ECサイトの構築~実際に運用するまでの流れ、選択肢について解説!

2023.05.01
EC開発
安藤 大海
EC 構築 運用
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こんにちは。Wakka Inc.のテクニカルディレクターの安藤です。

以前から買い物をオンラインで行う人は増えていましたが、コロナ禍で買い物のオンライン化が加速しました。そして、オンラインでの買い物に欠かせないのがECサイトです。いろいろな商品を扱っているECサイトもあれば特定のジャンルに特化したECサイトもあり、ECサイトのバラエティが豊富になっている状況です。

ECサイトを成功させるためには、ECサイトの構築方法を適正に選択することや、運用の流れをスムーズにすることが重要です。運用は自動化できる部分も多いですが、予算や規模感からどこまでをシステム化しどこからを手動で行うといった判断も必要になります。

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目次

ECサイトの構築方法

ECサイトの構築方法には複数の選択肢があります。具体的には、以下が挙げられます。

  • フルスクラッチ
  • パッケージ
  • オープンソース
  • ASP
  • クラウド
  • SNS

それぞれの構築方法の内容や、初期費用、月額費用、拡張性などについてご説明していきます。

フルスクラッチ

フルスクラッチは、ゼロからECサイトを構築する手法です。土台となるシステムなどはなく、ゼロからエンジニアがプログラミングによってECサイトを構築していきます。ゼロから開発するので自由にカスタマイズできて拡張性は高いですが、費用がかかるというデメリットがあります。

初期費用としては数千万円、運用費用も月に数十万円程度かかることも少なくありません。そのため、フルスクラッチでのECサイト開発は比較的大企業が行うケースが多いでしょう。

ただし小規模のECサイトをフルスクラッチ開発することも可能です。その場合も他の構築方法よりは費用がかかりますが、独自性が高く、自社商品に合ったECサイトにできるというメリットがあります。

パッケージ

パッケージとは、ECサイトに必要な機能があらかじめまとまっていて、この機能を利用してECサイトを構築するものです。パッケージには、カート機能、受注機能、売り上げ管理機能、顧客管理機能などが入っています。

パッケージに必要な機能がない場合は、フルスクラッチ同様に独自に開発して追加していくことになります。そのためECサイトをパッケージで構築した場合にかかる費用はどれだけ機能追加したかによって大幅に変わってきます。

パッケージ開発の初期費用は数百万円、毎月の運用費は10万円~20万円程度が相場になるでしょう。ただしECサイトの規模が小さい場合、これよりも費用を抑えることは可能です。機能構築を自社で賄った場合なども費用は抑えられるでしょう。

オープンソース

オープンソースとは、オンラインで公開されたプログラムのことです。ECサイト構築のためのプログラムもオープンソースとして公開されていて、誰でも利用できます。オープンソースはまとまった機能として公開されているため、そのまま使用することが可能です。

オープンソースは誰でも使用できて便利ですが、使いこなすためにはスキルが必要なことや、セキュリティ面に不安があるというデメリットがあります。セキュリティ面については、誰でも見れるように公開されているプログラムを使うので、たとえばハッカーがプログラムを確認してハッキングできるということです。

オープンソースで公開されているプログラムの穴を見つけ、そのプログラムを使っているECサイトを見つけて攻撃するということです。実際にオープンソースで作られたECサイトから個人情報が流出する事故が複数発生しています。

オープンソースの費用は、初期費用は自社で対応した場合0円です。月額費用は10万円~十数万円が相場でしょう。

ASP

ASPはそのまま手軽にECサイトが構築できるツールです。ECサイトを構築するというよりは、もともと構築されているECサイトをそのまま利用するという表現の方が適切でしょう。

上でご紹介したパッケージは機能のまとまりを使ってある程度プログラミングしてECサイトを構築するのですが、ASPの場合はプログラミングは行わずにそのまま使用します。

手軽に利用できるという点が大きなメリットですが、拡張はできません。つまり既存のものをそのまま利用するしかないということです。ASPには無料のものと有料のものがあります。

有料のASPは無料のASPに比べて機能やサポートが充実しています。無料ASPは初期費用も月額費用も無料で、有料ASPは初期費用が数万円程度、月額費用も数万円程度です。有料であっても、上でご紹介したようなフルスクラッチやパッケージと比較するとリーズナブルです。

クラウド

クラウドサービスは、企業がサーバーやソフトウェアを持たず、外部サーバーにアクセスすることで利用するサービスです。外部のサーバーにECサイトが用意されていて、そこにアクセスするということです。

クラウドサービスの費用相場は、初期費用が数百万円、月額費用は10万円~数十万円程度です。拡張性は制限があるもののそれなりの自由度はあります。システム構築を行わない割には価格帯が高めに感じられるかもしれませんが、クラウドはセキュリティ面も含めてほとんどサービス提供業者が行ってくれるためその点でもメリットがあり、結果的に人気があります。自社でサーバーなどを用意しなくて良い点もメリットと言えるでしょう。

SNS

SNSでもECサイトを開設することが可能です。具体的にはFacebookとInstagramにはECサイトを開設できる機能がついています。拡張性はありませんが、初期費用も月額費用も0円です。誰もが簡単に始められるので、まずはSNSのECサイトから始め、売り上げが伸びたらパッケージやクラウドに移行するという選択肢もあります。

ECサイト運用の流れ

ECサイトの構築方法をご紹介してきましたが、ECサイトを運用するためには当然サイトを構築して終わりではありません。そこで、ECサイト運用の全体像をご紹介します。ECサイト運用では以下の業務を行う必要があります。

  • 商品企画
  • 仕入(直接商品を仕入れるか、材料を仕入れて製造する。)
  • ECサイト構築(上でご紹介した内容です。)
  • プロモーション
  • 受注処理~配送の日常業務
  • 在庫管理
  • 顧客サービス

それぞれの業務内容をご紹介していきます。

商品企画

商品企画とは、ECサイトでどのような商品を取り扱うのか考えることです。ユーザーニーズの分析、原価率・利益率の計算、販売計画などが必要になります。商品企画にもとづいて仕入をします。

仕入

商品企画にもとづいて商品を仕入れて販売する場合もあれば、材料を仕入れて製造する場合もあります。仕入数も販売計画にもとづいて決定します。

ECサイト構築

ECサイト構築については上でご紹介した通り複数の選択肢があり、サイトの規模や運用体制によってどの構築方法を選択するかが変わってきます。また当然ですが、どの方法で構築する場合もユーザービリティ、デザイン、商品を魅力的にアピールできているか、といったポイントは重要です。

プロモーション

プロモーションとは、ECサイトや商品の宣伝を指します。今の時代はこのプロモーションが非常に重要になっていて、プロモーションで差別化が図られると言っても過言ではありません。

商品自体でも差別化は図られますが、モノがあふれている時代なので商品差別化が難しくなっています。そこで、競合と類似する商品であってもプロモーションをいかに行うかによって差が付きます。

プロモーションの方法はオンラインが中心で、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • SNS
  • Webサイト
  • アフィリエイト広告
  • ディスプレイ広告
  • リスティング広告

SNSやWebサイトは集客の基本になっています。ECサイトに限った話ではなく、商品やサービスを売るための基本ツールと言えるでしょう。またECサイト自体もWebサイトに含まれます。言い換えれば、ECサイトのアクセスが伸びるように検索エンジンに引っ掛かりやすいように施策を施すことがプロモーションにつながります。いわゆるSEO対策です。

広告については複数の種類がありますが、いずれも初期費用がかかり、また中・長期的に考えればSNSやWebサイトで集客できた方がランニングコストがかかりません。広告はECサイトの規模が大きく、予算が豊富な場合のプロモーション戦略と言えるでしょう。

受注処理~配送の日常業務

受注処理~配送の間には、受注処理、出荷、在庫管理、配送が含まれます。出荷の過程で在庫管理も行われます。受注処理は、ユーザーからの注文受付のことです。ECサイトの機能で自動的に行う場合が多いでしょう。

出荷もシステム上の処理は半自動的に行われる場合が多いですが、人間による確認処理や、もちろん物理的に商品を送るための作業が発生します。外注化して倉庫から送ってもらう場合もありますが、自分たちで送っている企業もあります。

在庫管理はシステム上の処理は自動で行われる場合が多いですが、物理的な作業は自社で行うか外注先が行うことになります。配送についても自社で行う場合もあれば、外注している場合もあります。ECサイトでの販売は、システム上の処理と物理的な処理がセットになっています。

顧客サービス

アフターサービスや問い合わせ対応もECサイト運用における重要な業務です。顧客にクーポンやおすすめ商品のメッセージを送ることや、クレーム対応も顧客サービスに含まれます。顧客サービスも一部ECサイトの機能で自動化することができます。たとえば顧客へのメール配信や、簡単な問い合わせ対応などはシステム化されてきています。

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ECサイト運用に必要なスキル

ECサイトの構築にはIT関連のスキルが必要です。自分でデザインや処理を実装する場合、HTML、CSS、JavaScriptといったフロントエンドの開発スキル、サーバー側の実装をする場合はPHP、Ruby、Java、Pythonといったサーバーサイドの開発スキルが必要です。データベースを操作するにはSQLのスキルが必要です。

このようにECサイトの構築にはIT技術が必要ですが、ECサイトの運用にもスキルが必要です。ECサイトの運用に必要なスキルとしては、Webマーケティングスキル商品企画スキルカスタマーサポートスキルなどが求められます。

市場ではどのような商品にニーズがあるのか、どのような商品を用意すれば売れるのかといった分析を行い、また購入してくれる顧客とのコミュニケーションも必要です。実際にECサイトを運用してスキルが身に付いていくことも多いですが、事前にどのようなスキルが必要かを把握し、スキル習得にも力を入れるのがおすすめです。

ECサイトを構築・運用してみても想定通りにうまくいかないケースも多いです。しかし、試行錯誤の過程でスキルが身に付いていくので、その後の取り組み次第でサービスが伸びていきます。

試行錯誤もやみくもに行うのではなく必要スキルを意識しながら実践していくことが重要なので、特にWebマーケティング、商品企画、カスタマーサポートの3つは押さえておくのがおすすめです。

まとめ

ECサイトは構築から運用までの流れを計画し、スムーズに軌道に乗せていくことが重要です。ECサイトの構築方法や、運用が始まってからの体制には複数の選択肢があります。

実際にやってみなければわからないことや、計画していても変更になる可能性はあります。しかし事前に全体の流れを決めておかないと途中で頓挫してしまう可能性があるので、ECサイト構築から運用までの一連の流れはスケジュールで決めておくのがおすすめです。

弊社ではシステムの構築から運用保守まで幅広く対応が可能です。ECサイトの開発にも対応しています。また、『ラボ型開発サービス』を組み合わせてお客様のシステムの成功に伴走するプランもご用意しています。

システムの構築やリニューアルでお悩みの方は、まずはぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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