DevOpsエンジニアとは?業務内容や必要スキル・経験を解説
こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。
より柔軟かつ迅速な開発が求められる中で、課題を解決する方法としてのDevOpsと、その専門家のDevOpsエンジニアに注目が集まっています。
DevOpsは、開発(Development)チームと運用(Operations)チームの連携強化と専用ツールの導入によって開発速度の向上を目的とした概念です。
日本でもDevOpsに取り組む企業が増えているものの、開発・運用チームの溝を埋められずに、課題を抱えている企業が少なくありません。
そのため、専門家としてのDevOpsエンジニアを求める声が高まっています。
本記事では、DevOpsエンジニアの基礎知識・業務・必要スキルを解説します。
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DevOpsエンジニアはITジェネラリスト
DevOpsエンジニアはソフトウェア開発において、計画・コーディング・デプロイ・リリース・メンテナンスなど、開発・運用チームの垣根を超えた幅広い業務を担う存在です。
そのため、DevOpsエンジニアは、DevOpsの広範囲な知識と多角的な視野を持つITジェネラリストである必要があります。
また、DevOpsエンジニアには、開発・運用チーム間の連携力を高めるための高いコミュニケーション能力も求められます。
なぜなら、DevOpsは開発・運用チームのメンバー間の溝を埋めてスムーズなコミュニケーションの実現後の、シームレスな情報共有体制が欠かせない概念であるためです。
DevOpsエンジニアは、ITリテラシーを持ち、DevOpsを理解することが重要です。
DevOpsエンジニアの3つの業務
DevOpsエンジニアの業務を把握するのは、目指している人・人材を探している企業の双方にとって大切です。
目指している人にとっては習得すべきスキルが具体化され、人材を探している企業にとっては、どのような人材を探すべきかが具体化されます。
本章では、DevOpsエンジニアの3つの業務を解説します。
CI/CDの選択・導入・運用
DevOpsには、CI/CDの導入による作業の自動化が必須です。
CI/CDとは、それぞれが下記の通りの手法です。
CI(Continuos Integration) | ビルド・テストなどの開発に関連した一連の作業を、高頻度かつ継続的に実施する手法 |
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CD(Continuos Delivery) | テストを通過したソフトウェアのリリース・デプロイを自動化する手法 |
近年では、柔軟性が高く開発期間が短いアジャイル開発を採用する企業が増えています。
アジャイル開発は、開発のサイクルを高頻度かつ短期間で実施しますが、開発数の増大にともなって業務が追い付かなくなるケースがあるのが課題です。
よりスムーズな開発のためには、CI/CDによる業務の自動化が欠かせません。
ゆえに、CI/CDツールの選択・導入・運用はDevOpsエンジニアの大切な業務です。
管理方法の構築・運用
DevOpsエンジニアの業務は、データやライブラリの管理をはじめとして多岐に渡ります。
また複数人で開発を進める環境下では、変更したタイミングが不明になる・変更内容が重複するなどのヒューマンエラーの発生が懸念されます。
そのため、DevOpsエンジニアは、開発・運用環境に適した管理方法の構築をすることが大切です。
なお、管理方法の構築・運用には、管理ツールを選択・導入する業務も含まれます。
適切な管理方法の構築・運用には、現状を把握できる多角的な視野を持つ人材が必要です。
ITシステム管理
DevOpsエンジニアの業務には、ITシステムの構成管理も含まれます。
ITシステムの構成管理に必要なツールを導入し、さまざまなトラブルに対処できるよう備えておく業務です。
開発現場で発生しがちなトラブルとして、サーバー・ネットワークがバージョンアップできていないケースやネットワーク不良などが挙げられます。
上記のようなトラブルに迅速に対処して解消することで、スムーズな開発体制の実現につながります。
ITシステム管理によるスムーズな開発体制は、生産性の向上にもつながる業務です。
DevOpsエンジニアの9つの必要スキル・経験
DevOpsエンジニアには幅広いスキルや経験が求められますが、具体的にはどのようなものが必要なのでしょうか。
本章では、DevOpsエンジニアに必要な9つのスキル・経験を解説します。
コミュニケーション
DevOpsの導入成功には、開発・運用チームの溝を解消し、連携力を高める取り組みが欠かせません。
しかし、開発・運用チームのスキルや目標は必ずしも同じではないためサイロ化が進みます。
サイロ化が進んだ状態では、質の高いサービス提供に必要な情報を共有するのは困難です。
そのため、DevOpsエンジニアには、高いコミュニケーション能力が求められます。
開発・運用チームそれぞれの意見・要望を聞き取り、チーム間の緩衝材としての役割を担います。
システム管理
DevOpsの導入では、サーバーやデータベース準備・設定・管理のほか、セキュリティ保持や内外部のネットワーク接続管理など、多様なシステムの管理を要します。
各種のシステム管理は、業務効率を低下させず、スムーズな開発環境を維持する上で重要であるためです。
よって、DevOpsエンジニアには幅広いシステム管理の経験と知識が不可欠です。
DevOps関連ツール活用経験
DevOpsは、開発プロセスの単一化と自動化による業務効率化・生産性向上が目的のひとつです。
そのためDevOpsエンジニアには、CI/CDツールやシステム管理ツールなど、複数のツールを活用できる能力が必要です。
また、DevOpsエンジニアは、DevOpsライフサイクルの理解度を高めておくことも大切だといえます。
その理由は、適切なDevOps関連ツールの選択・活用には、工程ごとにどのようなツールが適しているのかを判断する作業が伴うからです。
DevOpsエンジニアを志している人は、DevOps関連ツールの活用経験とともに、基礎知識も磨いておきましょう。
システム構成管理
ITシステムの構成管理は、スピーディな開発を実現する上で重要です。
ITシステムの構成が適切に管理されている状況下では、トラブルへの対処速度が向上し、業務を効率化できます。
また、ITシステムの構成管理には、システムごとに異なるツールが使用されることも覚えておいてください。
DevOpsエンジニアには、複数のシステム管理ツールを使いこなせる能力・経験が求められます。
コンテナの活用・連携
アプリケーションを動作させるのに必要なものをまとめる技術のコンテナは、DevOps導入の成功に大きな影響を与えます。
なぜなら、コンテナの活用によって、開発とデプロイの速度向上やリソースの効率的な活用などに期待できるからです。
DevOpsは開発期間の短縮を目指す概念であることから、コンテナの活用は目標達成に欠かせません。
したがって、DevOpsエンジニアはコンテナの活用や連携した経験が不可欠です。
CI/CDの経験
DevOpsにとって、CI/CDによる作業の自動化は中核を担う要素です。
なぜなら、作業の自動化を推進することが業務効率化や生産性向上につながるからです。
ゆえに、DevOpsエンジニアを目指すときは、豊富なCI/CDの使用経験を積んでおかなければなりません。
なお、CI/CDツールの効果的な活用には、開発・運用チームメンバーとの緊密な協力が推奨されています。
DevOpsエンジニアは、デジタルとコミュニケーションの双方に明るい経験が必要です。
IT管理スキル
DevOpsエンジニアは、ソフトウェア開発に最適な環境を構築する作業が業務に含まれます。
よって、クラウド・インフラストラクチャー・リソースなどのIT管理能力が欠かせません。
IT管理スキルは、システム設計・プロビジョニングなどにも有効です。
オンプレミス・クラウドなど、開発環境に関わらず求められるため、理解を深めておきましょう。
プログラミング言語の深い知識
DevOpsは、アジャイル開発の速度を向上させるのも目的です。
そのため、C言語・Visual Basic・Javaをはじめとした基本的なプログラミング言語の深い知識が必要です。
また、DevOpsエンジニアは、自動化スクリプトや高レベルかつ最適なソフトウェア開発が業務に含まれます。
上記のような業務の適正な実施には、プログラミング言語の知識に加えて、アジャイル開発に最適な手法の理解と実装力を身に着けておかなければなりません。
チーム協力体制構築スキル
DevOpsでは、開発・運用チームの連携力を向上させて、各チームが入手した情報のシームレスな共有体制の構築を目指します。
シームレスな情報共有体制は、ユーザーからのフィードバックを開発チームに迅速に伝達し、ユーザーにより価値の高いサービスを提供するために必須です。
開発プロセスの効率化を、単一のチームと関わりを持つのみで実現するのは現実的ではありません。
そのため、DevOpsエンジニアは多くのメンバーと連携し、チーム間の協力体制の構築を目指します。
DevOpsエンジニアには包括的な知識が必要
近年では、多くの企業がIT化・デジタル化を推進し、ソフトウェアの開発現場でも多くの自動化ツールが活用されています。
しかし、ソフトウェアの開発現場でサイロ化が深刻化している実情を鑑みると、人と人が尊敬しあって協力することの大切さがわかります。
DevOpsはツールによる業務効率化にとどまらず、サイロ化を解消してチーム間の連携力を高めることにも重きを置いている概念です。
また、DevOpsエンジニアは、上記のようなDevOpsの基本的な考え方を理解した上で、アジャイル開発に関連した知識やスキルを磨く必要があるといえます。
DevOpsエンジニアは、DevOpsによる変革に柔軟に対応でき、かつ幅広く深い知識が必要です。