海外に進出したい中小企業は必見!失敗の要因と成功の3つのカギ

2022.10.13
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
目次

こんにちは。Wakka Inc.ラボマネージャーの中垣です。

「海外へ進出するなら、可能な限りリスクを抑えた上で成功させたい」

とお考えの方も多いのではないでしょうか?

海外進出は、日本でビジネスを展開するのと違い、

  • 情報や人材の確保
  • 販路の確保
  • 戦略の立案
  • 必要な資源の準備

などに多くの時間を要します。

本記事では、日本の中小企業の海外進出の状況や失敗の要因、成功のカギを網羅的にまとめているので、ぜひ海外進出の準備にお役立てください。

日本の中小企業の海外進出の状況

具体的なお話の前に、まずは日本の中小企業が海外に進出している現状をまとめます。

現状を知ることは、海外展開の戦略を練るのに大事な要素です。

「どのくらいの企業が海外に進出しているのか?」

「進出先はどの地域が多いか?」

などをくわしく見ていきましょう。

海外進出している企業の数は7万7,551拠点

出典:外務省『海外進出企業拠点数調査』2021年調査結果(Excel)

外務省が公表している海外進出の日系企業の拠点数の調査(2021年10月1日現在)では、海外に進出している企業は7万7,551拠点です。

また、海外進出している企業のもっとも多い業種は製造業です。

この数字を見ると、「海外に進出している企業は意外と多い」と感じる方もいるのではないでしょうか?

実際、2016年には7万1,820拠点、2019年には7万4,072拠点と、日本の企業の海外進出の数は増加傾向にあります。

そして、2020年に商工総合研究所が発表したデータによると、中小企業のうち約1.4万社(0.43%)が海外に事業を展開しています。

■参考
外務省『海外進出日系企業拠点数調査|外務省
外務省領事局政策課『海外在留邦人数調査統計
一般財団法人 商工総合研究所『中小企業の海外進出 -平成30年間の軌跡-

進出地域はアジア、国別では中国やアメリカが多い

2021年に海外進出している企業の7万7,551拠点のうち、5万3,431拠点はアジア地域で展開しています。

出典:外務省『海外在留人数調査統計令和3年(2021年)版Excel

また、海外に在留している日本人の総数は135万7,724人で、地域別に見ると北米がもっとも多く49万7,296人、国別ではアメリカが最多です。

海外で働いている日本人の数は、想像と比べていかがでしょうか?

中小企業の海外からの撤退が増えている

日本の企業の海外ビジネス展開が増えている一方で、中小企業の海外からの撤退が増えているという報告もあります。

出典:日本政策金融公庫『中小企業による海外撤退の実態-戦略的撤退と撤退経験の活用-

2000年代に入ってから、中小企業の海外マーケットからの撤退が増加し、2010年以降はさらに増えています。

日本政策金融公庫の報告によると、成果不振による撤退もあるが、ある程度の結果を出しているのにもかかわらず、撤退している企業が4割ほどあるようです。

撤退には

  • 意図しない撤退
  • 戦略的な撤退

の2種類があり、撤退したからといって、その理由が必ずしも失敗であるとは限りません。

海外からの撤退を失敗としてとらえるのではなく、経験としてとらえると次のアクションを起こしやすくなるでしょう。

中小企業が海外進出で失敗する要因3つ

日本から海外に進出する企業が増加する一方で、撤退している企業も多いとお話ししました。

戦略的な撤退ならまだしも、業績不振やトラブルによる撤退は避けたいところです。

そこでここからは、海外拠点からの意図しない撤退の要因をご紹介します。

中小企業が、海外進出において失敗する主な原因は下記の3つです。

  • 販売先の開拓が難しい
  • 品質管理に問題が起こる
  • 現地パートナーとのトラブル

販売先の開拓が難しい

海外に進出した企業の撤退理由を分析したいくつかの論文では、もっとも多い撤退理由として、販売先の確保が難しいことが挙げられています。

  • サービスや製品が、海外の市場のニーズとマッチしていない
  • ニーズはあるが、日本以外の国も進出しているため競合が多い

などが、販売先の確保を難しくしていると考えられます。

また、市場の調査や分析が十分でないと、販売先の開拓の難易度はさらに高まるでしょう。

品質管理に問題が起こる

海外進出している日本企業は、製造業が多いとご説明しました。

製造業にとって、生産や品質管理の問題は致命的です。

しかし、ほかの業種の事業者にとっても、質の高いサービスを提供し、会社がバリューを発揮するために、品質管理は非常に大切な要素でしょう。

現地スタッフの労働環境や管理体制などが、ビジネスをしている国にあっていないと、トラブルが起こり、品質に影響が出てしまいます。

最初は日本と同じ管理体制を試し、現地にあっていないやり方は何度も修正して、現地の人々が働きやすい環境を整備していきましょう。

現地パートナーとのトラブル

日本と海外では文化や価値観が異なるため、仕事に対する考え方や自社の文化が、現地のパートナーに意図しない伝わり方をする可能性があります。

さらに、

  • 契約した内容が履行されない
  • 予想を大きく上回る費用を請求される

などのトラブルが起こるリスクもあります。

現地の受注先やパートナーと交渉・契約をするときには、

「費用の相場はいくらか?ローカル独自のルールなどは存在しないか?」

をよく確認しておくと良いでしょう。

また、

「現地パートナーとトラブルがあった際に、どのように解消するのか?」

「誰に相談すれば適切に解決できるのか?」

なども把握しておきたいところです。

中小・ベンチャー企業が海外進出で成功するための3つのカギ

海外展開で失敗する要因を理解して、マイナス要素を減らすことも大切ですが、

「どうすれば成功するのか?」

プラスの要素を知っておくことも重要です。

下記の3つのカギを押さえておくと、海外進出が成功する可能性がぐっと高まります。

  • ミニマムではじめる
  • アドバイザーの確保
  • 海外進出の支援サービスの活用

ミニマムではじめる

1つ目のカギは、ミニマムではじめることです。

完璧な状態ではなく、顧客に価値を提供できる最小限の状態でリリースする商品やサービスをMVP(ミニマム・ヴァリアブル・プロダクト)と呼びます。海外進出でもMVPと同様に、最低限のリソースで小さくスタートするのが良いでしょう。

最初から完璧なサービスやプロダクトを提供しようとすると、それだけ多くの時間や費用がかかります。

しかし、多大なコストを投下したからといって、ビジネスがうまくいくとは限りません。

ましてや文化や価値観の違う海外では、想定外のリスクにさらされることもあるでしょう。

ミニマムではじめることによって、失敗による損失を最小限に抑えられます。

また、ミニマムで設計しないと、

  • いざというときの撤退の線引きができない
  • サービス改善の予算が足りない

といった問題も起こりやすくなります。

このような弊害を回避するためにも、ミニマムでサービスを設計・開始するのが良いでしょう。

アドバイザーの確保

2つ目のカギは、頼れるアドバイザーを確保することです。

現地の情報にくわしいアドバイザーがいることで、先述した海外進出で失敗する要因を回避できる可能性があります。

現地パートナーとのトラブルは、現地の情報不足のために起こる場合が多いのです。

海外進出に関してくわしい人材や人脈に乏しい場合は、アドバイザーの確保は必須でしょう。

海外進出の支援サービスの活用

3つ目のカギは、海外進出の支援サービスを利用することです。

支援サービスを利用するメリットは、

  • 準備
  • 計画
  • 現地での法人設立
  • 経営

など、ステップごとに適した情報を得られることです。

支援サービスを利用すれば、アドバイザーも確保できます。

中小企業庁や商工会議所などの公的機関や民間企業が支援サービスを提供しているので、複数の組織や企業に相談して、貴社のビジネスにあった適切なサービスを選ぶのが良いでしょう。

海外に進出したい中小企業の課題

ここまでは、海外進出の失敗の要因や成功のカギをまとめました。

ところで、中小企業が海外に進出するときには、どんな課題が考えられるでしょうか?

よくある課題には、次の3つが挙げられます。

  • 人材の確保・育成
  • 経営資源の確保
  • 現地ネットワークの形成

海外に進出する際の課題を把握して、対策につなげましょう。

人材の確保・育成

人材の確保と育成は、海外進出の大きな課題のひとつです。

中小企業白書によると、海外展開がうまくいった企業とそうでない企業の両方が人材の確保を課題としています。

  • 現地で働くスタッフ
  • 現地でビジネスを主導するグローバル人材
  • 現地の事情にくわしいアドバイザー

を確保し、さらにそれらの人材を育成するのは大変なことです。

社内に適切な人材がいない場合には、アドバイザーの確保を優先して、現地の情報を得られるようにしましょう。

経営資源の確保

人材を採用したり、マーケティングの施策を実行したりと、ビジネスを新たに展開するためには、多くのコストがかかります。

中小企業が海外に進出する場合は、経営資源をうまく確保できず、資金繰りが悪化して経営が傾くケースも少なくありません。

資金が潤沢な大企業と違い、持続的に経営資源を用意する戦略が海外進出には必要です。

現地のネットワーク形成

海外進出を成功させるためには、現地のビジネスパートナーの獲得や、現地ネットワークの形成が必要です。

しかし、現地でいきなりネットワークを形成するのは簡単なことではありません。

まずは国内で、海外展開にくわしい企業や組織とのネットワークを築きましょう。

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海外進出の課題の解決策

先ほど、海外に進出するときの課題を3つご紹介しました。

人材の採用と育成、経営資源の確保、現地ネットワークの形成という課題に対して、有効な解決策は以下の2つです。

  • 専門家や信頼できる企業の協力を得る
  • フィージビリティスタディの実施

専門家や信頼できる企業の協力を得る

多少のコストはかかるかもしれませんが、海外展開の支援を行っている企業や専門家の協力を得るのは特にオススメです。

誰にも頼らずに海外に展開することも可能ですが、戦略やニーズを見誤るリスクがあります。

現地の人材を管理したり、トラブルを対処したり、現地パートナーと交渉するときに相談できる存在がいれば、これほど心強いことはありません。

支援を受ける際には、

「国内と海外の両方で信頼できるネットワークを紹介してもらえるか?」

も事前に確認しておきましょう。

フィージビリティ・スタディの実施

フィージビリティ・スタディ(Feasibility Study、F/S)とは、新事業やプロジェクトの実行可能性や採算性を調査・検討することです。

海外へ展開した企業のうち、ポジティブな結果を得られた企業もそうでない企業も、

「事前にプロジェクトの実現性・採算性の検討をした」

と、日本政策金融公庫の調査に答えています。

参考:日本政策金融公庫『中小企業による海外撤退の実態 −戦略的撤退と撤退経験の活用−』(PDF)

フィージビリティ・スタディをすることで、経営資源やプロジェクトの課題を整理でき、準備に役立つでしょう。

進め方がわからない場合には、専門家のサポートを受けることをオススメします。

海外に進出する前にやっておくべきこと

ここからは、海外に進出する前にやっておくべきことをお伝えします。

今までご紹介した内容と重複する部分もありますが、大切なことなので、再度確認をしておきましょう。

事前調査の徹底

フィージビリティ・スタディを含めた事前調査は、徹底しておきたいところです。

事前の調査が不足していると、海外に進出するメリットや自社の強みを活かせなくなってしまいます。

調査の項目は

  • 市場規模
  • 商流や商習慣などの業界構造
  • 競合環境
  • 規制・税制
  • 現地の消費者との親和性

などです。

「新事業やプロジェクトにニーズはあるか?」

「拠点とする国の法律などの環境面、ローカルのビジネスルールは適しているか?」

など、考えられる限りの不安や疑問を、徹底的につぶしておきましょう。

販売先・提携先の確保

海外から撤退する企業の多くが、販売先と提携先の確保や、関係の維持に苦戦しています。

事前調査を徹底した上で、海外で事業をはじめる前に販売先と提携先を確保できると、海外展開がよりスムーズに進みます。

販売先を確保するポイントは、やはりミニマムでスタートすることです。

ミニマムで事業をはじめれば、海外の市場の反応をテストできます。

サービスのテストや、検証と修正をくり返していくうちに市場に受け入れられ、販売先を徐々に獲得できるようになります。

万が一の撤退ラインを設定

海外に進出する前に、万が一の撤退ラインを決めておきましょう。

撤退ラインを決めておかないと、いざというときの判断が遅れ、損失の拡大につながります。

撤退ラインは、具体的な数字で設定することがポイントです。

数字があれば、大事な経営判断を、感情やバイアスに影響されずに判断できるからです。

人間には、ここまま投資を進めても損失が増えるとわかっていても、これまでに投資した分を惜しみ、ついつい投資を継続してしまう心理的傾向(※)があるといわれます。

そういった意思決定の質を下げてしまうバイアスを避けるためにも、事前に撤退ラインは設定しておきましょう。

※コンコルド効果(サンクコストバイアス)

海外へ進出した企業の事例

実際に海外進出に成功した企業には、どんな特徴があるのでしょう?

ここからは、海外展開を成功させた国内企業の事例を2つご紹介します。

青木フルーツホールディングス株式会社

青木フルーツホールディングス株式会社は、タイに現地法人を設立し、日本の新鮮なフルーツをジュースなどにして提供している会社です。

日本の果物は世界でも良質なものと認知されているものの、価格が高く流通しにくいという課題がありました。

そこで青木フルーツホールディングスでは、

  • フルーツを瞬間冷凍する技術の向上
  • 海路を使った輸送

により、コストを下げることに成功。

現地の高所得者や富裕層をターゲットにし、売上も堅調で店舗の拡大を目指しています。

MDSグループ

MDSグループは、マーケティングのコンサルティングや店舗ビジネス、オンラインスクールなど多岐にわたる事業を展開している企業です。

海外ではシンガポール・香港・ドバイに進出しており、不動産業や現地法人の設立のサポートなどをしています。

成功のポイントは徹底したマーケティング戦略で、市場のニーズにフィットしたサービスを展開することで、多くの顧客を獲得しています。

中小企業こそ海外に進出すべき理由

海外進出には課題が多く、解決が容易でない場合もあります。

しかし、海外進出は無限の可能性を秘めており、リスクを取ってでも挑戦する価値があるのも事実です。

このパートでは、中小企業こそ海外に進出すべき理由を2つご紹介します。

日本経済の衰退

世界の人口ランキングで、日本は11位と上位ですが、日本の人口は2008年以降、確実に減少しています。

少子高齢化は非常に深刻です。厚生労働省の人口動態統計によれば、令和3年に生まれた子どもの数(出生数)は過去最少の約81万人で、想定より早く少子化が進むと推測されています。

参考:厚生労働省『人口動態統計

こうした背景からも経済の衰退は明らかで、海外のエコノミストからも多数、日本の成長に対するネガティブな意見が寄せられています。

人口の減少とともにビジネスの規模も縮小し、企業が生存するための競争も、より激化するでしょう。

経済が衰退していく中、国や企業は投資に消極的なため、イノベーションも限定的になっています。

  1. 人口が減る
  2. ビジネスの規模が縮小する
  3. 企業が儲からないから投資をしなくなる
  4. 投資をしないからさらにビジネスが衰退していく

という負の循環に陥っているのが今の日本の現状なのです。

海外は国内よりビジネスチャンスが多い

では、世界の市場はどうかといえば、世界の人口は増え続け、市場もどんどん拡大しているのです。

成熟しきった先進国に代わり、かつて発展途上だった国々が、人口の増加とともに急速な経済発展をとげています。

まだ発展途上の国も多く、需要も増え続けると考えられるため、リスクもありますがビジネスチャンスは海外の方が多いのです。

中小企業が海外に進出する際のポイントまとめ

海外の大きな市場には、非常に多くのビジネスチャンスが眠っています。

しかし、徹底した事前調査やマーケティング戦略を怠ると、販路の確保は難しいでしょう。

海外に進出する中小企業の中には、さまざま問題を抱え、苦戦を強いられる企業も少なくありません。

準備を徹底し、海外でのビジネスを成功させるためにも、構想の段階から海外のビジネスを支援してくれる、信頼できるパートナーに相談することをオススメします。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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