API連携できるAI翻訳ツール5選|選定ポイントまで詳しく解説

最終更新日:2024.09.17
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
API連携できるAI翻訳ツール5選|選定ポイントまで詳しく解説
SHARE ON
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE
  • Note

AI翻訳ツールを活用すれば、多言語に対応した翻訳機能で翻訳業務に費やす時間を軽減できます。
さらに既存ツールとAI翻訳ツールをAPI連携すれば、ツール内に表示される言語を翻訳し、より幅広く機能を利用できます。

既存ツールの翻訳業務を効率化したい方は、API連携できるAI翻訳ツールを導入しましょう。
本記事では、API連携できる翻訳ツールを5選ご紹介します。
AI翻訳ツールをAPI連携するメリットとデメリットもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

DXプロジェクトに関わる経営者・リーダー層の方へ

失敗しない社内体制の構築から開発リソース確保までを網羅して解説しています。

AI翻訳ツールとAPI連携それぞれの概要

API連携できるAI翻訳ツールの導入を検討するために「そもそもAPI連携とAI翻訳ツールとは何か」概要を知らなければなりません。
API連携とAI翻訳ツールそれぞれの概要を解説するので、翻訳業務を効率化したい方は確認しておきましょう。

API連携とは

APIとは「Application Programming Interface」の略語で、異なるソフトウェアやアプリケーション間でデータや機能を連携させる仕組みです。
APIの技術を活用して、異なるソフトウェアやアプリケーションを連携させることを、API連携と呼びます。

例えば、コミュニケーションツールで取引先や同僚に位置情報を共有する際には、正しい情報を送るために別途地図アプリを開かなければなりません。
コミュニケーションツールと地図アプリをAPI連携させれば、ツール上で正確な位置情報や経路を表示させて、第三者に共有することが可能です。

既存ツールと新しいシステムやアプリを連携させれば、すでに存在している技術を超えて、より使いやすく高精度な技術を活用できます。
API連携は、業務の効率化と生産性を向上させるために重要な機能です。

AI翻訳ツールとは

AI翻訳ツールとは、人工知能(AI)の技術を利用して、異なる言語間の翻訳を自動化するツールです。
AI翻訳ツールは、AI領域における機械学習や自然言語処理、ニューラルネットワーク、ディープラーニングなどを活用し、AIモデルに複数の言語・テキストデータを学習させることで翻訳を自動化させます。

ただ単語を自動翻訳するだけでなく、文法の誤りや流暢なコミュニケーションを支援したり、対象の国特有の言い回しや文脈を考慮した高精度な翻訳を実現しています
AI翻訳ツールは、テキストだけでなくワード文書や用語集など、さまざまな機能が備わっており活用の幅が広いです。

AI翻訳ツールは、100%正しい翻訳を保証できませんが、スピーディーで多言語に対応した翻訳を実現できます。

AI翻訳ツールをAPI連携して実現できること

AI翻訳ツールをAPI連携すると、他のアプリケーションやシステムでもAI翻訳機能を活用できます
AI翻訳ツールに文章をコピーアンドペーストしなくても、アプリケーションやブラウザ上で多言語を翻訳できるため、業務効率を向上できるのです。

従来のやり方では、既存ツールで意味のわからない言葉が表示された際に、単語や文章をコピーして翻訳ツールにペーストする必要がありました。
対してAI翻訳ツールをAPI連携した際にはツールをあらためて開かなくても、アプリケーションやブラウザ上で自動的に翻訳されるため、翻訳業務にかかる工数を削減できます

AI翻訳ツールをAPI連携するメリット

AI翻訳ツールをAPI連携するメリットは、次の通りです。

  • 翻訳業務に費やす時間やコストを削減できる
  • 翻訳精度を向上できる
  • 多言語に対応できる

各メリットを確認して、AI翻訳ツールをAPI連携するべきか検討しましょう。

翻訳業務に費やす時間やコストを削減できる

AI翻訳ツールをAPI連携すれば、翻訳業務に費やす時間やコストを削減できます
従来の人の手による翻訳と比べて、文章を効率的に翻訳でき、多言語を理解するまでに時間がかかりません。

海外進出やグローバル商品の開発を行っている企業が、翻訳業務にかかる時間やコストを削減できれば、大幅に生産性を向上できます
また組織単位で翻訳業務を担当する従業員の人件費を削減できるため、業務時間だけでなくコストカットにもつながるのです。

翻訳精度を向上できる

AIの継続的な機械学習により、使うごとにより高精度な翻訳を実現できます
従来の翻訳ツールでは、医療や介護など専門性の高い分野や方言にスラングなど、情報の少ない用語を翻訳する際には精度が下がっていました。

対してAI翻訳ツールを利用すれば、インターネット上の膨大なテキストデータから、該当する対象の言語の意味を収集し、実際に人が使うような自然な言い回しで翻訳できます。
そのため専門的な文書や技術用語の翻訳にも適しており、海外の論文読解や仕様書を高精度に翻訳できます

多言語に対応できる

AI翻訳ツールは多言語に対応しているため、海外の支店や顧客とのコミュニケーションを円滑化したい際に有効的です
特にグローバル展開を目指す企業にとって、多言語に対応できる翻訳ツールは必須であり、複数の海外拠点における翻訳を実現できます。

AI翻訳ツールをAPI連携すれば、チャットボットやコールセンターなどのカスタマーサポートを、リアルタイムで翻訳しながら実施できます。
海外ユーザーとのコミュニケーションを円滑化できれば、顧客満足度が向上しグローバル展開を成功へと導くことが可能です。

AI翻訳ツールをAPI連携するデメリット

AI翻訳ツールをAPI連携するデメリットは、次の通りです。

  • 翻訳や文章理解が不自然になる可能性がある
  • 利用コストが高額になる可能性がある

AI翻訳ツールをAPI連携すれば、さまざまなメリットを得られますが同時にデメリットも存在します。
API連携できるAI翻訳ツールを導入するべきか悩んでいる方は、メリットとデメリットの双方を比較検討しましょう。

翻訳や文章理解が不自然になる可能性がある

AI翻訳ツールは、翻訳や文章理解が不自然になる可能性があるため注意しなければなりません。
多言語に対応しているAI翻訳ツールでも、学習データが少なければ完璧な翻訳ができない可能性があります。

またAIモデルが誤った情報や存在しないデータをアウトプットする「ハルシネーション」を起こすリスクがあるため、翻訳内容を全面的に信頼しすぎると危険です。
特に皮肉や冗談、比喩表現などは文脈もなしに翻訳すると、正確に翻訳できず文章が難解になる可能性があるため注意しましょう。

利用コストが高額になる可能性がある

API連携できるAI翻訳ツールを導入するには、高額な利用コストが発生する可能性があります
専門用語に特化したAI翻訳ツールは、利用コストが高額になる傾向があるため、導入前にプラン料金を確認しておくことが大切です。

業務を効率化し生産性を向上させても、高額な利用コストで支出が増えれば、費用対効果が低いです。
AI翻訳ツールを導入する際には、予算内で導入できるツールを探して、費用対効果の高いものを導入しましょう

DX進め方ガイドブック
>DXプロジェクトを検討している担当者の方に向けて、失敗しない社内体制の構築から開発リソース確保までを網羅して解説しています。

API連携できるAI翻訳ツール5選

API連携できるAI翻訳ツールは、次の通りです。

AI翻訳ツール月額上限利用料金
みんなの自動翻訳@KI月額50万字(別途プランあり)月額22,000円~
多言語音声APIサービス月額20時間~(別途プランあり)月額50,000円~
DeepL Pro月額50万文字~(別途プランあり)月額1,150円~
みらい翻訳プラットフォーム音声翻訳APIサービス月額2万文字~(別途プランあり)月額495円~
SYSTRANユーザー数1人(別途プランあり)月額4180円~

各ツールの特徴を比較して、AI翻訳ツール選びの参考にしてください。

みんなの自動翻訳@KI

「みんなの自動翻訳」は、株式会社川村インターナショナルが提供するAPI連携できるAI翻訳ツールです。
高い翻訳精度とセキュリティ性、専門用語への対応も兼ね備えており、複雑な外国語の翻訳業務を効率化したい方にオススメです。

ブラウザ上でのテキスト翻訳・ファイル翻訳を行い、特許や論文、マニュアルなどの専門分野の用語や言い回しにも対応できます。
また2週間無償トライアルも実施しており、本格導入が決まった際も設備投資ゼロで3カ月から導入できます。

ユーザー無制限で月額翻訳文字数50万字のプランで22,000円(税込)で利用でき、翻訳文字数に応じて利用料金が変わるシステムです。
なお問い合わせによっては、月間翻訳文字数無制限での利用も可能なので、気になる方はホームページから問い合わせましょう。

参照元:テキストやファイルの翻訳からAPI連携まで。 NICT開発の国産AI翻訳サービス「みんなの自動翻訳@KI(商用版)」

多言語音声APIサービス

「多言語音声APIサービス」は、日本電気株式会社(NEC)が提供するAPIサービスです。
音声翻訳に関連する音声認識やテキスト翻訳、音声合成をAPI形式で提供し、ニューラル機械翻訳への対応など自然な翻訳を実現します

多言語音声APIサービスは11言語に対応しており、話者の言語を自動で識別して翻訳を開始します。
つまり面倒な会話前の言語設定が不要で、音声合成の性別選択も可能です。
なお多言語音声APIサービスには、次の4種類の機能が搭載されています。

  • 音声翻訳
  • 音声認識
  • テキスト翻訳
  • 音声合成

音声翻訳をメインに取り扱っているため、現地での海外営業や接待、オンライン商談など対人でのコミュニケーションにオススメです。

参照元:多言語音声APIサービス | NEC

DeepL Pro

「DeepL Pro」は、ドイツのDeepL SEが提供するAPI連携できるAI翻訳ツールです。
翻訳テキストの入力文字数に制限なしで利用でき、月額1,150円(税込)からとリーズナブルな費用で導入できます

30日間の無料トライアルを設けており、使用感を確かめてから本格導入するべきか検討できます。
3種類のプランから予算と用途に合ったものを選択し、1カ月単位でプランを選択し直せるため、気軽にアップグレードしやすいです。

また世界最高水準のデータ保護基準のもと、テキストは翻訳完了後すぐに消去されるため、情報漏洩の心配もありません。

参照元:DeepL Pro | テキスト、Wordその他の文書ファイルをセキュアに翻訳

みらい翻訳プラットフォーム音声翻訳APIサービス

「みらい翻訳プラットフォーム音声翻訳APIサービス」は、株式会社みらい翻訳が提供するAPI連携できるAI翻訳ツールです。
日本語を含めた13言語の音声認識・機械翻訳及び音声合成処理によって、高精度な翻訳を実現しています。

また製品名や専門用語、特殊な社内公用語などの名詞を辞書に登録したり、メール定型文やマニュアルなどの特定の文章をメモリ登録したりと、カスタマイズ性も高いです。
テキスト翻訳5,000文字であれば0円、テキスト翻訳20,000文字までであれば月額495円、月額2,475円を支払えば翻訳数とID数無制限で利用できます

参照元:音声翻訳APIサービス|AI自動翻訳『みらい翻訳』

SYSTRAN

「SYSTRAN」は、「シストランジャパン合同会社」が提供する専門分野にも強いAI翻訳ツールです。
製造、医療・製薬、IT、法務など専門分野でも50種類以上に対応しており、専門知識の継承や共有化に役立ちます。

先ほどまでご紹介したAI翻訳ツールはクラウド型でしたが、「SYSTRAN」はオンプレミス型です。
社外秘データを社内で高品質かつセキュアを実現し、専門家のような知見で専門用語を正しく翻訳できます

またSYSTRANのAPI連携機能を活用すれば、翻訳支援ツール(CAT)やコンテンツ管理(CMS)、顧客管理(CRM)、リソース管理(ERP)などさまざまなシステムにリアルタイム翻訳機能を追加できます。
SYSTRAN Model Studioによって、翻訳業務で累積する翻訳データを繰り返し学習し。 持続的な品質向上で AIによる業務効率化の最大にしました。

参照元:シストラン – SYSTRAN | オンプレミスのAI翻訳

API連携できるAI翻訳ツールを導入する際の選定ポイント

API連携できるAI翻訳ツールを導入する際の選定ポイントは、次の通りです。

  • 翻訳精度
  • セキュリティ性
  • 操作性
  • コストパフォーマンス

自社に合ったAI翻訳ツールを導入するために、各ポイントを確認しておきましょう。

翻訳精度

AI翻訳ツールの翻訳精度は、ビジネスにおいて商品・サービスの魅力を伝え、顧客の信頼性を高めるために極めて重要です。
自社の業界や分野の専門用語がどの程度の精度で翻訳されるか、確認してから導入を決めましょう。

複数のツールを比較して、無料トライアルなどで試訳してから本格導入を決めてください

セキュリティ性

AI翻訳ツールを導入する際にはAPI連携の可否や翻訳精度だけでなく、セキュリティ性の高さを考慮しましょう。
AI翻訳ツールは、自社や取引先の情報を翻訳する機会もあるため、機密情報が漏洩する可能性があります。

データ保護と個人情報の取り扱いについて確認し、セキュリティ性の高いツールを選びましょう

操作性

どれだけ機能面が優れていても、操作性が悪ければ業務効率を向上できません
操作性の高いAI翻訳ツールを導入することで、翻訳業務にかかる時間やコストを削減できます。

直観的に使いやすいツールや、すぐに操作方法に慣れるシンプルな仕様のツールを選ぶことで、組織内の従業員が誰でも扱いやすいです。

コストパフォーマンス

AI翻訳ツールは複数のプランが用意されているケースが多く、自社の予算に応じたツールとプランを検討する必要があります。
利用料金の安さだけでなく、コストパフォーマンスの高さを重視することが大切です。

AI翻訳ツールの利用頻度や導入後のサポート体制を確認して、自社に適したツールを選びましょう。

API連携できるAI翻訳ツールを導入して業務効率を向上させよう

API連携できるAI翻訳ツールを導入すれば、ソフトウェアやアプリケーションなど既存システム上での翻訳業務を効率化できます
翻訳業務にかかる時間やコストを削減すれば、空いたリソースを他の業務にまわせるため、生産性を向上させることが可能です。

ただしAI翻訳ツールのなかには、翻訳や文章理解の精度が低かったり、利用コストが高額だったりと自社の要件に合わないものも存在します。
AI翻訳ツールを導入する際には、多言語に対応した翻訳精度の高いツールを導入するべきです

他にもセキュリティ性と操作性、コストパフォーマンスの観点から、複数のAI翻訳ツールを比較して導入するツールを選ぶことが大切です。
API連携できるAI翻訳ツールを導入して、翻訳業務を効率化させましょう。

この記事を書いた人
Wakka Inc. メディア編集部
  • ホーム
  • ブログ
  • API連携できるAI翻訳ツール5選|選定ポイントまで詳しく解説