予約システムの開発費用はいくらかかる?導入のメリットも解説

2023.02.13
DX・システム開発
中垣圭嗣
予約システムの開発費用はいくらかかる?導入のメリットも解説
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こんにちは。Wakka Inc.のベトナムラボマネージャーの中垣です。
予約システムを開発し本格的に導入する前に、費用の相場について知っておきたいとお考えの企業様も多いのではないでしょうか。
開発費用の把握は予約システムの開発予算に影響するため重要です。予約システムの開発費用は主にシステムの種類によって変わってきます。
種類ごとの開発費用や予約システムを開発をするときの注意点をくわしく解説します。スムーズな予約システム導入の一助になれば幸いです。ぜひご参考になさってください。

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目次

【基礎知識】予約システムの機能と種類

予約システムとは、予約に関する日時確認や顧客と事業者とのやりとりをスムーズに行い、予約管理を自動で行えるシステムのことです。
予約システムには主に以下の機能があります。

  • 新規予約の受付・変更・キャンセル処理をする予約管理ま
  • 予約管理に伴うメール送信
  • 顧客の情報管理
  • 決済機能

また予約システムにはいくつか種類があり、種類によって開発費用が異なるため、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。そのため予約システムの種類についても見ていきましょう。

ASP

ASPはApplication Service providerの略で、インターネット上で利用できるサービスのことです。
予約システム以外にも、さまざまなシステムの種類が存在します。ASP型の予約システムは開発ベンダーがあらかじめ開発したものを使用します。
そのため、ASP型の予約システムは基本的に必要な機能がすべて揃っているのです。
1から開発する必要がなく、契約をすればすぐに使用できます。

ASP型の予約システムは実装から導入までの時間が短いことが大きなメリットです。
一方で仕様を自社の業務に合わせたオリジナルなものにしたいといっても、カスタマイズできないデメリットもあります。
予約システムを早く導入したい企業や、システム開発のリソースを抱えていない企業に適しています。

パッケージ開発

パッケージとは、すでに完成された既製品のことです。
パッケージ開発型の予約システムは、自社サイトに既存の予約システムを組み込んで使用します。あらかじめ開発されたシステムを使う点でASPと似ています。
予約システムをゼロから開発するわけではないため、開発費用を抑えられるのがメリットです。
ただし、自社のシステムに組み込む際に費用が発生したり、既存システムと連携できなかったりと、デメリットが生じる可能性もあります。
中でも、予約を受けるように作られたサイトではないものに組み込んだ場合、予約システムとしての導線に問題が生じる可能性があります。

フルスクラッチ

フルスクラッチは、システムをゼロから開発する手法を指します。
予約システムに必要な要件の定義から設計、開発、実装まで行うオーダーメイドの開発のことです。自社の事業や業務フローに合った予約システムを構築できるため、機能性拡張性に優れています。
一方でフルスクラッチ型の予約システムはゼロから要件の1つひとつを検討するため、開発に多くの時間と費用がかかる点がデメリットです。
フルスクラッチ型の予約システムは、自社のビジネス特性や独自の業務フローを反映させたい企業に適しています。

予約システムを導入する4つのメリット

予約システムを導入するメリットは以下の4つがあげられます。

  • 予約管理によるミスをなくせる
  • 顧客情報を把握できる
  • 24時間いつでも対応できる
  • 成約率を高められる

それぞれくわしく解説します。

予約管理によるミスをなくせる

予約システムの導入によって予約管理のミスをなくせます。
予約システムを用いない場合、あらゆる予約管理業務を人手で行う必要があります。
例えば下記の作業などです。

  • 予約をした顧客の情報や日時・場所などをExcelや管理台帳に転記する
  • 予約変更があったとき、予約情報を再入力する
  • キャンセルされた予約の情報の取り消しをする

予約情報の転記や再入力、削除などは、人が管理している以上必ずミスが発生します。
さらに予約媒体が増えるほど管理も複雑になり、ミスも発生しやすくなるでしょう。予約管理ミスによって顧客に迷惑がかかってしまうと、ブランドの信用を落としかねません。
しかし予約システムを導入すれば、上記の作業を予約システムが行うため、人為的なミスはなくなるでしょう。

顧客情報を把握できる

予約システムを顧客情報の把握に役立てられます。
理由は、予約時に登録された顧客情報が予約システムに蓄積されているからです。
飲食店や美容室などの対面ビジネスでは、予約システムに蓄積された顧客情報をもとに接客を変えられるため、顧客一人一人に合わせたサービスを提供できます。
また、日々の売上や販売した商品をデータ化したPOSシステムやCRM(顧客管理システム)などと連携をすれば、より詳細な顧客情報を取得し、経営に役立てられるでしょう。

24時間いつでも対応できる

予約の管理業務を人が行う場合、対応できる時間は営業時間内と限りがあります
営業時間外に予約や問い合わせがあった場合は、次の営業日などで対応をしなくてはなりません。予約システムがない状態ではその対応を手動で行うため、時間もかかるでしょう。
予約システムを導入すると、システムが予約管理を24時間いつでも自動で対応してくれます。
システムが自動的に対応するため、従業員はサービス提供に集中でき、顧客満足につながります。

成約率を高められる

予約システムを導入すると、サービスの成約率を高められます。
前述のとおり、システムを導入していれば、24時間予約の対応が可能です。また、キャンセルが発生した場合に自動でメールを送信したり、多言語に対応したりと、顧客の負担を軽減する機能が備わっています。
結果、購買意欲の低下や機会損失を防止できるため、売上の増加につながりやすいでしょう。
さらに、蓄積した顧客情報を分析・活用することで、より効果的なマーケティング施策を実施できます。予約システムを導入することで、管理コストや人為的ミスの削減のみならず、成約率・売上を向上させられます。

【種類別】予約システムの開発費用の相場

予約システムにはASP型やパッケージ開発、フルスクラッチ開発によるものがあると説明しました。予約システムの開発費用は、種類やシステム開発の規模によって異なります。
ここからは種類別に予約システムの開発費用の相場を紹介します。

ASPによる開発費用

ASP型の予約システムについては、システムを開発する費用ではなく、導入する際にコストがかかります。
ASP型の予約システムの導入費用は数千円から数万円のものが多いです。
また、基本的には月額で費用が発生します。
先ほど説明したとおりASP型の予約システムは、すでに開発されたものをインターネット上で使用するため、開発や自社システムに組み込む必要がないです。そのため導入費用が大きくならずに抑えられます。

パッケージ開発の費用

パッケージ型の予約システムの開発および導入費用は、10万円から100万円前後です。
予約システムをパッケージ開発する場合は、既存ツールやサイトの機能を拡張するプログラムを使用し開発を行います。自社に開発のリソースが充足している場合は、開発費用を安く抑えられます。
しかし外部に自社システムへの組み込みを依頼する場合は、数十万円から100万円程度かかるでしょう。

フルスクラッチ開発の費用

フルスクラッチ開発の費用は予約システムの規模や複雑さによって変わりますが、目安として次の費用がかかります。
小規模のシステムは30万から100万円程度で、大規模システムでは1,000万円以上が予約システム開発費用の相場です。フルスクラッチ開発の場合は、ゼロから仕様を決めて開発するため開発期間が長くなります。

したがってエンジニアの人件費も高くなる傾向があるのです。また開発ベンダーに開発を依頼するだけでなく、予約システムの運用・保守も発注すると、年間に数万円から数十万円の費用がかかるでしょう。
フルスクラッチ開発による予約システムは、自社の特性をシステムに反映し、顧客が使いやすいシステム仕様にしたい企業に適しています。
あらためて3種類の予約システムの開発費用をまとめると以下になります。

ASP型数千円〜数万円
パッケージ開発10万円〜100万円
フルスクラッチ開発小規模:30万円〜100万円程度
大規模:1,000万円以上

無料で利用できる予約システム

予約システムの中にも無料で利用できるものもあります。特にインターネットさえあれば使用できるタイプのASP型は、無料で利用できる予約システムも多いです。
無料版だと機能が制限されていることも少なくありません。
しかしさまざまな予約システムを試せたり、システム導入後の運用イメージができたりと利点があります
予約システムを導入する前に、課題をしっかり検討したいとお考えの企業は、無料のプランがあるものから試すといいでしょう。
無料で利用できる予約システムの中から次の2つを紹介します。

  • Airリザーブ(エアリザーブ)
  • STORES 予約(ストアーズ)

Airリザーブ(エアリザーブ)

Airリザーブは株式会社リクルートが運営するクラウド型予約システムでASPの一種です。
電話予約や直接訪問、ネット予約をリアルタイムで一元管理できます。管理画面はカレンダーがメインになっており、紙台帳と同じように予約管理業務を行えるのが特徴です。
顧客の予約カレンダーが店舗の予約システムと常に同期しているため、予約の取りこぼしを防げるでしょう。
Airリザーブは無料プランでも月間の予約件数に制限はなく、他にも顧客管理も可能なため、予約システムとして問題なく使えます。

参考:Airリザーブ

STORES 予約(ストアーズ)

STORES 予約はSTORES 株式会社が運営する予約システムです。
24時間予約が可能なだけでなく、チャットコミュニケーションツールのLINEと連携できることが特徴です。それにより顧客はより手軽に予約が可能になるため、顧客の喪失を防げます。
無料プランでは月間の予約数やページの公開数に制限があるものの、予約管理に必要な機能は最低限揃っています。無料プランは小規模スタートをしたい事業者に適しているでしょう。

参考:STORES 予約

予約システムの開発を依頼するときの注意点

「ASPやパッケージ開発による予約システムの導入もよいが、顧客に満足してもらえるように、自社に合わせたカスタマイズをしたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
その場合はフルスクラッチ開発による予約システムの導入がおすすめです。
しかし開発したあとに、「想像していたのと違う」や「追加で開発が必要になった」といった失敗は避けたいところです。上記のような失敗を回避するため、予約システム開発を依頼するときの注意点を4つご紹介します。

  • 予約システムのタイプを確認する
  • 決済機能を実装する
  • セキュリティ対策をする
  • 顧客管理ができる機能を実装する

予約システムのタイプを確認する

先述したASPやパッケージ開発・フルスクラッチ開発などの開発の種類以外にも、管理機能のタイプはいくつかあります。
例えば次のものがあげられます。

  • 顧客が自由に日時を選択できるタイプ
  • 運営側のスケジュールに合わせて、顧客が選択するタイプ
  • 曜日ごとに内容を選択できる時間割タイプ

業種やサービス形態によって、活用しやすい予約の管理機能タイプは異なります。
ビジネスの特性や顧客の使い方を考慮し、自社に必要な機能はどのようなものかを洗い出してから導入するようにしましょう。
また管理機能のタイプを選ぶ際は、自社がいいと思ったものを選ぶのではなく、顧客目線で考えることがポイントです。予約システムの使いやすさがサービスや商品の成約率に影響するからです。
使いやすい予約の管理機能を実装するには、現場の声に耳を傾けたり、顧客に直接アンケートして意見を収集したりするとよいでしょう。

決済機能が必要か検討する

予約システムの開発を進める前に、決済機能が必要かどうか検討をしておきたいところです。
決済機能を実装すると入金忘れやキャンセル防止につながります。また事前決済によって、店舗で会計をする際に決済手段の選択や、決済手段ごとの処理に生じる時間・手間を削減できます。
顧客と従業員の両方にとってメリットがあるのです。
自社のサービスは決済機能を実装する必要があるか検証しておきましょう。

セキュリティ対策をする

予約システムにはセキュリティ対策も必要です。
予約システムでは多くの顧客情報が保存・管理されているからです。万が一システムトラブルが発生し、顧客情報や決済機能に登録されている情報が流出してしまったら、顧客の信用を失いブランドイメージも悪くなる可能性があります。
データ通信の暗号化や不正アクセス防止対策などができているかを確認しましょう。
またシステムのセキュリティ対策だけなく、従業員へ個人情報の扱い方の研修や講義を実施して、セキュリティに対する意識を高めるのもポイントです。

顧客管理ができる機能を実装する

顧客管理の機能とは顧客の基本情報や来店回数・頻度・単価などの情報を一元管理できる機能です。顧客管理ができる機能を実装すると上記の顧客情報をデータとして分析ができます。
データ分析によって商品やサービスを適切な方法で、必要な人に提供するためにマーケティング戦略を実行できます。

適切な営業戦略を実施できれば、余計なコストを削減したり、顧客の満足度をさらに向上させたりできるのです。
そのため顧客管理ができる機能を実装するかどうかで、自社サービスや商品の売上は変わるでしょう。
中にはすでに独自の顧客管理システムを導入している企業もあると思います。その場合は、顧客管理システムと予約システムが連携できるかを確認しましょう。

予約システムを実装して成約率を高めよう

予約システムを実装すると予約の管理業務で人為的なミスや作業工数を削減できたり、顧客満足を向上させたりできます。そのようなメリットから予約システムを導入している企業は少なくありません。
開発費用は開発期間や予約システムの種類によって変わります。
予約システムの開発の前に、システム運用の課題や必要機能の洗い出しを時間をかけて検討したい企業には、ASPやパッケージ型のものが適しています。
自社のビジネス特性に合った機能へカスタマイズしたい企業には、フルスクラッチ開発の予約システムが適しているでしょう。
どの種類の予約システムを導入するにしても、相見積もりを行い相場を比較しておくとよいです。また予約システムを導入して実現したいことや、達成したい目的を叶えられるかも判断基準のひとつです。

この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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