WordPressで会員管理システムを構築する方法とリスクを解説
こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。
複雑なものから簡易的なものまで、実にさまざまなWebコンテンツを作成できるWordPress。そんなWordPressで会員管理システムを構築したいとお考えの方も多いでしょう。
ただ、ひとえにWordPressで構築すると言っても、さまざまな選択肢が考えられます。
そこで本記事では、WordPressで会員管理システムを構築する3つの方法を解説します。
後半では、WordPressでシステムを構築するリスクとその対応策も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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WordPressで会員管理をする方法
WordPressはさまざまなコンテンツを作成・管理するツールです。
WordPressで会員管理をするには、プラグインや外部ツールの導入などさまざまな方法があります。
本章では、代表的な3つの方法を詳しく解説します。
プラグインを活用する
WordPressのプラグインは、機能を拡張するソフトウェアを指し、インストールして使用します。
無料で使えるものも多く、WordPress利用者であれば誰でも利用可能です。
会員管理用のプラグインは、顧客管理・販売管理・問い合わせ管理など、細かな機能ごとに分類されているケースがほとんどです。
そのため、会員管理システムとして業務全体をカバーするには、複数のプラグインを併用する必要があります。
プラグインのメリットは、世界的に利用者が多く、ネット上に使い方や運用方法などの情報が溢れている点です。
プラグインに詳しくない場合でも手軽に導入でき、運用時のトラブルを解消しやすい傾向にあります。
一方、提供者の都合でプラグインを使用できなくなったり、細かなカスタマイズができなかったりとデメリットもあります。
より高度な管理体制を目指す場合は、後述するCRMやフルスクラッチがおすすめです。
CRM(顧客管理)ツールを導入する
CRMツールは顧客のデータを管理・分析できるツールで、会員管理用に開発されたソフトウェアです。
会員管理に必要な機能が揃っており、売上や顧客満足度の向上に役立ちます。
例えば、会員を属性ごとにセグメントし、趣向や購買行動を分析することで、より効果的なマーケティング戦略を立案できるでしょう。
さらに部署間の情報共有が簡単に行えるため、迅速な顧客対応や戦略立案のための意思決定を円滑化できます。
しかし、新たな業務フローの作成や従業員への教育などに多くの時間が必要な点はCRMのデメリットと言えます。
フルスクラッチで開発する
フルスクラッチは、既存の製品を使わずイチからシステムを構築する手法のことです。
オーダーメイドで自社の希望やサービスに合わせてCRMを構築するのです。
プラグインや既成のCRMツールと比べて、カスタマイズ性が高く、他のシステムやソフトウェアと連携しやすいメリットがあります。
また、サービスの設計から考えるため、自社独自の要件にも対応しやすいでしょう。
ただ、設計から開発までをオーダーメイドで行うため、既存の製品に比べ開発コストが高くなりがちです。
なお、自社で内製化する場合は、プログラミングに関する知識・ノウハウが求められます。
そのため、必要に応じてシステム開発会社に外注するなど、自社にあった方法をとると良いでしょう。
以下の記事でフルスクラッチのシステム構築について、メリットやデメリットなどより詳しく解説しています。
WordPressで会員管理システムを構築できるCRMプラグイン
ここでは、会員管理システムを構築できる、下記3つのWordPressプラグインを紹介します。
プラグイン | 特徴 |
SugarCRM | カスタマイズでき、自由度が高い マーケット分析や受注予測なども可能 |
Propovoice CRM | 中小規模の事業者向け 見込み客の登録や会員情報の管理が可能 WordPress内でタスク管理も行える |
Jetpack CRM | 機能が30種類以上ある BtoB向けの会員管理機能がある 決済ツールとの連携ができる |
プラグインを利用すれば、専門的な知識がなくても手軽に導入できます。
自社で運用できそうなものがないか、ぜひご確認ください。
SugarCRM
SugarCRMは、アメリカのSugarCRM Inc.によって提供されているプラグインです。
世界中の多くの企業で導入されており、機能性に定評のある製品です。
売上・マーケット分析・受注予測など、会員管理だけでなくマーケティングや顧客サポートにも活用できます。
WordPressのプラグインは自社のニーズに合わせたカスタマイズが難しいと説明しましたが、SugarCRMは、アドオン(拡張機能)も多く提供されているため、希望に合わせて機能を拡張できます。
そのためカスタマイズにおける自由度の高いと言えるでしょう。
Propovoice CRM
Propovoice CRMは、海外で開発されたプラグインです。
中小規模の事業者やフリーランサー向けに作られています。
Webサイト上の問い合わせフォームに顧客から連絡があった場合、ユーザーの情報を自動的に登録できます。
会員管理のほかにも、タスク表作成・見積書作成など機能が豊富です。
ただ、Propovoice CRMは日本語の説明がないため、内容や操作方法の理解が難しい点がデメリットです。
Jetpack CRM
Jetpack CRMも海外で開発された会員管理のプラグインです。
30種類上の機能を搭載するなど、機能性に定評があります。
会員情報の登録や管理から見積書・支払いと返金の記録まで行えます。
さらにBtoBにも対応しているので、取引先の情報を一元管理したい場合にも最適です。
PayPalやStripeといった決済ツールとの連携が可能なため、WordPressで構築した会員向けECサイトでの導入にも適しています。
参考:Jetpack CRM
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WordPressと連携可能なCRMツール
WordPressと連携できるCRMについて、以下の代表的な3つを挙げて説明します。
CRMツール | 特徴 |
Zoho CRM | 会員の基本情報・メール内容・商談・見積書・請求書を一元管理可能 インターフェースがわかりやすく、誰でも使える |
Hubspot | 会員管理だけでなく、マーケティングやオペレーション・営業支援なども可能 導入実績が多い |
うちでのこづち | EC事業の会員管理に特化 会員とのつながりも分析でき、適切な施策を行える さまざまな分析方法に対応している |
ここでは、上記製品の特徴を紹介します。
Zoho CRM
運営会社 | ZOHO JAPAN CORPORATION |
特徴 | 会員の基本情報・メール内容・商談・見積書・請求書を一元管理可能 インターフェースがわかりやすく、誰でも使える |
全プラン対応機能(一部抜粋) | 会員・商談情報の一元管理 タスク・スケジュール管理 売上予測 高度な検索フィルター |
価格 | スタンダード:2,400円/月 プロフェッショナル:4,200円/月 エンタープライズ:6,000円/月 アルティメット:7,800円/月 |
Zoho CRMは会員情報を一元管理し、業務効率を向上させるCRMツールです。
会員情報の管理・保存ができ、商談情報を紐付けて営業支援やマーケティングも行えます。
Zoho CRMは、インターネットを介して使用するクラウド型のため、短期間で利用を開始できます。
なお、誰でも操作できるようシンプルに設計されているため、システムを使い慣れていない方でも扱いやすく、短期間で操作方法を習得できるでしょう。
フォーム作成やアンケート作成による情報収集も可能で、マーケティングにも活用できます。
また、ドラッグ&ドロップで簡単に画面のレイアウトを変更できるため、自社に合わせた会員管理システムを構築できる点も魅力です。
料金プランが4つあり、ニーズに合わせて選択できます。
参考:Zoho CRM|ZOHO JAPAN CORPORATION
Hubspot
運営会社 | HubSpot Japan株式会社 |
特徴 | 会員管理だけでなく、マーケティングやオペレーション・営業支援なども可能 導入実績が多い |
全プラン対応機能(一部抜粋) | 会員情報管理・分析 Webチャット Eメール追跡 外部ツールとの連携 |
価格 | Starter:2,399円/月 Professtional:213,599円/月 |
Hubspotはカスタマープラットフォームとして、あらゆる顧客の管理業務を支援するCRMツールです。
マーケティングや営業支援・カスタマーサービス・CMS(コンテンツマネジメントシステム)・オペレーション支援など部門ごとにソフトウェアが存在し、1つのプラットフォームに集約されています。
各部門の情報がデータベースに統合されることで、部門間の連携やデータ共有を円滑化できます。
導入実績も豊富なため、自社のニーズに合わせた運用方法を相談できるでしょう。
うちでのこづち
運営会社 | 株式会社E-Grant(イーグラント) |
特徴 | EC事業の会員管理に特化 会員とのつながりも分析でき、適切な施策を行える さまざまな分析方法に対応している |
全プラン対応機能(一部抜粋) | 顧客分析 メール施策 外部メッセージツールとの連携 カゴ落ちメール 行動を促すSMS ディスプレイ広告 |
価格 | 問い合わせが必要 |
うちでのこづちは、ECサイトと連携し顧客分析からCRM施策・効果検証までを網羅したCRMツールです。
蓄積したデータを分析し、顧客への適切なアプローチ方法を割り出せます。
例えば、買い物中に決済直前で離脱してしまった顧客に対して、メールで再度購入を促すなどがあります。
またCVR(成約率)を向上させるためのサポートもあるなど、導入前だけでなく導入後のサポートも手厚い点が魅力です。
WordPressのプラグインで会員管理システムを構築するリスク
一見メリットの多いプラグインですが、会員管理システムを構築・運用する上でリスクもあります。
売上や会社の信頼に影響するため、リスクを把握しておきましょう。
セキュリティのリスク
WordPressで会員管理システムを構築する場合、セキュリティ面に注意が必要です。
なぜかというと、ベンダー企業が提供するCRMとは違い、WordPressのセキュリティ対策を自社で独自に行わなければならないためです。
万が一対応を怠ると、会員情報が漏洩してしまい、自社の信用にかかわる大きな問題となる恐れがあります。
会員から預かった情報を保護するためにも、十分なセキュリティ対策を施しましょう。
なお、自社のでの対応が難しい場合は、専門的な知識を持ったシステム開発会社へ相談するのがおすすめです。
セキュリティ対策のみならず、会員管理システムに関するアドバイス・提案も受けられるでしょう。
プラグイン同士の干渉
プラグインを扱う場合、それぞれの相性に配慮する必要があります。
場合によっては、複数のプラグインを導入した際に機能が打ち消されたり、使用できなくなったりする現象が発生するためです。
プラグインは、WordPressの開発元と違う企業や個人が独自に開発しているため、仕様が合わずうまく機能しない場合があるのです。
複数のプラグインを導入する際は、テスト運用を実施して事前に問題がないかを確認すると良いでしょう。
サイトの表示スピードの低下
サイトの表示スピードの低下も考慮したいリスクの1つです。
WordPressは拡張機能の数が増えると、表示速度が遅くなる可能性があります。
機能の拡張やプラグインの導入によってサーバーに負荷がかかり、表示速度が低下すると考えられます。
サイトの表示スピードが遅いと、利便性低下やSEOへの悪影響が懸念されます。
高負荷に耐えられるサーバーを使用したり、プラグインの数を絞ったりして対策を講じましょう。
サポート体制
導入予定のツールのサポート体制がリスクにつながる可能性もあります。
WordPressの特定のテーマに対してはサポートがありますが、プラグインにはサポートがないケースが多いです。
そのため、プラグインではトラブルが起きた際に解決するのが難しいです。
サポート体制が整っているものを選ぶか、外部から支援を受けるなどの対策が必要です。
自社要件に合わない場合がある
プラグインの機能が自社のニーズに合わず、要件にそぐわない場合があります。
プラグインはあくまで拡張機能であり、自社の要件に100%一致するケースは少ないです。
自社の要件に適していないツールを運用すると、業務とうまく適合できず、かえって作業効率が悪化する恐れがあります。
自社の要件にあった会員管理システムを構築したい場合は、フルスクラッチ開発がおすすめです。
自社のニーズに合わせて1から開発できるため、細かな要件にも対応でき業務効率の最大化が期待できます。
WordPressにおける会員管理はCRMを導入して効率を良くしよう
本記事で解説したWordPressで会員管理を行う方法は、それぞれメリットとデメリットがあります。
リスクなども考慮すると、CRMツールの利用や独自のシステムを開発する方が良いでしょう。
CRMや独自システムなら、機能面やセキュリティ面のリスクを軽減しつつ高度な会員管理を実現できます。
課題を解消し、効率よく会員情報を管理したい場合は、CRMツールや独自システムの導入を検討しましょう。
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