
向いている企業
食品ECで成功を収めている企業には、共通して以下のような強みがあります。
- 差別化できる商品を持っている
- ストーリー性がある
- リピート商材がある
型番商品にはない独自製法や、その土地でしか手に入らない産地直送品といった、明確に他社と差別化できる商品力を備えていることは大きな強みです。
これに加えて、単なるスペック紹介に留まらず、作り手の情熱や製造工程の裏側にある背景などの「ストーリー」を丁寧に発信することで、顧客の深い共感と信頼を獲得できます。
さらに、米や水、定期的な購入が見込める惣菜セットのようなリピート性の高い商材を戦略的に組み込むことで、新規顧客の獲得コストを抑えつつLTV(顧客生涯価値)を最大化させられます。
こうした多角的なアプローチができる企業は、不毛な価格競争に巻き込まれることなく、ブランドの独自価値を守りながら持続的かつ安定した経営が実現できるでしょう。
向いていない企業
一方で、以下のような条件に当てはまる場合は、戦略を大幅に見直す必要があります。
- 価格勝負しかできない
- 物流体制が弱い
- 小ロット多品種で利益が出にくい
他社との差別化が難しく、比較されやすい型番商品を主力としている企業は、価格競争に巻き込まれやすいため注意が必要です。
また、食品特有の鮮度維持や保冷配送などに対応する物流体制が整っておらず、コスト最適化の仕組みが未整備な企業も慎重な検討が求められます。
加えて、多品種の商品を少量ずつ扱う「小ロット多品種」モデルでは、在庫管理が複雑化し、梱包作業も煩雑になりがちです。
結果として、人件費や運用工数が増加し、売上が拡大しても利益が十分に確保できないといった構造的な課題に直面しやすくなるのです。
以上のように、収益性の低さとコストの増大が重なることで、中長期的な視点でのEC運営の継続が極めて困難になる恐れがあります。
市場の伸びが期待できる食品EC

食品ECサイトを運営するには、食品業界ならではの課題をクリアする必要があり、難しい側面もあります。
しかし、こうした課題をクリアできれば大きな強みとなるため、顧客の信頼を獲得し、売上の拡大につなげることができるでしょう。
また、食品業界は他の業界と比較してEC化率が低く、今後も市場の成長が期待できる分野です。
食品ECサイト導入を検討する際の参考として、本記事の内容がお役に立てば幸いです。
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食品ECのトレンド調査
食品ECサイトの構築/改修を

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。








