カスタムオーダーECサイトとは?導入するメリットや課題などを解説

2024.10.07
EC開発
Wakka Inc. メディア編集部
カスタムオーダーECサイトとは?導入するメリットや課題などを解説
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こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

近年、多くの企業が自社製品を販売するためにECサイトを導入するようになりました。
なかでも、ユーザーがオーダーメイドで商品を注文できる「カスタムオーダーECサイト」を構築する企業が増えています。

カスタムオーダーECサイトは、ユーザーの多様なニーズに柔軟に応えられるため、適切に運用すれば売上の向上が期待できます。
しかし、カスタムオーダーECサイトには特有の課題もあり、導入を検討している場合は課題をクリアするための対策も必要です。

本記事では、カスタムオーダーECサイトの概要・導入のメリット・課題について解説します。
実際の活用事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

カスタムオーダーECサイトの概要

まずはカスタムオーダーECサイトの概要を確認しましょう。
概要を把握することで、導入するシステムのイメージを明確にできます。

ECサイトとは?

ECサイトとは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略称であり、製品やサービスをインターネット上で販売するためのWebサイトを意味する用語です。

インターネットの普及によって、近年は多くの企業がECサイトを活用しています。

以前は、ECサイトの開設時にシステムを自社で一から構築する必要がありました。
現在は簡単な操作で開設できるツールや開設をサポートする業者が増えており、昔に比べてECサイト導入のハードルは低くなりました。

カスタムオーダーECサイトとは?

カスタムオーダーECサイトとは、ユーザーが商品の色や形などを選んでオーダーできるECサイトのことです。
商品を自由にカスタマイズできるため、ユーザーはより自分にマッチした商品を選べます。

なお、カスタムオーダーはオーダーメイドと混同されやすいですが、厳密には意味合いが異なります。
それぞれの違いは以下のとおりです。

  • オーダーメイド…ユーザーがオリジナルの商品を自分のために注文できる形式
  • カスタムオーダー…既存の商品に付随する要素を好きなように組み合わせてカスタマイズする形式

服をサイズや色で選んだり、コーヒーに好みのトッピングを加えたりする行為は、いずれもカスタムオーダーに該当します。

カスタムオーダーECサイトを導入する5つのメリット

近年は技術の発展により、カスタムオーダーECサイトを開設するハードルが下がりました。
カスタムオーダーECサイトを導入すると、以下のようなメリットが期待できます。

  • 受注業務を効率化できる
  • 業種・分野を問わず導入できる
  • ユーザーのニーズに応えやすくなる
  • キャッシュフローを改善できる
  • 実店舗に誘導できる

メリットを把握すれば、カスタムオーダーECサイトを導入する意義を理解できます。

受注業務を効率化できる

カスタムオーダーECサイトは、受注業務を効率化できる点が大きなメリットです。
カスタムオーダーはユーザーごとの注文内容が複雑になるため、受注業務が複雑化しやすい傾向にあります。

実店舗だと、ユーザーごとの注文票を取りまとめるだけでも一苦労です。
しかし、カスタムオーダーECサイトでは受注業務をデジタル化するため、ユーザーごとの情報を適切かつ容易に管理できます。

また、カスタムオーダーECサイトはユーザーが選択肢を選んで直接注文するため、従業員がヒアリングする手間がかかりません。
従業員の負担を減らすことは、受注ミスや人的コストの削減にもつながります。

業種・分野を問わず導入できる

カスタムオーダーECサイトはアパレル系の企業で利用されるイメージがありますが、実際には業種・分野を問わず導入が可能です。
最近はアパレル以外にも食品・アクセサリー・時計・住宅など、様々な商品の販売に活用されています。

また、インサイドセールスの一環として活用できるので、販路拡大の手段としても有用です。

ユーザーのニーズに応えやすくなる

カスタムオーダーECサイトは、ユーザーのニーズに応えるために最適な仕組みです。

ユーザーが自由にカスタマイズできるうえに、オンライン上で完成イメージや価格を確認できます。
そのため、ユーザーはより自分に合った商品を選びやすくなり、満足度が向上します。

また、実店舗の営業時間外でも注文できるため、店舗に足を運ぶ時間がないユーザーに購入の機会を提供できる点もメリットです。

キャッシュフローを改善できる

カスタムオーダーECサイトは財務面においても、有益なツールです。
カスタムオーダーECサイトを導入すれば、注文が入ってから商品を製造する体制を整えられるため、過剰な在庫を抱える心配がありません。

大量に原材料を仕入れる必要もないため、在庫の回転率が上がります。

また、カスタムオーダーECサイトは注文時点で決済が行われるため、前払いで売上を得られる点も魅力です。
早い段階で売上を確保できるため、キャッシュフローを改善しやすくなります。

実店舗に誘導できる

カスタムオーダーECサイトを適切に運用すれば、実店舗への誘導も可能です。
扱っている商品によっては、ECサイト上で注文が完結しなかったり、直接受け渡す必要があったりする場合があります。

手軽に注文できるカスタムオーダーECサイトを入口にすれば、自然とユーザーが実店舗に足を運ぶきっかけを作れます。

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カスタムオーダーECサイトにおける3つの課題

カスタムオーダーECサイトは有益なツールですが、導入後は以下の課題に直面することがあります。

  • リピーターの獲得
  • 最適なユーザーエクスペリエンスの実現
  • サプライチェーンの構築

いずれも、クリアしなければ売上やユーザー獲得に大きな影響を及ぼす課題です。
あらかじめチェックし、対策を講じましょう。

リピーターの獲得

カスタムオーダーECサイトを運営するうえで意識しなければいけないのが、リピーターの獲得です。

新規ユーザーはもちろん、何度も利用してくれるリピーターがいなければ、売上は伸ばせません。
リピーターを獲得するには、商品の魅力を伝えるだけでなく、操作性やデザインなど、ユーザービリティを向上させる工夫も必要です。

また、定期的に情報を発信したり、クーポンの配布やキャンペーンの開催を実施したりすることも、リピーター獲得のために効果的な施策です。

最適なユーザーエクスペリエンスの実現

最適なユーザーエクスペリエンス(顧客体験)の実現も、カスタムオーダーECサイトを運営するうえで欠かせない取り組みです。
具体的に意識したいポイントは次の通りです。

  • 購買意欲を向上させるデザインになっているか
  • カスタマイズの自由度は十分か
  • 誰でも手軽に注文できる仕様になっているか
  • 決済までの導線が明確か

自社で作成せず、既存のサービスやシステムを利用してECサイトを構築している場合、やむを得ずサービス側の仕様に合わせているケースが多く見られます。
しかし、操作性が悪いカスタムオーダーECサイトだと、いくら商品が優れていてもユーザーの定着にはつながりません。

ユーザーエクスペリエンスを高められるよう、カスタムオーダーECサイトのデザインと操作性は徹底的にこだわりましょう。
顧客満足度を向上させるには、PDCAサイクルを回し、定期的にリニューアルを行うのも有効な方法です。

サプライチェーンの構築

カスタムオーダーECサイトは、注文してからユーザーの手元に商品が届くまでのプロセスがスムーズでなければなりません。

そのため、サプライチェーンの構築にも十分な時間をかけることが大切です。
商品が納期までに届くようにするのはもちろん、製造ミスが発生しないような仕組み作りは、ユーザーとの信頼関係に直結するポイントです。

商品到着までに時間がかかるとリピーター獲得につながらず、顧客満足度も低下します。
カスタムオーダーECサイトを導入する場合は、サプライチェーンの管理体制を見直しを行い、ミスが起こらないための対策をしましょう。

カスタムオーダーECサイトの事例7選

本章ではカスタムオーダーECサイトの事例を7つ紹介します。
紹介する事例は以下の7つです。

  • 株式会社ユニクロ|スピーディーかつ使いやすいカスタムオーダーを提供
  • 株式会社デサント(ARENA)|多様な選択肢で幅広いニーズに対応
  • Chocomize|食品のカスタムオーダーを実現
  • Zazzle|あらゆるアイテムのカスタムオーダーが可能
  • 株式会社石国|明確なシミュレーションで使いやすさを向上
  • パナソニック株式会社|精密なシミュレーション機能を搭載
  • 株式会社ドリームフィールズ|手ごろな価格でジュエリーのカスタムオーダーを提供

実際にカスタムオーダーECサイトを構築する際の参考にしてください。

株式会社ユニクロ|スピーディーかつ使いやすいカスタムオーダーを提供

株式会社ユニクロのカスタムオーダーECサイトは、使いやすく、スピーディーにオーダーを完了できるように工夫されています。
ECサイトと実店舗それぞれの利便性をうまく組み合わせています。

例えば、商品の受け取りを店舗・自宅のいずれかに選択できる仕様や、サイズの登録もアプリ・店舗の双方で実践できるのが便利なポイントです。
あらかじめサイズや好みの着用感を登録し、各商品と照合できるサービスもあり、ユーザーエクスペリエンスの向上を意識している点も特徴です。

参照:カスタムオーダー|株式会社ユニクロ

株式会社デサント(ARENA)|多様な選択肢で幅広いニーズに対応

大手スイムウェアブランドのARENAを所有するデサントは、多様な選択肢を提示することで自由度が高いカスタムオーダーを実現しました。

デサントのカスタムオーダーECサイトは、サイズはもちろん、カラーやロゴも自由にカスタマイズできます。
また、完成イメージも画像で確認できるため、カスタムオーダーに失敗するリスクも回避できます。

カスタマイズしたデザインを保存する機能もあり、次回購入時にいつでもチェックできる点も魅力です。

参照:TEAM ORDER|ARENA

Chocomize|食品のカスタムオーダーを実現

Chocomize(チョコマイズ)とは、アメリカで人気を集めているお菓子のカスタムオーダーECサイトです。
チョコレートやポップコーンなど、様々なお菓子のパッケージオプションを、デザインや予算に合わせて選べます。

また、お菓子に刻印したり、好きなロゴを入れたりするなど、ギフト用のデザインも選択肢が多様に広がっています。

参照:Chocomize公式サイト

Zazzle|あらゆるアイテムのカスタムオーダーが可能

Zazzleでは、名刺・ネクタイ・Tシャツなど、様々なアイテムのカスタムオーダーが可能です。
取り扱っているアイテムが多いのはもちろんのこと、世界中のデザイナーがデザインを手がけているため、バリエーションも豊富です。

また、有名な作品とのコラボデザインが使用できるなど、ユーザーの多様なニーズに応えられるラインナップを揃えています。

参照:Zazzle公式サイト

株式会社石国|明確なシミュレーションで使いやすさを向上

株式会社石国が運営する「石国商店EC」は、時計のベルトを販売するカスタムオーダーECサイトです。
石国商店ECは、ベルトの色はもちろん、管幅・美錠・ベルトを留める金具の仕様など、細かくカスタムできます。

オーダーメイドにも対応しており、世界に一つしかないデザインのベルトの作成が叶います。

石国商店ECが取り扱う商品は職人が一つひとつ手作業で製造していますが、納期は3週間程度とスピーディーな納品を実現しているのも大きな魅力です。
ユーザーにいち早く商品を提供できるサプライチェーンを構築できている点は、カスタムオーダーECサイトを導入するうえで参考にすべきポイントです。

参照:石国商店EC|株式会社石国

パナソニック株式会社|精密なシミュレーション機能を搭載

大手家電メーカーのパナソニック株式会社は、住まい作りの精密なシミュレーション機能を搭載したカスタムオーダーECサイトを実現しました。

パナソニックが提供する「カラーコーディネーション」は、壁紙やシステムキッチンなどの色味や雰囲気を実際の部屋の画像でチェックできる機能です。
簡単な操作で様々なスタイルを比較できるため、ユーザーが実際に購入した際のイメージを掴みやすくなります。

また、ショウルームやサンプルで実物を見るように促すことで、ユーザーが直接足を運ぶようにアプローチしています。

参照:カラーコーディネイション|パナソニック株式会社

株式会社ドリームフィールズ|手ごろな価格でジュエリーのカスタムオーダーを提供

株式会社ドリームフィールズが運営する「ブリリアンスプラス」は、指輪やジュエリーのカスタムオーダーができるECサイトです。

ブリリアンスプラスはリングのデザインや材質など、自由度が高いカスタマイズができる点が特徴です。
オーダーメイドにも対応しており、オリジナルのリングやジュエリーを作成できます。

ブリリアンスプラスはカスタムオーダーECサイトを開設することにより、人件費の削減に成功しました。
結果として商品の販売価格を下げることにつながり、ユーザーの手に届きやすい価格でジュエリーを提供しています。

参照:ブリリアンプラス|株式会社ドリームフィールズ

カスタムオーダーECサイトならより多くのニーズに応えられる

カスタムオーダーECサイトは、ユーザーが商品をカスタマイズすることで、よりニーズに合った商品を提供できるECサイトです。
ユーザーエクスペリエンスを高められるうえに、受注管理がスムーズにできたり、在庫の回転率が上がったりするなど、企業にとっても様々なメリットがあります。

一方で、カスタムオーダーECサイトの運営には様々な課題もクリアしていかなければなりません。
他企業の事例を参照し、理想的なECサイトを構築しましょう。

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