ChatGPT APIとは?使い方やできること、活用事例などを解説

最終更新日:2025.11.20
DX・システム開発
Wakka Inc. メディア編集部
Chat GPT APIとは?使い方やできること、活用事例などを解説
SHARE ON
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE
  • Note

こんにちは。Wakka Inc.メディア編集部です。

2022年11月の公開以降、ChatGPTは大きな話題を呼び、世界中のさまざまな企業で導入されています。
加えて、2023年3月にChatGPT APIがリリースされてからは、各種サービスやアプリケーションとの連携も可能になり、活用の幅がいっそう広がっています。

しかし、比較的新しい技術ということもあり、「ChatGPT APIの活用方法がよく分からない」方も多いのではないでしょうか。

本記事ではChatGPT APIの概要をお伝えしつつ、具体的な使い方や料金、活用事例を紹介します
自社の業務でChatGPT APIの活用を検討している方は、ぜひご参考ください。

目次

WaGAZINE読者さま限定!

生成AIのPoC事例集大手企業の事例・検証ポイントを紹介

生成AIの導入を検討している経営者/マネージャーの方や、新規事業で生成AIを活用したいプロジェクト責任者の方にオススメ

ChatGPT APIとは?

ChatGPT APIとは、OpenAI社が提供するChatGPTをWebサービスやアプリケーションに組み込むためのツールです。
APIは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の略称であり、ソフトウェアとWebサービスを接続する、いわば仲介人のようなものです。

ChatGPT APIの登場により、それまでブラウザでしか使用できなかったChatGPTをあらゆるWebサービス・アプリケーションで使用できるようになりました。
また、ChatGPTのテキスト生成や対話式での自動応答を活用し、新たなサービスの提供を実現した企業も多くあります。

なお、ChatGPT APIは、「GPT-3.5」と「GPT-4.0」の両方に対応可能です。
GPT-3.5は2022年にリリースされたモデルであり、GPT-4.0は2023年に-3.5のバージョンアップ版としてリリースされた、テキストだけでなく画像の出力もできるモデルです。

加えて、GPT-3.5に使用するとスピーディーな出力ができる「GPT-3.5 turbo」になります。

OpenAI社が提供するChatGPT以外のAPI種類

OpenAI社が提供しているAPIはChatGPT APIだけではありません。
OpenAI社の提供するAPIには以下のようなものがあります。

種類特徴
DALL-E自然言語プロンプトから画像を生成・編集できるAPI
Whisper音声をテキスト変換できるAPI
Embeddingテキストのベクトル変換ができるAPI
Moderationテキストの安全性を検知できるAPI
Codex自然言語からコード理解に特化したAPI

いずれのAPIもさまざまなビジネスに応用できるものです。

ただし、OpenAI社によるアップデートによって機能が変更されたり、廃止されて使用できなくなったりする可能性があります。
もちろん、新たなAPIが追加される可能性もあります。

実際にこれらのAPIを導入する際はOpenAI社の公式サイトをチェックしましょう。

参照:OpenAI社公式サイト

ChatGPT APIの活用例

ChatGPT APIにできることは以下の通りです。

  • テキストの作成・要約・校正
  • Pythonコード内のバグを修正
  • チャットボットのような自動応答・質問応答
  • 自然言語の翻訳
  • 会議の文字起こしと要約

ChatGPT APIのできることを知れば、導入した際の運用方法が明確になります。
ChatGPT APIにはビジネスだけでなく、プライベートでも活用できる機能が豊富なので、ぜひチェックしてください。

テキストの作成・要約・校正

ChatGPT APIはユーザーのプロンプト(指示文)に応じたテキストの作成が可能です。
メール・報告書・プロダクト説明など、さまざまなテキストを簡単な指示で自動生成できるため、業務を効率化できます。

さらにChatGPT APIはテキストの要約ができるため、文字数が多い記事や論文をスピーディーに読みたい際に便利です。

また、テキストの校正をする際にも役立ちます。
誤字・脱字を修正するだけでなく、自然な文体になるように表現の調整もしてくれるので、テキストの推敲や添削にかかる手間を省けます。

日常的にテキストを書いたり、書類や資料を作成したりする人にとって、ChatGPT APIは非常に有用です。

Pythonコード内のバグを修正

ChatGPT APIを使えばPythonコード内のバグの修正もできます。
それだけでなく、プログラミングコードの生成やバグの原因特定などにも使用できるうえに、コードの解説や学習支援もできるので、プログラミングの初心者にも手軽に使用可能です。

プログラミングやバグの修正は、作業量が多いと人件費が膨大になる恐れがあります。
しかし、ChatGPT APIを活用することで、コストの大幅な削減が可能です。

チャットボットのような自動応答・質問応答

ChatGPT APIをツールに組み込めば、高性能な自動応答・質問応答システムも実現できます。
質問を入力するだけで内容をAIが分析し、最適な回答を瞬時に生成できるので、スムーズなコミュニケーションが可能です。

自社サイトにチャットボットを組み込むことで、年中無休でユーザーの質問に対応できるため、顧客満足度の向上や人件費の削減に役立ちます。

自動応答・質問応答機能は汎用性が高く、既存のメッセージアプリと組み合わせれば難しいコード入力が必要ありません。
そのため、ゼロからプログラミングしなくても手軽にチャットボットなどが作成できます。

自然言語の翻訳

ChatGPT APIは翻訳機能も使用できるため、英語はもちろん、フランス語や中国語などさまざまな言語を解読する際にも役立てられます。
海外言語で作成された資料やメールなどを翻訳できるうえに、要約機能と組み合わせれば、翻訳と要約を同時に実行可能です。

一方で、AIのパラメーター調整が不十分だと不自然な翻訳結果が出てくる場合があります。
翻訳で使用する際は内容に問題がないかテストし、もし不自然な回答になるようならパラメーターを調整しましょう。

会議の文字起こしと要約

ChatGPT APIは音声ファイルを取り込ませれば会議の文字起こしと要約をしてくれるため、議事録の作成も可能です。
プロンプトの設定によっては文字数の調整やキーワードのピックアップなども実行できるため、さまざまな書式に対応できます。

ただし、音声ファイルの容量が大きいと読み込めない可能性があるため、大容量の音声ファイルは圧縮や分割などをしてから読み込ませましょう。

ChatGPT APIの使い方を3ステップで解説

ChatGPT APIを導入するなら、以下の手順で手続きを行いましょう。

  • 【ステップ1】OpenAIアカウントの開設
  • 【ステップ2】APIキーの取得
  • 【ステップ3】PythonでAPIを呼び出す

ChatGPT APIは3ステップで導入が完了します。
手順自体は簡単ですが、設定にコツがいる場合があるので、それぞれ解説します。

【ステップ1】OpenAIアカウントの開設

まずはOpenAI社の公式サイトにアクセスし、OpenAIアカウントを開設します。
公式サイト内にある「Get started」をクリックすれば、アカウント作成画面に進めます。

メールアドレス・氏名・電話番号などの必要情報を入力し、SMS認証をクリアすれば登録は完了です。
また、OpenAIアカウントはAppleアカウントやGoogleアカウントからの作成も可能です。

なお、ChatGPT APIは日本語に対応しているツールですが、OpenAI社は海外の企業であるため、公式サイトが英語表記になっている場合があります。
もし英語表記になっていたら、Google翻訳のようなツールで日本語に翻訳してから手続きしましょう。

【ステップ2】APIキーの取得

ChatGPT APIを使用するうえで欠かせないものがAPIキーです。
APIキーは「Create new secret Key」から作成します。作成したAPIキーは、悪用を防ぐうえでも第三者にコピーされないように注意してください。

また、APIキーは一度しか表示されないため、必ずコピーして保存しましょう。
もしコピーを忘れてしまうと、取得したAPIキーを削除したうえで、新たに発行しなければならなくなります。

【ステップ3】PythonでAPIを呼び出す

APIキーの発行が完了したら、早速実装を行います。
本記事ではPythonを使用したAPIの呼び出し方法を紹介します。

Pythonのターミナル、あるいはコマンドプロンプトで「pip install openai」を入力した後、”YOUR OPEN AI”にコピーしたAPIキーを貼り付けましょう。
第三者も使用できる業務用のパソコンでAPIを呼び出す際は、環境変数にAPIキーを読み込むなどして直接見られないようにしてください。

その後は以下のようなコードを入力して動作テストを行います。

promptChatGPTへの指示
model使用するChatGPTのモデル
responseChatGPTからの返答
max_tokensトークン数

ChatGPT APIの動作テストを行い、動作や返答に問題がなければ導入は完了です。

なお、本記事ではPythonを使用した方法を紹介していますが、ほかのプログラミング言語でも普段使用しているライブラリからAPIの呼び出しができます。

また、LINEやSlackなどの既存のツールを連携させる場合は、それぞれのツールに応じた方法でChatGPT APIを実装する必要があります。
連携する際は、各ツールのマニュアルを参照しましょう。

参照:OpenAI

ChatGPT APIの料金算出方法

料金の算出方法を知れば、ChatGPT APIの利用で発生するコストを認識しやすくなります。
本章では料金だけでなく、ChatGPT APIをリーズナブルに使用するコツについても説明します。

ChatGPT APIは従量課金制であり、使用したトークン数によって料金が変動します。
一般的に使用されやすい「GPT-3.5 Turbo」の場合、1つのトークンにつき以下の料金が設定されています。

・1000入力トークンにつき0.015ドル
・1000出力トークンにつき0.002ドル


出典:OpenAI公式サイト

トークン数とは文字数・単語数と必ずしも同義ではありません。
ChatGPT APIはテキストの生成や質問応答など、利用する過程で入力・出力した文字数によって料金が変動します。

その際の計算式は以下の通りです。

入力トークン×料金+出力トークン×料金=支払料金

算出された料金は月ごとに計算され、月末に支払われます。

なお、トークンごとに設定された料金はChatGPT APIのモデルによって異なります。
また、OpenAI社の価格設定やドル相場の変動によっても料金が上下する場合があるので注意しましょう。

コストを抑えてChatGPT APIを活用する方法

従量課金制である以上、ChatGPT APIは日々の運用を工夫してコストを抑える必要があります。
ChatGPT APIのコストは、以下の方法で抑制が可能です。

  • max_tokensを設定する
  • 英語入力する
  • キャンペーンを活用する

それぞれの方法を実践すれば、よりリーズナブルにChatGPT APIを利用できます。
長期的にChatGPT APIを運用するためにも、ぜひ参考にしてください。

max_tokensを設定する

max_tokensとは、ChatGPTのレスポンスに必要なトークン数(文字数)をあらかじめ制限しておく機能です。

ChatGPTはユーザーの質問に応答する際、回答が10~20文字程度ですむ簡単な質問でも、想定より多い文字数で返答するケースが珍しくありません。
このような状況を放置すれば、ただ回答させているだけでもコストが無駄に高騰する恐れがあります。

max_tokensは、回答のトークン数を制限することで、無駄なコストを減らす効果が期待できます。
パラメータを指定するだけで設定できるうえに、以下のようにトークン数を指定しておけば、任意の分量に調整が可能です。

「10」はトークン数を指しており、回答時に生成できるトークン数の上限です。
上記の場合、「質問の返答を最大10文字で行う」と設定されています。

なお、max_tokensで分量を制限しても、回答の文字数が変わるだけで、精度に極端な影響が出るわけでありません。
ただし、文字数の制限を厳しくすると、要約など長文を前提とした返答の精度が低下したり、文章が不完全な状態で出力されたりします。

実際の運用を想定してmax_tokensを設定しましょう。

英語入力する

英語入力するだけでも、ChatGPT APIのコストを減らせます。
なぜなら、英語と日本語ではトークンの算定基準が異なるためです。

元々ChatGPTは英語で入力すると1単語が1トークンとして認識されます。
この際、「?(クエスチョンマーク)」や「.(ピリオド)」などの記号も1単語として扱われます。

しかし、日本語では、ひらがな・カタカナ・漢字といった文字の種類によってトークン数のカウントが英語と異なることがありますのでご注意ください。
加えて、漢字は2~3トークンとして扱われるケースがあります。

つまり、同じボリュームのテキストでも、日本語は英語より使用量が多いと認識されやすくなります。
そのため、使用量を抑えるなら、テキストを英語に翻訳してからChatGPT APIに読み込ませ、英語の応答を日本語に翻訳する方法を使いましょう。

キャンペーンを活用する

OpenAI社が実施するキャンペーンを活用すれば、ChatGPT APIをリーズナブルに利用できる場合があります。
例えば、過去には新規アカウントに一定の無料クレジットが提供されていた時期がありました。

同じようなキャンペーンが今後も実施される可能性はあるので、OpenAI社からの情報は確認しておくことがおすすめです。

なお、OpenAI社は、過去に初期クレジット(無料枠)を提供していたことがありました。
OpenAIアカウントを取得すると、3カ月間だけ有効な5ドルの初期クレジットを獲得できるものです。

初期クレジットは2025年5月に廃止されたため、現在は使用できません。
ただし、OpenAI社の方針転換で復活する可能性があるので、定期的に公式サイトをチェックしておきましょう。

WaGAZINE読者さま限定!

生成AIのPoC事例集大手企業の事例・検証ポイントを紹介

生成AIの導入を検討している経営者/マネージャーの方や、新規事業で生成AIを活用したいプロジェクト責任者の方にオススメ

ChatGPT APIの活用事例5選

ChatGPT APIはさまざまな企業で導入されていますが、実際にChatGPT APIを導入した企業には以下のようなものがあります。

  • 【株式会社電通デジタル】社内データベースとChatGPT APIの連携
  • 【株式会社タップル】マッチングアプリのプロフィール添削機能を実装
  • 【株式会社グノシー】AIによる動画内容の要約
  • 【株式会社オプト】効果予測AIを活用した広告制作を実現
  • 【note株式会社】全クリエイターが利用できるAIアシスタントを提供

活用事例はChatGPT APIの使い道を考えるうえで有用なサンプルになります。
それぞれの事例について順に解説するので、ぜひ参考にしてください。

【株式会社電通デジタル】社内データベースとChatGPT APIの連携

株式会社電通デジタルはChatGPT APIと社内データベースを連携させ、全社員にアカウントを付与するなどAIの積極的な活用を実践しています。
元々電通デジタルでは、コピー・広告の原案作成にChatGPT APIを使用していましたが、2023年に全社員が利用できる体制を実現しました。

これにより、顧客からの質問への回答やソリューションへの提案などをスムーズに遂行する環境が整えられました。
さらにプラットフォームの整備やAI活用グランプリの実践など、従業員のAIへの知見を深める取り組みも実践しています。

参照:株式会社電通デジタル公式サイト

【株式会社タップル】マッチングアプリのプロフィール添削機能を実装

株式会社タップルは、自社製のマッチングアプリにChatGPT APIを投入し、AIによるプロフィール添削機能を実装しました。
この機能はユーザーが作成したプロフィール文をChatGPTが自動で添削し、アドバイスを自動で提供するものです。

また、利用するユーザーが安心できるように、入力されたテキストをモデルの学習に使用しないAPI連携を使用しています。
タップルの取り組みはマッチングアプリ業界で初めて実施されたことであり、競合他社からも注目を集めました。

参照:株式会社タップル公式サイト

【株式会社グノシー】AIによる動画内容の要約

株式会社グノシーもChatGPT APIを活用しています。

グノシーでは自社製の情報キュレーションアプリ内で紹介している動画を数行のテキストに要約し、ユーザーに紹介できるシステムを実装しました。
これにより、長尺の動画でもスピーディーに内容が把握できるうえに、記事から元の動画に遷移できるようにすることで、スムーズに閲覧できます。

なお、グノシーのChatGPT API導入はユーザーと情報の接点を最適化するだけでなく、構想から開発へ至る期間の短縮化を実現しています。

参照:株式会社グノシー公式サイト

【株式会社オプト】効果予測AIを活用した広告制作を実現

株式会社オプトはChatGPTと効果予測AIを組み合わせた「CRAIS for Text」を開発しました。
広告クリエイティブ制作へのAIの応用は広告業界でも初の試みです。

CRAIS for Textは過去の広告文だけでなく、業界や商品などの膨大な情報から生活者の傾向にマッチした広告文をさまざまなパターンで生成できます。
CRAIS for Textはクリエイティブ制作にかかる時間を短縮できるだけでなく、より宣伝効果が高い広告の製作にも役立つ機能です。

さらに、オプトは、2025年から企業やブランドの公式キャラクターとAIを組み合わせた「Soulful AI™」と呼ばれるサービスを提供しています。
公式キャラクターによるトーク機能や、デイリーボーナス機能など、企業やブランドのアプリケーションに情緒的な価値を付加するうえで役立ちます。

参照:株式会社オプト公式サイト

【note株式会社】全クリエイターが利用できるAIアシスタントを提供

note株式会社は自社で提供しているツールにChatGPT APIを応用したAIアシスタントを導入しました。

AIアシスタントには、文章の添削・要約・レビュー・タイトルの提案といった、ユーザーの作業を円滑化する機能が搭載されています。
さらに日本語・英語・中国語・韓国語の翻訳機能も利用可能です。

さらにnoteはAIアシスタントの活用を促進するために、ハッシュタグ「#AIとやってみた」を新設するなど、独自のキャンペーンを実施しています。

参照:note株式会社公式サイト

ChatGPT APIの注意点

ChatGPT APIはすぐれたツールですが、気をつけるべき注意点もいくつかあります。
ChatGPT APIを使用する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 情報漏洩のリスク
  • トークン使用量やリクエスト数による料金の変動
  • 出力内容の信憑性

いずれの注意点も予期せぬアクシデントを招く要因になりかねないので、必ずチェックしましょう。

情報漏洩のリスク

OpenAI社はChatGPT APIで入力された情報を学習に使用しないと明言していますが、第三者に情報が漏洩するリスクは少なからず存在します。
ChatGPT APIは顧客の個人情報や社内の機密を入力する場合もありますが、情報漏洩を避けるなら、リスクが高い情報の入力は避けましょう。

また、ChatGPT APIを導入する際に、ユーザーに向けて「入力されたデータを学習には使用しない」といった旨の告知をすることも有効です。
情報漏洩に対するユーザーの警戒心を緩和できます。

もちろん、ChatGPT APIを組み込み既存のサービスのセキュリティも重要です。
内部に蓄積されているデータが漏洩すれば、多大な損害が発生する事態になりかねません。

トークン使用量やリクエスト数による料金の変動

ChatGPT APIは従量課金制であるため、トークン使用量やリクエスト数によって料金が変動します。
そのため、際限なく使用すると料金が膨らみ、コストが増加する恐れがあります。

コストを抑えるなら、トークンの使用量やリクエスト数を少しでも減らしましょう。
トークン使用量が増えやすい日本語での入力を避けたり、過去のやり取りを減らしたりすれば、コストの抑制につながります。

もちろん、先述したmax_tokensの活用や、英語での入力などの方法も料金を抑えるうえで役立ちます。

ただし、過剰な制限を設けるとAIの返答や出力内容の精度が落ちるので注意が必要です。
特にmax_tokensは長文の出力に影響を与えます。

ChatGPT APIの運用方法や出力の精度に配慮しながら、適切に設定しましょう。

出力内容の信憑性

ChatGPTは常に進化を続けていますが、ハルシネーションを起こすリスクがあります。
ハルシネーションとはAIが事実とは異なる情報を出力する現象であり、ChatGPTのような生成AIにとって重要な問題です。

ハルシネーションは学習過程で誤情報や偏った情報を取り入れたり、古い情報が更新されていない状態のまま放置したりしていると発生しやすくなります。
加えてAIは事実の真偽よりも文脈に沿った回答を重視するため、曖昧な質問に対して回答するために事実に基づかない情報を含むリスクがあります。

昨今では、学習データの質の向上やフィルターの設定によってハルシネーションを防止できる確率は引き上がっていますが、完全にリスクはなくなっていません。
そのため、ChatGPTが出力した内容を盲目的に信じると誤情報を流してしまい、ツールやサービスの信頼性に影響を及ぼす恐れがあります。

ChatGPT APIで情報収集をする際は、必ず回答内容のファクトチェックを行い、誤情報を取り入れないように注意しましょう。

ChatGPT APIについてよくある質問(FAQ)

本章では、ChatGPT APIを導入するうえで、ありがちな疑問について解説します。
それぞれの回答も記載しているので、疑問の解消にお役立てください。

Q.ChatGPT APIと通常のChatGPTの違いは?

ChatGPT APIとChatGPTの違いは以下の通りです。

ChatGPT API:ChatGPTを既存のWebサービスやアプリケーションに組み込むためのツール
ChatGPT:OpenAI社が提供している対話型生成AIサービス

ChatGPTは生成AIの本体であり、ChatGPT APIは生成AIをプログラムに組み込むためにツールを意味します。
ChatGPTをインストールしたからといって、そのままWebサービスやアプリケーションに組み込めるわけではありません。

Q.日本語でも使える?

ChatGPTは日本語でも使用可能です。

しかし、日本語で使用する場合、トークン数(文字数)に注意が必要です。
ChatGPTは日本語だとひらがなやカタカナは1文字につき1トークン、漢字は2~3トークンとして扱われるケースがあります。

そのため、英語で使用するより料金が増加しやすくなります。
コストを抑えたいなら、英語での入力がおすすめです。

また、英語での入力に加え、出力される文字数を分量を制限するmax_tokensを設定しておくと、よりコストを抑えられます。

Q.APIはどこまで無料?

ChatGPT APIは過去に初期クレジット(無料枠)を提供していましたが、2025年5月に廃止されました。
現在は最低でも5クレジット(日本円で約750円)以上を購入しなければ、ChatGPT APIは利用できません。

つまり、現時点でChatGPT APIを無料で使用する方法はありません。

しかし、OpenAI社は入力・出力内容のデータを提供することで無料クレジットが得られるなど、ユーザーにとって嬉しいキャンペーンを過去に開催しています。
キャンペーンは半年程度の長期に渡って開催することもあるため、積極的に活用しましょう。

また、OpenAI社の方針が変更されることによって、初期クレジットが復活する可能性もゼロではありません。
公式サイトの定期的な確認をおすすめします。

Q.商用利用は可能?

ChatGPT APIは商用利用が可能です。

元々ChatGPT APIは商用のサービスですが、OpenAI社はChatGPTの利用規約においても継続的な商用利用が可能であることを記載しています。
ChatGPTで生成したテキストだけでなく、画像についても同様の扱いです。

実際、多くの企業がChatGPT APIを利用することで、画期的なサービスを実現しています。

ただし、ChatGPT APIは不正確な情報の出力や、著作権を侵害するリスクが少なくありません。
商用利用の際は、運用規定を設けるなど、適切な運用を心がけましょう。

ChatGPT APIを活用すればビジネスのさらなる進化を実現できる

ChatGPT APIは業務の効率化だけでなく、さまざまなWebサービスと連携し、よりすぐれた機能やツールの提供を実現できます。
ChatGPT APIのできることや使い方を理解すれば、さまざまな場面での活用が可能です。

実際、多くの企業でChatGPT APIを活用した事例は増えており、多大な成果を挙げたケースもあります。
今後もChatGPT APIを利用した新たなサービスの登場が期待されています。

ただし、ChatGPT APIはトークンの使用量やリクエスト数によって利用料金が変動しやすく、ハルシネーションを起こすリスクがあるものです。
実際にChatGPT APIを導入するなら、注意点を理解したうえで使用しましょう。

WaGAZINE読者さま限定!

生成AIのPoC事例集大手企業の事例・検証ポイントを紹介

生成AIの導入を検討している経営者/マネージャーの方や、新規事業で生成AIを活用したいプロジェクト責任者の方にオススメ

この記事を書いた人
Wakka Inc. メディア編集部
  • ホーム
  • ブログ
  • ChatGPT APIとは?使い方やできること、活用事例などを解説