業務効率化のメリットとは?生産性向上やコスト削減の手法を全解説

2023.01.16
DX・システム開発
中垣圭嗣
業務効率化のメリットとは?生産性向上やコスト削減の手法を全解説
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こんにちは。Wakka Inc.のベトナムラボマネージャーの中垣です。
今回の記事では、業務効率化の効果的な手順や具体的な手法から、効率化を進める際の注意点まで詳しく解説いたします。業務効率化を成功させるためには、自社にとってベストな手法で進めるのが重要です。
適切な業務効率化によって、人材不足の解消やコストの削減を実現させたい方は、ぜひ最後までご覧になってください。

Wakka.IncではDXプロジェクトを検討している担当者の方に向けて、失敗しない社内体制の構築から開発リソース確保までを網羅して解説しているDX進め方ガイドブックを無料で配布しています。ぜひご確認ください。

目次

業務効率化とは?

業務効率化には、生産性や従業員満足度を向上させたり、新規事業を開拓するきっかけになったりするなど、多くの利点があります。

業務効率化とは、業務プロセスに潜んでいるムリ・ムダ・ムラを見つけて改善することで、業務の人的コスト削減や、生産性向上を目指す取り組みです。業務効率化におけるムリ・ムダ・ムラをさらに詳しく解説すると次のとおりです。

ムリ従業員に過剰な仕事量や課題を課している状態
達成すべき課題に対して手段がない状態
ムダ必要以上に資金や時間を投下し、
貴重な人的コストを有効活用できていない状態
ムラ 担当者や時期によって仕事量に偏りがあり、アウトプットが異なる状態
目的に対して手段が最適でない状態

多くの企業で、深刻な人材不足や市場ニーズの著しい変化に対応するため、さらなる業務効率化が求められています。
近年は、有効な手段としてRPA*を導入する企業も増えており、業務のIT化で効率化を図る流れは今後も加速するでしょう。ほかにも外部委託や海外リソースの活用など、多種多様な手法で業務効率化を実現できます。
※RPA……=Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)。AIや機会学習を活用して人間の作業を代替する取り組み。

業務効率化が求められている理由

業務効率化が求められている理由は、働き方改革やリモートワークへの対応が挙げられます。
例えば、働き方改革によって同じ仕事量を限られた時間内でこなす場合、業務効率化を図り環境を整えることが不可欠です。さらに感染症の流行も、業務効率化が急がれる原動力となっているのは間違いありません。
業務効率化は、働き方改革や感染症の流行をはじめとした、ビジネス上のさまざまな課題を打破する手段として注目されているのです。

業務効率化と生産性向上の違いとは?

業務効率化と生産性向上はよく似た言葉ですが、若干ニュアンスが違います。手段と成果どちらを重要視しているかという違いがあります。
業務効率化は成果を挙げるための手段であるのに対して、生産性向上は成果を最大化させることに重点を置いています。
業務効率化は、ITツールなどの導入で業務を効率化し、人的コストを削減して成果を挙げる手段です。
一方、生産性向上は業務効率化を行い、いかに少ないコストで成果を最大化させるかを重視しています。混同されがちですが、手段と成果という違いがありその性質は異なります。

業務効率化によるメリット

業務効率化を実施すれば、下記のように多くのメリットを得られます。

  • 従業員の満足度が上がる
  • 生産性がアップする
  • コスト削減により利益率が上がる
  • 優秀な人材や時間を確保できる
  • 新規事業の開拓につながる

順番に見ていきましょう。

従業員の満足度が上がる

業務効率化により、従業員の満足度が上がるでしょう。業務効率化を実施する過程で、従業員はムダな業務から解放され、モチベーションアップも期待できます。
業務工程の自動化やテレワークの導入で、労働時間が短縮されたり、働きやすい環境が整備されたり、多くの恩恵を実感できるでしょう。
育児や介護との両立も現実的になり、離職率の低下にも繋がります。業務効率化によりワークライフバランスの実現も可能です。従業員への利益還元は、定着率の安定にも寄与します。

生産性が向上する

業務効率化の大きなメリットに、生産性向上が挙げられます。生産性向上とは、投資した作業時間やコストに対して、どの程度利益を挙げたかを表します。
業務効率化が実現した場合、以前と同じ作業量でも時間や人的コストを削減でき、利益率の向上が見込めるでしょう。業務効率化で浮いたリソースを、他の業務に向けることも可能です。

コスト削減により利益率が上がる

業務効率化によるコスト削減で利益率が向上するのも大きなメリットです。業務効率化は、業務プロセスに含まれている

  • ムリ
  • ムダ
  • ムラ

を改善する手段であり、業務効率化が実現すれば労働時間や人件費を削減できます。
業務効率化で労働時間や人件費、光熱費といったコストを削減し、生産性がアップすることで、利益率の向上が望めるでしょう。
業務効率化で浮いたリソースを利益率の高い業務に注力できるだけでなく、ムリやムラが減って業務の手間も省けます。

優秀な人材を確保できる

業務効率化には、優秀な人材を確保できるメリットもあります。
業務効率化による利益率向上によって、健全な経営状態を維持できたり、従業員の定着率が上がったりすることで、企業イメージがアップします。
新規採用においても、企業イメージは重要な要素であり、プラスに働くでしょう。労働者から選ばれる企業になれば、優秀な人材を確保できるチャンスも増えます。優秀な人材を確保し、企業の質が高まれば、さらに業務効率化の効果を発揮できるでしょう。

新規事業の開拓につながる

業務効率化には、新規事業の開拓につながるメリットもあります。
なぜなら、業務効率化で浮いた人員や利益・時間などのリソースを、新規事業へ投入できるからです。
現在多くの企業で、ITと業務を掛け合わせて事業を展開する取り組みが増えていますが、企業のリソースに余裕がなければ挑戦はできません。業務効率化は、新規事業を開拓し、企業を発展させるきっかけにもなりえます。

業務効率化によるデメリット

業務効率化には多くのメリットがありますが、デメリットにも目を向ける必要があります。業務効率化がかえって問題点を生むきっかけとならないよう、しっかりと把握しておきましょう。業務効率化によるデメリットは次の3点です。

  • ITツールの導入によるセキュリティリスクが高まる
  • 新しい業務工程を覚えるのが手間になる
  • 残業時間の削減で収入が下がる

詳しく見ていきましょう。

ITツールの導入によるセキュリティリスクが高まる

業務効率化のためにITツールを導入することで、セキュリティのリスクが高まります。
新しく導入するITツールに知見のある従業員が自社にいない場合、セキュリティ対策が疎かになり、情報漏えいのリスクが高まるでしょう。
ITツールを導入する際には、事前に情報セキュリティに関する社内研修を行うなどの対策が必要です。事前の備えでリスクは大幅に下げられます。

新しい業務工程を覚えるのが手間になる

業務を効率化するには新しい業務工程を覚える必要があり、手間に感じる従業員も多いでしょう。
環境の変化を望まない声が出ることも想定され、中途半端な取り組みでは業務効率化のメリットを十分に得られません。わかりやすいマニュアルを用意したり、ツールの利用方法の研修を実施したりするなどの対策を行いましょう。

残業時間の削減が不満に繋がる恐れがある

業務効率化によって残業時間は削減できますが、残業代が減ることで不満を持つ従業員が出るかもしれません。
経営層の視点では、業務効率化の目的に人件費削減も当然含んでいます。一方で従業員にとっては、残業代を含めた上で給与を計算しているケースも多く、モチベーション低下につながる恐れがあります。
業務効率化の意義をしっかりと伝えたり、給与面以外の待遇を改善したりするなどの対策も合わせて検討しましょう。

業務効率化を図る具体的な手法

業務効率化を図る具体的な手法には、以下のようなものが挙げられます。

  • 不要な業務を見極める
  • 社内の情報共有を効率的にする
  • 業務を分業化する
  • 業務のルールを明確にする
  • 業務の担当者を変える
  • 外部委託を検討する
  • ITツールを活用する

自社の課題や問題点から、適した手法を見極める姿勢が必要です。順番に見ていきましょう。

不要な業務を見極める

業務効率化を図るには、不要な業務を見極めましょう。不要な業務の見極めは、業務効率化に効果的であり、取り組むハードルも比較的低いといえます。
新しい手法を試す際は手間やコストがかかるものの、従来の業務工程を見直すだけなら気軽に取り組めるでしょう。例えば、定例化しているものの重要ではない会議の回数を減らしたり、止めたりする方法が挙げられます。不要な業務を見極めて、確保できたリソースをコア業務に投入しましょう。

社内の情報共有を効率的にする

社内の情報共有を効率的にすれば、業務効率化の実現に向けて大きく前進します。
情報共有が効率的であれば、必要なデータに素早くアクセスでき、時間短縮になります。
新人や異動してきた従業員への情報共有もスムーズになり、教育に要する時間を削減できるでしょう。情報共有が効率的であれば、新しいノウハウや知見を素早く社内全体に共有でき、常に最新の状態にアップデートできるメリットもあります。

業務を分業化する

業務効率化を図る具体的な手法として、業務の分業化も有効です。業務を分業化すれば、複雑な工程を簡素化でき、習熟スピードも早くなるでしょう。
今まで複雑な業務を担当して非効率だった場合でも、分業化により特定の工程に集中でき、新規の担当者もいち早く即戦力として活躍できます。しかし分業化によって非効率になるケースもあるため、分業化するべき業務の見極めが重要です。

業務のルールを明確にする

業務のルールを明確にすることも、業務効率化の第一歩です。
ルールを明確化して業務の標準化を図ることで、業務のムラやムダを無くすことが可能であり、作業スピードが上がります。その他にも

  • 業務ルールが明確になればミスの防止に繋がる
  • 担当者が変わった場合でも品質を担保できる

などの利点を得られるでしょう。
ルール作成の際には、わかりやすい図表を使ったり、読み手が理解しやすい文章を意識したりすることで、成果が出やすくなります。

業務の担当者を変える

従業員にも適材適所があり、担当を変えるだけで業務がスムーズになるケースも珍しくありません。
苦手な業務を担当すれば、従業員の持つ強みを活かせず、モチベーションは上がりません。本人も気づかないムリ・ムダ・ムラを生み出している可能性もあるでしょう。
適材適所を心がけ、柔軟に業務担当者を変えるアクションが大切です。

外部委託を検討する

業務効率化を図る有効な手法として忘れてはならないのが、外部委託を活用することです。
専門的な業務であっても、その道のプロであれば適切な解決策を提案でき、自社の人的リソースも有効活用できます。
例えば、保守業務のみ外部委託し、重要なコア業務に自社のリソースを投下するような運用も可能です。外部委託される傾向の多い業務としては、総務や人事、経理が当てはまります。
しかし委託先の選択を間違えると、「外部委託によりかえってコストがかかってしまう」「自社にノウハウが残らない」といったデメリットも考えられるため、委託先は慎重に選びましょう。

ITツールを検討する

業務効率化を図る手法として、ITツールの導入も検討しましょう。ITツールの導入で、業務の自動化や効率的な情報共有が可能となり、人的リソースや時間の削減に役立ちます。
例えば、RPAツールを導入すれば、パソコンでの事務処理を自動化でき、正確性も確保できます。また「録音データを書き起こす」「Webサイトからデータを収集してレポートを作成する」なども自動化が可能です。
他にも、オンライン会議ツールやチャットツールなど、コミュニケーションや情報共有に欠かせないITツールも豊富に揃っており、適切なツールを導入すれば業務効率化の大きな手立てになるでしょう。

業務効率化を進める手順

業務効率化を成功に導くためには、効果的な手順で進めるのが肝心です。
業務効率化を間違った手順で進めては、効率化する箇所や手法を誤り、逆効果になる恐れもあります。失敗しない業務効率化の手順は次のとおりです。

  • 業務の全体像や課題を可視化する
  • 優先して効率化する業務を決める
  • 活用する手法やツールを選択する
  • 現場の受け入れ態勢を確認する
  • ECRSで業務プロセスを見直す
  • 効果を検証して振り返りを行う

業務の全体像や課題を可視化する

業務効率化を進める手順として、まずは業務の全体像や課題を可視化しましょう。業務効率化を進めるには、仕事の流れを理解して、ボトルネックを明確にする必要があります。
ボトルネックが明確になれば、改善箇所がわかり、具体的な取り組みができます。可視化する具体的なポイントは次の通りです。

可視化する内容可視化する項目
業務に関わる従業員担当者の名前・人数・部署
時期繁忙期・閑散期
所要時間作業に必要な時間
業務の内容作業工程・使っているツール・必要なスキル

注意点としては、現場から生の声を聞き、実態を正確に把握することを心がけましょう。実態を詳細に洗い出し、わかりやすい図表を用いることで、スムーズに業務効率化を進められます。
※ボトルネック……業務全体で良くない箇所、業務の停滞や生産性の低下を招いている工程

優先して効率化する業務を決める

自社の課題を把握できたら、次に優先して効率化する業務を決めます。
優先順位を決めずに取り掛かれば、現場に混乱が起き、施策が中途半端に終わってしまう恐れがあります。
できる限り効率化しやすく、効果がわかりやすいコア業務から着手しましょう。コア業務であれば、早期に検証もできます。
コア業務以外で改善が必要な作業は、外部委託を利用するのが効率的です。事前の打ち合わせやヒアリングが必要な業務や、納期がタイトな仕事も優先順位が高いといえます。上記の視点で優先順位を決めれば、円滑に業務効率化が進むでしょう。

活用する手法やツールを選択する

業務の全体像を可視化し、優先して効率化する業務が決まったら、活用する手法やツールを選択するプロセスに入ります。
自社の環境や状況に合った手法やツールの選択が、スムーズな業務効率化には不可欠です。
従業員にとって使いにくいツールであれば、不満が出たり、使われなくなったりして、宝の持ち腐れになる恐れがあります。ITツールを導入する際には、現場の従業員に実際に試用してもらい、使いやすさや自社業務への適正を判断しましょう。

現場の受け入れ態勢を確認する

業務効率化を進める手順として、現場の受け入れ態勢の確認を忘れてはいけません。
自社に有効なツールや手法であっても、導入のタイミングを誤れば、定着しなかったり従業員に大きな負担を負わせてしまったりします。

  • マニュアルやフローの周知を徹底する
  • 繁忙期を避けて導入する

などの工夫が大切です。

ECRSで業務プロセスを見直す

続いて業務効率化を進める手順として、ECRSで業務プロセスを見直しましょう。
ECRS(イー・シー・アール・エス)とは、4つのステップを活用して既存の業務プロセスを見直す手法です。具体的にECRSの4つのステップを説明します。

各ステップ概要
Eliminate(排除)業務の中で、不要な業務工程は排除する。形骸化した業務も該当する。
Combine(結合)類似業務は一本化する。分業が適している場合は、分離も検討する。
Rearrange(交換)業務フローを再設計する中で、プロセスの順番を入れ替えたり、人員を入れ替えたりして、効率化を図る。
Simplify
(簡素化)
作業を簡素化しても目的が達成できるか検討する。ミス防止や負担軽減も目的としている。

ECRSのステップで業務プロセスを精査し、効率化に活用できそうなツールやサービスを検討しましょう。

効果を検証して振り返りを行う

業務効率化を進める最後の手順は、効果を検証して振り返りを行うことです。自社に有効な手法やツールを導入しても、効果の有無は一定期間運用しなければ判断できません。
新しい手法やツールを導入したことで、業務の精度低下や機能不全が起こっていないかをチェックしましょう。業務効率化は一度実施して終わりではなく、継続した改善が成功の秘訣です。

業務効率化に役立つツール

業務効率化を実現させるため、役に立つのがITツールです。業務のIT化が進み、高度な効率化に役立つツールが多数登場しています。
ツールを選ぶ際には「自社の既存システムと連携が可能か?」「サポート体制は整っているか?」などを事前に確認しましょう。今回ご紹介するツールは次の6点です。

  • コミュニケーションツール
  • ファイル管理、共有ツール
  • 自動化ツール(RPA)
  • タスク、プロジェクト管理ツール
  • パックオフィス管理ツール
  • 名刺管理ツール

なお、業務効率化ツールに関しては下記の記事で詳しく解説しています。

コミュニケーションツール

コミュニケーションツールとして、チャットツールやビデオ会議ツールが活躍します。1対1や複数人でのスムーズなやり取りが可能となり、コミュニケーションの質も向上します。
ビデオ会議は移動時間を有効活用できます。またチャットツールは外出先でも連絡事項を確認でき、迅速な対応を可能にします。
特にチャットツールでの迅速な対応は、顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。業務連絡だけでなく、気軽にやり取りもできるため、従業員同士の親睦が深まります。
チャットツールでは確実に履歴が残る点も大きなメリットであり、口頭より確実です。営業で外出が多い場合でも、従業員同士の連携を強化するためにオンライン会議やチャットツールは非常に役立つでしょう。

ファイル管理・共有ツール

ファイル管理・共有ツールは業務効率化に欠かせません。情報共有での課題解決が可能であり、時間短縮に貢献します。
クラウド上にデータを保存するファイル共有ツールなら、出先や自宅でアクセスでき、いつでも情報共有が可能です。
営業で外回りをする際もリアルタイムで情報を把握でき、重宝するでしょう。連絡の行き違いにより業務が停滞したり、トラブルが発生したりするリスクも防げます。
データの保守管理業務から解放されるのも、ファイル管理・共有ツールを導入する大きなメリットといえます。

自動化ツール(RPA)

業務効率化を図るため、自動化ツール(RPA)はぜひ活用したいところです。
定型業務で生産性の低下を招いている作業に有効であり、業務効率化に寄与します。例えば、膨大なデータを管理する作業や、煩雑なエクセル作業などが該当します。
繰り返しの多い業務や、判断のいらない単純作業を正確にこなすことができ、大幅な時間短縮につながるでしょう。担当者の負担になっている業務がないかヒアリングを行い、すぐに変えられる小さな工程から自動化を進めるのがコツです。

タスク・プロジェクト管理ツール

チーム単位で作業に取り組むなら、タスク・プロジェクト管理ツールは欠かせません。
タスク・プロジェクト管理ツールを使えば、正確なスケジュール作成ができたり、タスクの可視化や共有がチーム単位で可能になったりします。
具体的には、スケジュールやタスクの締め切りを見逃すリスクを軽減できます。
プロジェクトの進捗状況や担当業務が明確になることでミスも減り、作業効率の大幅な改善に寄与できるでしょう。タスクやスケジュールが明確になることで、重要な業務により多くのリソースを割けます。チームをマネジメントする際にも、特に重宝するツールです。

バックオフィス管理ツール

人事部や経理部の業務効率化には、バックオフィス管理ツールが有効です。
バックオフィス管理ツールを活用することで作業の処理速度が早くなり、業務効率化に役立つだけでなく、業務連絡も円滑になります。
バックオフィス管理ツールの活用で、出退勤状況や休暇などの退勤レポートが自動生成されたり、時間外や休日出勤の申請も迅速に行えたりして便利です。
近年は、給与明細や人事評価まで管理できるツールも登場しています。データのペーパーレス化も可能であり、経費削減にも貢献できるでしょう。

名刺管理ツール

名刺管理ツールも業務効率化に役立つツールです。特定の取引先の名刺を探す手間や、ファイリングする手間が省け、会社全体の顧客管理が効率化されます。
扱う名刺管理ツールによっては、QRコードやURLを使ったオンライン名刺交換も可能です。さらに

  • CRMやSFAなどの他のシステムと紐付けて顧客情報を整理する
  • 登録した名刺情報からメッセージのやり取りをする

など、顧客管理から営業支援まで含んだ業務管理ツールとして役立ちます。

業務効率化を進める際の注意点

業務効率化は、実施すれば必ず成果が出るわけではありません。
仮に誤った方法で実施すれば、労力やコストが無駄になってしまうケースもあります。業務効率化の成功のためには、目的や目標に応じて適切な手段を選択することが重要です。
さらに、社内体制の整備も同時に求められるでしょう。業務効率化を進める際の注意点は次の6つです。

  • 目的を明確にして従業員の理解を得る
  • 現場に最適なツールを選ぶ
  • 手間やコストが増えないように注意する
  • 複数の対策を同時に進めない
  • 品質の低下に気をつける
  • 検証とフィードバックは欠かさず行う

詳しく見ていきましょう。

目的を明確にして従業員の理解を得る

業務効率化を進める際には、目的を明確にして従業員の理解を得る必要があります。目的が明確でなければ、手法やツールの導入自体が目的になってしまい、満足な成果を得られません。
「なぜ業務効率化が必要なのか?」「業務プロセスの変更が効率化にどう役立つのか?」を理解してもらう必要があります。

  • 生産性の向上
  • 従業員の負担軽減
  • コストカット
  • 時間や人員リソースの確保

例えば上記のような具体的な目的を設定すれば、従業員の主体的な行動も期待できるでしょう。

現場に最適なツールを選ぶ

業務効率化を進める際の注意点として、現場に適切なツールを選ぶことも忘れてはいけません。ツールを導入する際に重要なのは、導入したツールを定着させることです。

  • 画面がシンプルで誰でも操作しやすい
  • 業務に必要な機能が揃っている
  • 既存システムと連携しやすい

せっかく導入したツールが無駄になってしまわないように、上記のようなポイントを押さえてツールを検討しましょう。

手間やコストが増えないように注意する

業務効率化を進める際にかえって手間やコストが増えてしまうケースもあるため、注意が必要です。現場に適さない手法やツールを導入すれば、いずれ使われなくなり無駄になります。
最新のツールを導入しても、既存の業務やシステムと互換性がなければ作業の工数が増えてしまうかもしれません。
例えばノー残業デー制度を導入しても、従業員が仕事を家に持ち帰っていては、労働時間の短縮に成功したとはいえないでしょう。
形式だけの導入では悪循環に陥ることもあります。業務のための業務で負担を増やさないように注意しましょう。

複数の対策を同時に進めない

業務効率化を進める際には、複数の対策を同時に進めないことも大切です。複数の対策を同時に進めてしまっては、中途半端に終わる傾向があります。
対策を進める際には、担当者のキャパシティを考慮し、確実に実行できる状態で取り組みましょう。順序としては、効率化しやすく、結果がわかりやすい業務から着手するのがおすすめです。

品質の低下に気をつける

業務効率化を進めるなら、品質の低下には特に気をつけなければいけません。よくあるパターンとして、業務効率化の結果を追い求めすぎて、取り組みが雑になり、品質低下につながる恐れがあります。
品質低下を招かないために、作業時間は十分に確保し、フィードバックを怠らないようにしましょう。

検証とフィードバックは欠かさず行う

業務効率化を進める中で、検証とフィードバックは欠かせない工程です。業務効率化を進めただけでは、想定する効果が得られるかはわかりません。
ツール導入後や施策の実施後は、定期的な聞き取りや数値の分析によって効果を検証しましょう。検証結果を踏まえた適切なフォローや改善が、より大きな成果へと繋がります。

業務効率化のメリットを活かしてビジネスを成長させよう

今回は、業務効率化のメリットや効果的な手順から導入の注意点まで詳しく解説しました。業務効率化とは、業務プロセスに潜んでいるムリ・ムダ・ムラを改善し、生産性向上を目指す取り組みです。
業務効率化の実現により、生産性が向上するだけでなく、空いたリソースを活用して新たな事業を生み出せる可能性もあります。
「自社に合った業務効率化がわからない」場合には、まずはシステム開発や事業構築の支援を得意とする専門ベンダーに相談してみるのもオススメです。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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