ビジネスモデルキャンバスとは何か?書き方から使用例まで徹底解説

最終更新日:2025.06.03
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Wakka Inc. メディア編集部
ビジネスモデルキャンバスとは何か?書き方から使用例まで徹底解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

「新規事業のアイデアはあるけれど、本当に実現可能なのか不安」とお悩みではありませんか。
そのようなときに力を発揮してくれるビジネスモデルキャンバスは、事業の全体像を可視化し、成功への道筋を示すツールです。

本記事ではビジネスモデルキャンバスの基本から、具体的な書き方まで初心者にも分かりやすく解説します。
さらに、使用例からメリット・デメリットまで紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

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ビジネスモデルキャンバスとは何か

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの全体像を一枚のシートで可視化するために行うフレームワークです。
アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュールによって開発され、2010年に書籍ビジネスモデル・ジェネレーションで紹介されました。

ビジネスモデルを9つの要素に分解し、各要素間の関係性を明確にすることで、事業全体を把握しやすくなります。
既存事業の分析や改善、新規事業の立案など、さまざまな場面で活用できる汎用性が特徴です。

ビジネスモデルキャンバスは、以下9つの構成要素で成り立っています。

要素内容
顧客セグメント(CS:Customer Segments)誰をターゲット顧客とするか
価値提案(VP:Value Propositions)顧客にどのような価値を提供するか
チャネル(CH:Channels)どのように顧客に価値を届けるか
顧客との関係(CR:Customer Relationships)顧客とどのような関係を築くか
収益の流れ(RS:Revenue Streams)どのように収益を得るか
主要なリソース(KR:Key Resources)価値提供に必要な資源は何か
主要な活動(KA:Key Activities)価値提供に必要な活動は何か
キーパートナー(KP:Key Partners)誰と協力して価値を提供するか
コスト構造(CS:Cost Structures)ビジネスに必要なコストは何か

構成要素を一枚のキャンバスに整理することで、ビジネスモデル全体を視覚的に把握し、各要素間のつながりを明確にします。
ビジネスモデルキャンバスの中心には価値提案があり、左右に自社側と顧客側の要素が配置されています。

以下のように、要素の隣り合った配置によって関係性を一目で理解できるような構成です。

(図説)Wakka Inc.メディア編集部

ビジネスモデルキャンバスは、新規事業のアイデアを具体化するだけでなく、既存事業の課題発見や改善にも役立ちます。
例えば収益の流れがうまくいっていない場合、ビジネスモデルキャンバス全体を見直すことで、ボトルネックとなっている要素を特定し改善策を検討できます。

ビジネスモデルキャンバスを作成する上で特に重要なのは、顧客セグメントと価値提案です。
誰に(顧客セグメント)、どのような価値を提供しているか(価値提案)を明確にすることが、ビジネスモデルを成功させるための第一歩です。

ビジネスモデルキャンバスとよく比較されるツールに、リーンキャンバスがあります。
両者の違いは以下の通りです。

項目ビジネスモデルキャンバスリーンキャンバス
目的既存ビジネスの分析・改善、新規ビジネスのアイデア創出スタートアップのビジネスモデルの仮説検証
重視する点顧客との関係性、価値提案課題、解決策
構成要素顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、主要なリソース、主要な活動、キーパートナー、コスト構造課題、顧客セグメント、独自の価値、解決策、チャネル、収益の流れ、コスト構造、主要指標、圧倒的な優位性

リーンキャンバスは、スタートアップがビジネスの仮説を検証し、改善を繰り返すのに適しています。
どちらのフレームワークを選ぶかは、ビジネスの状況や目的に応じて採用しましょう。

いずれにせよ、ビジネスモデルキャンバスはビジネス全体を把握し、関係者間の共通認識を深めるために有用だと言えます。

ビジネスモデルキャンバスを使うメリット

本章では、ビジネスモデルキャンバスを使う主なメリットを3つご紹介します。

ビジネスの全体像が明確になる

ビジネスモデルキャンバスのもっとも大きなメリットは、ビジネスの全体像が一目で把握できるようになることです。
通常、事業計画は複数の書類に分かれていることが多く、全体像を把握するのが難しい場合があります。

しかし、ビジネスモデルキャンバスは9つの要素を一枚のシートにまとめることで、ビジネス全体が俯瞰的に捉えられます。
こうしたことから、ビジネスの各要素間の関係性や、ボトルネックとなっている部分を容易に発見できるようになるのです。

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの強みや弱みを客観的に評価し、改善点を見つけ出せることが大きな利点と言えます。

競合他社の分析に活用できる

ビジネスモデルキャンバスは、自社のビジネスモデルを明確にするだけでなく、競合他社の分析にも役立ちます。
競合他社のビジネスモデルをビジネスモデルキャンバスに落とし込むことで、他社の強みや弱み、戦略を可視化できます。

また、自社のビジネスモデルとの比較が容易になるので、競争優位性を図る戦略の立案にも有効です。
競合他社の顧客セグメント・価値提案・チャネルなどの分析によって、自社がまだ開拓できていない市場や改善すべき点を発見できます。

さらに、競合他社のコスト構造や収益の流れを分析することで、値段設定や収益モデルを改善することにもつながります。

チームの連携が強化される

ビジネスモデルキャンバスは、チームメンバー間の共通認識の向上や、連携を強化する上でも有効です。
ビジネスモデルキャンバスの共有によって、チームメンバー全員がビジネス全体を理解し、それぞれの役割や責任を明確にできます。

こうしたことにより、チーム全体の目標達成に向けた意識が高まり、より効果的な連携が実現します。
例えば新しいプロジェクトを始める際に、ビジネスモデルキャンバスをチームで共有し議論することで、プロジェクトの目的や戦略といった共通認識が持てます。

また、定期的にビジネスモデルキャンバスを見直し、改善点について議論することでチーム全体の学習能力が高められるのです。

ビジネスモデルキャンバスのデメリット

こちらの章では、 ビジネスモデルキャンバスのデメリットについて解説します。
ビジネスモデルキャンバスをより効果的に活用するためにも、 以下2点のデメリットをしっかりと把握しておきましょう。

時系列や詳細な分析が困難

ビジネスモデルキャンバスは事業の全体像を一枚の絵で捉えられる一方で、そのシンプルさがゆえに、時系列的な変化や詳細な分析には不向きな側面があります。

例えば、ビジネスの成長過程における戦略の変化や、市場変化に対する対応などをキャンバス上で表現することは困難です。
また、各要素間の因果関係や、数値データに基づいた詳細な分析を行うことも容易ではありません。

ビジネスモデルキャンバスは、あくまで現状のスナップショットを把握するものとして捉えましょう。
より詳細な分析には、別のフレームワークやツールを組み合わせることがおすすめです。

デメリット詳細対策
時系列分析の困難さビジネスの成長過程や変化を表現しにくい複数のキャンバスを作成し、変化を比較する
詳細な分析の困難さ要素間の因果関係や数値データに基づいた分析が難しいSWOT分析やPEST分析など、他のフレームワークと組み合わせる

競合他社との差別化がしづらい

ビジネスモデルキャンバスは、自社のビジネスモデルを可視化する上で有効ですが、競合他社との差別化を図る上では限界があります。
なぜなら、ビジネスモデルキャンバスは普遍的なフレームワークのため、競合他社も同様のキャンバスを使用している可能性があるからです。

ビジネスモデルキャンバスは、構成された9つの各要素を埋めていくシンプルなフレームワークです。
そのため、キャンバスを作成しただけでは、自社のビジネスモデルが競合他社とどのように違うのかが分かりません。
また、どのような優位性を持っているのかも明確にはできないのです。

差別化戦略を検討する際にはキャンバスに加えて、より詳細な競合分析やポジショニング戦略が必要です。

デメリット詳細対策
差別化の困難さキャンバス自体は普遍的なフレームワークなので、競合との差別化を明確にしにくい競合分析を行い、自社の強み・弱みを明確にする
ポジショニング戦略の必要性キャンバスに加えて、独自の価値提案やターゲット顧客を明確にする必要があるバリュープロポジションキャンバスやペルソナ設定を活用する

ビジネスモデルキャンバスの書き方ステップバイステップガイド

ビジネスモデルキャンバスは9つの要素で構成されており、それぞれの要素を順番に埋めていくことで、ビジネスモデル全体を可視化できます。

以下では、ステップごとに具体的な書き方を解説します。

ステップ1:顧客セグメントを明確にする

まずは価値を提供する対象、すなわち顧客セグメントを明確にしましょう。
顧客セグメントを検討する際は、以下の視点で考えを整理していきます。

  • 誰のために価値を創造するのか
  • もっとも重要な顧客は誰か

顧客セグメントは、ビジネスの成功を左右する重要な要素です。
ターゲットとする顧客層を明確にすることで、ユーザーのニーズに合った価値提案やチャネル、顧客との関係性が構築できます。

顧客セグメントを特定する際には、年齢・性別・職業・収入・ライフスタイルなど、さまざまな要素を考慮しましょう。

例えば、LCC(格安航空会社)の場合、顧客セグメントは特定の区間を頻繁に移動するビジネストラベラーや一定の頻度で国内旅行を楽しむ家族層などが挙げられます。
また、可能な限り具体的に記入することが重要です。

ステップ2:価値提案を定義する

次に、顧客にどのような価値を提供するのか、といった価値提案を定義します。
価値提案を考える上で、以下のような項目を考えてみましょう。

  • 顧客にどのような価値を提供するか
  • 顧客の抱える問題をどのように解決するか
  • 顧客のニーズをどのように満たすか

価値提案は、顧客が製品やサービスを選ぶ理由となるものです。
競合他社との差別化を図り、顧客にとって魅力的な価値を提供する必要があります。

価値提案を定義する際には、製品やサービスの特徴だけでなく値段・品質・利便性・デザインなど、さまざまな要素を考慮しましょう。
また、価値提案の定義では曖昧さを避け、可能な限り具体的な数字を使った記載が効果的です。

LCC(格安航空会社)での使用例

  • 大手航空会社より50%安く移動できる
  • 遅延出発率〇〇%
  • 予約変更手数料無料

ステップ3:チャネルを特定する

価値をどのように顧客に届けるかといった意味合いのチャネルを特定します。
チャネルを考える上で、以下のような問いを検討しましょう。

  • どのようなチャネルを通じて顧客にリーチするか
  • 顧客はどのように製品やサービスを購入したいか
  • どのチャネルがもっとも効果的か

チャネルは、顧客との接点となるものであり、製品やサービスの認知度向上・販売促進・顧客満足度向上に大きく影響します。

チャネルを特定する際には、顧客の行動パターンや購買プロセスを理解し、最適なチャネルを選択する必要があります。
顧客セグメントで明確にしたペルソナを参照し、リーチが可能であるチャネルの設定が重要です。

LCC(格安航空会社)の使用例

  • 会社のWebサイト
  • コールセンター
  • スマートフォンアプリなど

ステップ4:顧客との関係性を構築する

顧客とどのような関係を築くか、つまり顧客との関係性を構築します。
顧客との関係性を考える上では、以下のような内容を考えてみてください。

  • 顧客とどのような関係を築きたいか
  • 顧客との関係をどのように維持するか
  • 顧客との関係をどのように強化するか

顧客との関係性は、顧客ロイヤルティ向上やリピート率向上、口コミ効果の向上につながります。

顧客との関係性を構築する際には、顧客のニーズを理解し、適切なコミュニケーションを図ることが重要です。
また、実際に実行できる内容を設定しましょう。

LCC(格安航空会社)の使用例

  • 会員制度への参加を誘導して情報発信を行う
  • ソーシャルメディアのグループを使ってコミュニティを構築する
  • メールでスペシャルディスカウントのオファーをする

ステップ5:収益の流れを設計する

収益をどのように得るのか、その流れを設計することが必要です。
収益の流れを検討する際は、次のように考えましょう。

  • 顧客は何に価値を感じ、どのような対価を支払うか
  • どのような収益モデルを採用するか
  • 収益源は何か

収益の流れは、ビジネスの持続可能性を左右する大切な要素です。

顧客が価値を感じる対価を明確にし、適切な収益モデルを選択する必要があります。
収益の流れを設計する際には、製品やサービスの値段設定・販売方法・支払い方法など、さまざまな要素を考慮しましょう。

自社が収益を得る可能性を、さまざまな角度から検討することがポイントです。

LCC(格安航空会社)の使用例

  • 航空券の販売による売上
  • 機内食・飲料・グッズなどの売上
  • 機内誌の広告掲載料の売上など

ステップ6:主要なリソースを洗い出す

ビジネスに必要な資源である主要なリソースを洗い出します。
主要なリソースを考える上で、以下の事項を参考に検討してみましょう。

  • 価値提案を実現するために必要な資源は何か
  • どのようなリソースを自社で保有する必要があるか
  • どのようなリソースを外部から調達する必要があるか

主要なリソースは、ビジネスの競争力を高めるために不可欠なものです。
自社で保有するリソースだけでなく、外部から調達するリソースも考慮する必要があります。

主要なリソースを洗い出す際には、ヒト・モノ・カネ・情報の4つの視点から検討しましょう。
他者が保有する特許やフランチャイズなど、自社の事業遂行に必要なリソースは漏れなく記入してください。

LCC(格安航空会社)の使用例

  • 航空機本体やパーツ整備に必要な機械類などの物的リソース
  • パイロット・キャビンアテンダント・グランドスタッフ・整備士などの人的資源
  • オフィスやコールセンターなどの施設費など

ステップ7:主要な活動を明確にする

ビジネスを成功させるために必要とされる主要な活動を明確にします。
主要な活動を考える上で、以下の項目を参考にしてみてください。

  • 価値提案を実現するために必要な活動は何か
  • どのような活動がビジネスの成功にもっとも貢献するか
  • どのような活動を効率化する必要があるか

主要な活動は、ビジネスの効率性や生産性を高めるために重要なものです。
自社にとってキーとなる活動を検討する必要があります。

主要な活動を明確にする際には、(どのような商品開発を行うか)・(どのような販売活動を行うか)・(どのような広告活動を行うか)といった視点で考えてみましょう。
どのような顧客に、どのような価値を提供するかが決まっていれば、優先すべきアクティビティも自ずと意思決定できるはずです。

LCC(格安航空会社)の使用例

  • 航空機による輸送業の遂行
  • 機内食や飲料の開発・販売
  • グッズなどの開発・インターネット販売など

ステップ8:キーパートナーを特定する

ビジネスを支援してくれる協力者は誰か、つまりキーパートナーを特定します。
キーパートナーをピックアップする上では、以下のような内容を考えてみましょう。

  • 誰がキーサプライヤーか
  • 誰と協力関係を築くべきか
  • 協力者から何を得るか

キーパートナーはビジネスのリスクを軽減し、資源を効率的に活用するために重要な存在です。
彼らとともに活動する際は、提携の形やサプライヤーの形などさまざまです。

キーパートナーを特定する際には、どのような存在がいると(シナジーを作り出せるか)・(リソースを確保できるか)といった視点で考えてみましょう。
不確実性が高い現代において、キーパートナーとともにリスクを分かち合うといった視点は特に重要なポイントです。

LCC(格安航空会社)の使用例

  • 整備委託会社
  • 提携ホテル
  • 提携レンタカー会社など

ステップ9:コスト構造を把握する

ビジネスにかかるコストの意味合いとされるコスト構造を把握します。
コスト構造を考える上で、以下のような問いを検討してみてください。

  • ビジネスを運営するために必要なコストは何か
  • どのコストがもっとも大きいか
  • コストを削減する方法はあるか

コスト構造は、ビジネスの収益性を評価するために重要な要素です。
固定費や人件費、広告費など、さまざまなコストを把握し効率的なコスト管理を行う必要があります。

コスト構造を把握する際には、キーリソースで必要になるコストやキーアクティビティで必要なコストを明らかにしましょう。
可能な限り詳細にコストを洗い出し、削減できる部分がないか検討しましょう。

LCC(格安航空会社)の使用例

  • 航空機リース費用
  • 燃料費
  • 人件費

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ビジネスモデルキャンバスを作成するポイント

テンプレートを埋めるだけでは、ビジネスモデルキャンバスの真価を発揮できません。
本章では、ビジネスモデルキャンバスを効果的に作成するための2つの重要なポイントを解説します。

できるだけシンプルにする

各要素はできる限りシンプルに、具体的な情報に絞って記述するように心がけましょう。
ビジネスモデルキャンバスは9つの要素で構成されていますが、情報を詰め込みすぎるとかえって全体像が見えにくくなってしまいます。

例えば、顧客セグメントであればターゲットとする顧客層を具体的に記述するのではなく、中小企業や個人事業主など大まかな分類でも問題ありません。

シンプルに記述することでビジネスモデルの要点を明確にし、改善点を見つけやすくできます。
最初はざっくりと全体像を把握し、必要に応じて詳細を詰めていくアプローチがおすすめです。

最初から完璧なものは目指さない

最初から完璧なビジネスモデルキャンバスを目指すのではなく、まずは仮説を立て検証していくアプローチが重要です。
なぜなら、完璧を追求してしまうと時間やリソースがかかり過ぎてしまい、競合他社に遅れをとる恐れがあるからです。

まずは顧客セグメントや価値提案など各要素について仮説を立て、実際に顧客にインタビューすることで仮説の検証を行いましょう。
検証の結果、仮説が間違っていたら修正を加え、より現実的なビジネスモデルに近づけていくのです。

さらに、複数のメンバーと話し合いながら進めることで、より競争力のあるビジネスモデルが構築できます。
いずれにせよ、初めから完璧を目指さずに取り掛かることが大切です。

ビジネスモデルキャンバスの使用例と活用シーン

ビジネスモデルキャンバスは業種や規模を問わず、さまざまな会社のビジネスモデルを分析・構築するために活用されています。

こちらの章では、代表的な会社であるGoogle・Amazon・OpenAIの事例を通して、ビジネスモデルキャンバスの具体的な使用例や活用シーンを見ていきましょう。

Googleの使用例や活用シーン

(図説)Wakka Inc.メディア編集部

Googleは、革新的なサービスを次々と生み出す会社として知られています。
Googleの事業をビジネスモデルキャンバスにすると、価値提案と収益の流れが大きなポイントとなっていることがわかります。

今日ではインターネットの利用が当たり前になっていますが、経緯としてはGoogleが提供する価値がユーザーのニーズに合致しているからだと推測できます。
Googleは多くのユーザーニーズを満たすことで、広告掲載の価値を大幅に向上させています。

ビジネスモデルキャンバスの要素Google Workspaceの例
顧客セグメント会社、教育機関、個人
価値提案クラウドベースの生産性向上ツール
チャネルオンラインストア、協業会社
顧客との関係セルフサービス、プレミアムサポート
収益の流れサブスクリプション
主要なリソース技術プラットフォーム、ブランド
主要な活動ソフトウェア開発、マーケティング
キーパートナーハードウェアベンダー、ソフトウェア開発者
コスト構造開発費用、インフラ費用、マーケティング費用

参照:Google「使いやすさと​便利さを​追求した​各種サービス

Amazonの使用例や活用シーン

(図説)Wakka Inc.メディア編集部

Amazonはeコマースの巨人として、常にビジネスモデルを進化させています。
中でもAmazon Primeは顧客ロイヤリティを高め、収益を多様化する戦略的なサービスを確立した点が特徴です。

Prime会員向けの特典や迅速な配送、ストリーミングサービスなどを組み合わせることで、顧客にとって魅力的な価値を提供し、継続的な利用を促しています。

ビジネスモデルキャンバスの要素Amazon Primeの例
顧客セグメント頻繁にオンラインショッピングを利用する顧客
価値提案迅速な配送、ストリーミングサービス、特別割引
チャネルAmazon Webサイト、モバイルアプリ
顧客との関係会員制プログラム、カスタマーサービス
収益の流れ会員費
主要なリソース物流ネットワーク、技術プラットフォーム
主要な活動物流、顧客サービス、コンテンツ配信
キーパートナー配送業者、コンテンツプロバイダー
コスト構造物流費用、コンテンツ費用、カスタマーサービス費用

参照:Amazon「Amazonのサービス

OpenAIの使用例や活用シーン

(図説)Wakka Inc.メディア編集部

OpenAIは人工知能研究の最前線を走る会社として、技術革新を社会実装するための戦略を練っています。

ChatGPTのような革新的なAI開発による価値提案は、研究開発・製品化・市場投入のプロセスを効率化し、持続可能なビジネスモデルの構築に寄与しています。
AIは会社や一般の人々、研究者といったさまざまな顧客層のニーズを満たす優れた技術です。

ビジネスモデルキャンバスの要素OpenAIの例
顧客セグメント開発者、会社、研究機関
価値提案高性能なAIモデル、API
チャネルAPI、パートナーシップ
顧客との関係開発者コミュニティ、技術サポート
収益の流れAPI利用料、ライセンス料
主要なリソースAIモデル、研究開発チーム
主要な活動AI研究、モデル開発、API提供
キーパートナークラウドプロバイダー、研究機関
コスト構造研究開発費用、インフラ費用

参照:OpenAI「当社について

まとめ:ビジネスモデルキャンバスでビジネスを成功に導こう

本記事ではビジネスモデルキャンバスの基本的な概念から、具体的な使用例まで幅広く解説しました。
ビジネスモデルキャンバスは事業の全体像を可視化し、戦略的な意思決定を支援するツールです。

ビジネスモデルキャンバスを活用すれば、新規事業立ち上げや既存ビジネスの改善において、より効果的な戦略を立案し実行できます。
また、9つの要素を丁寧に分析し、自社のビジネスモデルを明確にすることが大切です。

本記事が、皆様のビジネスの成功に少しでも貢献できれば幸いです。

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この記事を書いた人
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