業務系システムとは?導入のメリットや種類、開発の流れを解説!

2022.10.13
ラボ型・オフショア開発
安藤 大海
業務系システムとは?導入のメリットや種類、開発の流れを解説!
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こんにちは。Wakka.IncのWebディレクターの安藤です。
本記事では、業務系システムに関する情報を網羅的にまとめています。

  • 業務系システムとは何?どのような種類があるのか?
  • 業務システム、基幹システム、情報系システム、ERPの違いとは?
  • 実際に業務系システムを導入したいが、流れや注意点などがわからない

といった疑問を解決できる内容を掲載しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

業務系システムの構築ならWakka Inc.。
業務分析を得意としたエンジニアが多数在籍しており、デジタル化を推進するお客さまのスピーディな業務フロー立案でサポート可能です。まずはお気軽にご相談ください。

目次

業務系システムとは?

本章では、業務系システムの特徴、開発に使用されるプログラミング言語、開発にかかる費用の情報について解説します。

業務系システムの概要

業務系システムとは、

  • 生産管理
  • 販売管理
  • 在庫管理
  • 勤怠管理

といった、企業内で必要な業務の一部を効率化・自動化するためのシステムのことです。業務の品質向上や、人材費の削減、事業の効率化を目的として、様々な企業で導入が進められています。
業務系システムには、

  • 開発会社がすでにパッケージとして販売しているパッケージ型
  • パッケージソフトにカスタマイズを加えて改変させたパッケージ&カスタマイズ型
  • 自社の業務に合わせて初めから開発を行うフルスクラッチ型
  • サブスクリプション契約でサービスを利用する形式のクラウド・SaaS型

があります。それぞれのタイプにはメリット・デメリットがあり、予算もまったく異なります。
業務系システム導入の際には、「どのタイプのシステムを導入するのが最適か?」をよく検討することが必要です。

業務系システムで使用するプログラミング言語

業務系システムの開発でもっとも使用されるプログラミング言語はJavaです。
オブジェクト指向言語なので大規模開発に向いており、プラットフォームを問わず使用できるため、ITの開発現場では汎用性が高いことで有名です。
Twitter(SNS)やEvernote(オンラインノートアプリ)などのアプリケーションはJavaで設計されています。

次によく使用される言語にC++(シープラスプラス)があります。
C言語をベースとしているため動作が高速で、オブジェクト指向言語としての特長も持つため、プログラミング言語としては非常に扱いやすい部類です。
Google Chrome(Webブラウザ)やUnreal Engine(ゲーム開発エンジン)がC++で設計されました。

ほかにもこれまで使用されてきた言語としてC言語・COBOL・C#などがあり、近年ではPython(パイソン)が人気を集めています。
これらに加えて、業務系システムのようなデータベースを扱うシステムの開発に用いられる言語がSQLです。加えてサーバー上で動作するシステムを開発するにはPHPも理解する必要があります。

業務系システムの費用相場

業務系システムを1から開発するフルスクラッチ型の導入を検討する場合、予算は200万円~1,000万円ほどが一般的です。グループウェアや総務関連のシステムなど、単純なものであれば200万円~500万円で開発できる場合もあります。

しかし、

  • 画像処理
  • 物流管理
  • 生産管理

などの複雑な処理が伴うシステムの開発には、1,000万円以上のコストがかかることも珍しくありません。パッケージ型やパッケージ&カスタイマイズ型は、数十万円で導入できる場合が多いです。ただし、パッケージ型の場合、社員数に応じて費用が高額になる恐れがあります。
またパッケージ&カスタマイズ型の場合には、高額なカスタマイズ費用がかかる可能性があります。
もっとも安価なのは、クラウド・SaaS型の業務系システムです。
パッケージ型だと数万円するようなシステムでも、サブスクリプションであれば月額数百円~数千円ほどで利用できる場合が多いです。しかしその分、

  • カスタマイズ性に欠ける
  • オンライン環境でないと業務が進まない

といったデメリットがある点には注意しましょう。

 業務系システムを導入するメリット3つ

業務系システムには、どんなメリットがあるでしょうか?ここからは、業務系システムの導入で期待できる、3つのメリットをご紹介します。

管理データの品質を保証できる

どのような事業を進めていくにしても、データの管理は必須の業務です。
データを手作業や紙ペースで取り扱ったり、複数のアプリケーションを用いたりと、ややこしく管理していてはデータの品質を保てなくなる恐れがあります。そこに業務系システムを導入することによって、

  • データの管理元を統一することで、データの共有および管轄が容易になる
  • データクレンジング※を一斉に行える
  • 紙ベースとは違って、定期的なデータの更新が可能
  • 手作業で生まれる人為的ミスを防げる
  • 複数のアプリケーションで管理することによるデータ消失を防げる

といった数々のメリットを生み出せるようになります。とくにクライアントのデータを取り扱う際には、絶対的な品質保証が必要となるため、これらのメリットが大いに活躍します。

※データクレンジング……破損したデータ、不正確なデータ、無関係のデータを特定して、適切な状態に編集・補正する処理方法。データクリーニング(データスクラビング)

業務の効率化・確実性の向上

業務系システムを利用しない場合、

  • 業務に必要な計算を手作業で行う
  • データをいちいち手入力でエクセルに打ち込む
  • 情報を保管するために、データ類を紙にプリントアウトする必要がある

といった風に、普段の業務でも多くの手間が取られます。
Microsoft Officeなどのマクロ機能によって、ある程度の部分までは自動化できますが、それでも複数のアプリケーションを横断したり、人為的なミスは起こったりと、なかなか効率化には繋がりにくいです。かえって業務が煩雑になってしまい、社員のストレスになる可能性もあります。
そこで業務系システムを導入して、

  • 正確でスピーディーなデータの処理を行う
  • データをクラウド上で管理し、いちいち紙で印刷する必要がない

といった恩恵を受けられるのは、非常に大きなメリットと言えるでしょう。とくに業務系システムをフルスクラッチで開発する際には、

「どういった課題を解消したいか?」
「もっとも必要なシステムは何か?」
といったニーズをもとにシステムを構築できるため、自社に最適な業務系システムの導入が可能です。

システム障害時の影響範囲が限定される

データを管理するシステムとして、経営に直結するようなデータを管理する基幹システムというものがあります。
基幹システムと業務系システムとでは、システム障害時の影響がまったく異なります。
基幹システムの場合、システムに障害が発生してメンテナンスが必要となった場合、基本的に会社の業務をすべて停止しなければなりません。
なぜなら、すべての業務の根幹にある重要なデータが、基幹システムで管理されているからです。業務系システムを導入していない状態で基幹システムに不具合が生じてしまった場合には、

  • 顧客向けサービスの利用停止
  • 窓口業務の遅滞
  • 社内の業務の混乱

など、会社の信頼を失い、経営が傾くような事態にもなりかねません。
一方、業務系システムを導入している場合、不具合発生時やメンテナンス時のシステム停止による影響範囲が、当該の業務の顧客・社員に限定されます。業務Aにおける業務系システムが停止しても、別の業務Bは平常通り運用できるのです。
このように、システム障害時のリスク対策としても、業務系システムの導入は効果的なのです。

オフィススペースが節約できる

業務系システムによってサーバーにデータを自動的に保管できるため、

  • 紙媒体で保存していたデータを管理するためのスペース
  • データ管理を行うための社員用スペース

を削減できます。さらにクラウド上にデータをアップロードして保管するシステムであれば、データ管理を行うサーバの設置すらも必要がなく、すっきりとしたオフィスを実現できるのです。
近年のベンチャー企業ではこの形態が主流で、オフィスを持たない企業なども多数存在しています。

 業務系システムと基幹システム、情報系システム、ERPの違い

この章では、業務系システムと混同しがちな

  • 基幹システム
  • 情報系システム
  • ERP

の特徴を解説していきます。

基幹システム

基幹システムとは、経営に直結する財務情報と密接に関連する、企業の重要な情報を管理するシステムのことです。たとえば製造業の基幹システムの場合、

  • 生産管理
  • 販売管理
  • 在庫管理
  • 顧客管理

といった内容を扱います。また基幹システムがその企業の主要な業務に直結するシステムであるのに対して、主要業務とは直接関係のないような業務を管理するシステムのことを周辺システムと呼びます。
たとえばBIツール※やCRM※、名刺管理ツール、業務連絡Botなどは、本来の業務と直接的な関わりがないため、周辺システムに分類されます。
基幹システムと周辺システムを組み合わせることで、共通のデータを参照しながら効率的な業務推進を図るのが一般的です。
さて、基幹システムと業務系システムにはどのような違いがあるでしょうか?

  • 基幹システム:複数の業務を担う同一のシステム
  • 業務システム:該当業務のみに対応する個別のシステム

という違いがあります。製造業の例で考えてみましょう。
基幹システムの対応する業務は

  • 生産管理
  • 販売管理
  • 在庫管理

など複数ですが、業務系システムの場合、生産管理システムがあったり、販売管理システムがあったりと、あくまで単一の業務にのみ対応しているのです。
基幹システムで本当に重要な業務だけを管理し、基本的には業務系システムを複数導入して、バラバラに業務管理を行うのが最近のトレンドとなっています。

※BIツール・・・企業が持つ様々なデータを分析・可視化して、経営や業務に役立てるソフトウェア。BIはビジネスインテリジェンスの略

※CRM・・・顧客情報の管理システム。顧客の氏名・年齢・性別、購入履歴や、メール配信、アンケート実施などを一元管理できる。Customer Relationship Managementの略

情報系システム

情報系システムとは、メールやSNS、グループチャットアプリなど、社内外でのコミュニケーションや事務処理の効率化に使われるシステムのことです。具体的には

  • メールシステム
  • スケジュール管理ツール
  • 社内SNS
  • グループウェア
  • Web会議システム
  • チャットツール
  • オンラインストレージ

などが身近な例です。近年ではテレワークが主流の企業も多く、情報系システムの果たす役割は大きくなりつつあります。
これを踏まえると、情報系システムと業務系システムはまったく異なっていることがわかります。
業務の根本的な部分に関わるシステムとして業務系システムがあり、それに従事する社員が円滑にコミュニケーションを行うためのシステムとして情報系システムがあるのです。
したがって、もし情報系システムが止まってしまった場合でも、企業に致命的なダメージを与えるほどの大きな被害が出ることはないでしょう。

ERP

ERP(Enterprise Resources Planning)は、基幹システムと非常によく似た概念で、企業経営の重要な業務に関わるシステムのことを指しています。
元々は、企業の資源を有効活用するための計画や考え方を指していましたが、現在では基幹系情報システムを同義で使われます。
基幹システムは、いくつかの部分に分かれているのが一般的です。例えば、

  • 売上管理・販売管理を担う基幹システム
  • 生産管理・物流管理を担う基幹システム

が別々に運用されているといったイメージです。一方、ERPでは、これらがすべて統合データベースで一元管理されています。

  • 売上管理
  • 販売管理
  • 生産管理
  • 物流管理

など、重要な業務をすべて管理するERPが、ただ1つ存在するということです。
しかし近年では、両者の厳密な使い分けが行われないことも多く、ほとんど同じものと考えて差し支えないでしょう。

業務系システムの代表的な5つの種類

本章では、業務系システムの中でも主要な5種類のシステムについて紹介し、それぞれ解説していきます。

会計管理システム

会計管理システムとは、企業の会計業務を担うシステムのことです。売り上げや販売数などの仕訳データを入力することで、

  • 売上伝票
  • 仕入伝票
  • 入金伝票

といった帳票類をアウトプットしてくれます。従来の管理会計では、経営層に報告するために、毎月実績の入力を各部署に依頼して、その数字をもとにして資料を作成する、といった業務を人為的に行う必要がありました。
会計管理システムを導入することで、これらの業務が完全に自動化され、企画や分析、評価といった業績向上のためのメイン業務に注力できるようになるのです。
税制改正や金融政策などの変更があった際にも、システムに設定している数値の変更を容易に行えるため、データの品質も保証されます。会計管理システムの導入によって、顧客が増えたとしても、会計の部分は完全に自動的に行われるため、負担が増すことはありません。

販売管理システム

販売管理システムとは、

  • どのような商品・サービスを販売したのか?
  • どの顧客にいつどれだけいくらで販売したのか?
  • 決済はいつ何で行われたのか?

など、販売に関する一連の業務を管理するシステムのことです。
コンビニやスーパーなどの小売業では、販売管理システムとPOSレジを連動させる動きがみられ、店頭のレジのアップデートや無人化などが行われています。販売管理システムを導入することによって、

  • データ入力の回数が減るため、人為的なミスを削減できる
  • 将来の売り上げ予測を自動的に立ててくれるため、経営の見通しがよくなる
  • 顧客からの問い合わせに対して、リアルタイムの状況をスムーズに伝えられる

といったメリットがあるのです。販売管理システムには、業界特化型汎用型の2つのタイプがあります。
業界特化型では、ある業種・業界に特化した販売管理業務用のシステムが構築されており、運用が比較的簡単に行えるといったメリットがあります。
汎用型では、特有の業務をもっていない場合や、自社にあう機能をカスタマイズしたい場合を想定して、さまざまな業種に対応できるようなシステムが構築されています。
導入までが大変ですが、その分フレキシブルな運用が可能です。

生産管理システム

生産管理システムとは、主に製造業において、

  • 計画
  • 生産
  • 販売
  • 在庫
  • 利益計算
  • 品質

などを統合的に管理するシステムのことです。従来の手作業メインで行う生産管理は、非常に負担が大きいものでした。
なぜならMRP(資材所要量計画)や原価計算といった業務は内容が複雑で作業量が多いので、

「ミスが頻繁に発生する」
「ノウハウがベテラン社員に依存してしまう」
といった問題点がありました。
生産管理システムを導入することによって、

  • 各生産工程における業務の可視化・効率化
  • 生産業務に携わる社員への情報共有
  • 納期や品質などに問題が発生しそうな場合の早期発見
  • 自動化による人為的ミスの削減

といったメリットが得られるようになり、計画から利益計算までの一連のフローを最適化できるようになります。

生産管理システムと機械学習を組み合わせることで、「設定した売り上げ目標を達成するためには、どういったプランで生産を進めていけばいいか?」業務の最適化を実現していくのが、最近のトレンドとなっています。
また、人為的ミスが減ることによって、顧客との信頼関係を構築できるのもポイントです。

人事管理システム

人事管理システムとは、人事業務に必要なデータを集約して一元管理するシステムのことです。
氏名、入社年、年齢といった基本情報から、

  • 配属先
  • 給与
  • 業績

などの詳細な情報まで幅広く管理できます。

  • 出退勤・有給取得状況などの勤怠管理
  • 給与計算
  • 年末調整
  • 福利厚生や社会保険の手続き・管理

など、従業員に関するさまざまな情報を管理する手間が、人事部の業務には含まれています。これらをすべて自動化することで、ミスなくかつ効率的に人事管理が行えます。
また近年では、人事・組織にまつわる基礎データや従業員に対する評価データなどを機械学習と組み合わせることで、配置転換や組織改編のシミュレーションなども可能です。

「組織にどのような人材が所属しているか?」は業績に大きく影響します。
様々なパターンで最適解を目指せる人事管理システムは、競争が激化している近年のマーケットにおいては不可欠となっています。
近年は「業務内容が自分のやりたい仕事と違った」といった理由で転職や離職をする従業員も多いため、配属ミスの問題を防ぐためにも、人事管理システムは有用です。

営業管理システム

営業管理システムとは、SFA(営業支援システム)と呼ばれることも多く、商談前から受注までの見込客とのやり取りや、見込み客の基本情報などを管理できるシステムのことです。受注や売上だけでなく、

  • 営業プロセス
  • 案件の進捗
  • 商談の内容

などを可視化して管理することで、営業活動における業務の効率化が期待できます。また最近では、案件ごとの

  • 社内の営業担当者
  • 提案内容
  • 提案商材
  • 提案の金額

などの詳細な情報を管理でき、日報作成機能を有するシステムも登場しています。
従来は、エクセルにデータを打ち込んで、実際の営業成績と目標とのギャップを可視化する作業も営業社員の業務に含まれていました。
しかし営業管理システムを導入してこれらを自動化することで、営業社員が本来の業務である新たな営業活動、データの分析・評価に注力できるようになったのです。

 業務系システム開発の流れ

この章では、実際に業務系システムを開発する流れを解説します。

要件定義

システムの開発を行うにあたって、まずは自社の課題や要望を伝えることから始める必要があります。

  • 〇〇という課題を解決するために、△△に特化した業務系システムを開発してほしい
  • 業務系システムに□□の機能を追加してほしい
  • 予算は〇〇万円くらいで考えているが、超過している場合にはどうすればいいか教えてほしい

などのニーズを詳しく伝えます。
後々のトラブルを避けるためにも、これらはできるだけ明確に定義しておくことが重要です。課題や要望を洗い出し、

  • どんなシステムを構築するのか
  • 必要な機能は何か
  • 予算はどれくらいか

といった要件定義書を作成します。要件定義に問題がなければ、設計の工程に移る流れになります。

設計

要件定義書に基づいて、システムの具体的な構成や実装する機能、データの処理方法などを検討して、システム構築の計画を立てます。

具体的な内容としては、

  • 管理するデータの構造設計、業務との連携
  • UI(ユーザーインターフェース)
  • セキュリティ対策
  • 求められる処理を行う場所や方法

など、システム全体を網羅的に設計していきます。担当者とエンジニアで相談しながら決定していく内容を、設計書もしくは仕様書に落とし込んでいきます。

開発・デバッグ

作成した設計書・要件定義書に基づいて、実際にコーディングをしていく行程に入っていきます。
主にプログラマーと呼ばれる人たちが業務を担当し、開発が終わった後は問題が発生しないかどうかデバッグ(バグ修正)をする流れになります。
デバッグで問題点が見つかったら再び開発に戻り、修正や追加・削除を行う、というフローが一般的です。開発とデバッグを繰り返して、設計書通りに動作するプログラムが完成したら納品となります。

運用保守

業務系システムでは、システムを一度作って終わりということはなく、その後もシステムの改良を加え続けていくのが一般的です。例えば、

「〇〇の機能を新たに追加してほしい」
「△△がうまく動作しない」
といった要望やバグが見つかった場合には、開発担当者に連絡して迅速に対応してもらう必要があります。
こうした運用保守を行わないと、時代遅れなシステムになってしまったり、大きなトラブルに発展したりするリスクが高まります。

業務系システム導入の注意点

業務系システムの導入には、数十万~数千万まで幅広い予算がかかるため、本当に必要な業務に絞って、最小限のシステムを導入するのが望ましいです。
また、自社のニーズと合致していないような業務系システムを導入してしまい、期待された効果を発揮できないケースもあります。この章では、満足のいく業務系システムを手に入れるために、導入時の注意点を解説します。

業務フローチャートを作成し、可視化を行う

意外と忘れがちなステップとして、「導入を検討する業務のフローを、フローチャートなどの図を用いて可視化する」ことがあります。
一般的に、1つの業務は複数のステップで成り立っており、人の手で行うのが適しているフローもあれば、システム導入によって自動化するのが最適なフローも存在します。
そのため、一度業務の大まかな流れを図に描き起こし、「業務系システムを導入したい(優先順位が高い)フローはどれなのか?」を発見するのが効果的です。

業務系システムの導入目的を明確にする

そもそも業務系システムを導入するための目的は、「自社に起きている問題および課題を解決するため」です。
したがって、業務フローチャートで作成した図を活用したり、ベンダーと話し合いをしたりすることで、現段階の課題を洗い出してニーズを明確にすることが求められます。

「ルーチンワークが煩雑でいつも時間がかかってしまうので、RPA※を導入して自動化を行い、業務の効率化を目指したい」
「〇〇の商品はリピート率が低く伸び悩んでいるから、CRMを導入して改善を図りたい」
といった風に、できるだけ具体的な課題・解決策を発見できればベストです。導入目的の明確化を慎重に行わないと、「期待していた業務系システムとは違った」といった事態になりかねません。
時間をかけてニーズを明確に洗い出すようにしましょう。

※RPA・・・AIや機会学習を活用して、これまで人間にしかできなかった高度な作業や業務を代替する取り組み。ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)

システム導入後の業務内容の変化を考えておく

業務系システムの導入を行うことで、
「実際に社員の業務のどの部分が自動化されるのか?」
「自動化によって業務内容はどう変化するのか?」
といった導入後の変化について考えておくことも重要です。一般的に業務系システムを導入すると業務が効率化されるため、従業員には時間的な余裕が生まれます。
その時間で営業・データ分析および評価・経営戦略など、より自社をよくしていくための業務を行えるようになるのです。
また、業務系システムを導入することで新たな業務が生まれ、仕事内容が一変することもあります。

  • 業務系システムを導入することで、△△と□□の業務が自動化されるから、従業員たちは月〇〇時間浮く計算になる。
    その分、現状のデータ分析と評価を行ってもらい、自社の改善に努めてもらおう。
  • 業務系システムの導入によって現状の業務の手順が大きく変化するだろう。
    新たなマニュアルを作って、従業員に研修を行おう。

といった風に、システム導入後の具体的なプランを、できるだけ明確にしておきましょう。

従業員と綿密なコミュニケーションを行う

これまでのすべての注意点において欠かせないのが、「従業員と綿密にコミュニケーションを行う」ということです。
とくにシステムを1から開発するフルスクラッチ型の業務系システムを導入する場合、「現場の社員とどれだけ密にコミュニケーションを行えたか?」で導入の成否が決定されるといっても過言ではありません。
結局、導入した業務系システムを使って仕事を行うのは、その業務に携わる従業員たちです。経営者や管理者の理想だけでシステムを開発してしまうと、

「もっとこうしてほしかった」
「想像していたシステムと違った」
といった不満の声が、現場から挙がるかもしれません。
きちんと従業員たちと話し合って、

  • ここの部分は毎日行う業務内容だから、自動化を行ってほしい
  • 売上データはいつでも簡単に参照できるよう、UIを設定してほしい

などといった具体的なニーズを聞き、また開発段階で従業員からフィードバッグをもらうことで、理想的なシステムを導入できるのです。

理想的な業務系システムを導入しよう

本記事では、業務系システムに関する知識や、導入のメリット・注意点などについて解説してきました。業務の効率化やコスト削減を実現する、理想的なシステムを導入するために、ぜひご参考になさってください。

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この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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