ECサイト運営はどんな業務?必要なスキルも解説!

2023.05.01
EC開発
安藤 大海
ECサイト 運営 業務
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こんにちは。Wakka Inc.のテクニカルディレクターの安藤です。

時代の流れとして多くのサービスがオンライン化しています。それに伴い、ECサイトの需要も伸びているため、ECサイト運営を考えている法人や個人も多いでしょう。

とはいえ既存のECサイトに商品を出品するだけでなく、独自にECサイトを制作するとなると、背負うものも大きくなりうまく運営できるか不安もあるはずです。

そこで、ECサイト運営業務はどのようなものなのか、どのようなスキルが必要なのか解説します。

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目次

ECサイトの運営業務

ECサイトはオンラインで商品を販売するためのサイトです。そのため、通常のサイト運営とも店頭での商品販売とも業務内容が異なります。ただし、通常のサイト運営、店頭での商品販売とそれぞれ重複する業務もあります。

言い換えれば、ECサイトの運営業務はサイト運営というオンラインの業務と、店頭での商品販売という商品販売、接客業務の両方の性質が求められると言えるでしょう。では具体的にどのような業務を行うのか、細分化して解説していきます。

大きく分けるとフロント業務バックエンド業務に分けられるので、それぞれご紹介します。

フロント業務

ECサイト運営のフロント業務として、以下が挙げられます。

  • 商品企画
  • 仕入れ・製造
  • ECサイト制作・管理
  • webマーケティング

以上がフロント業務です。それぞれの内容を解説していきます。

商品企画

ECサイトの目的は商品を売って利益を出すことなので、商品企画は非常に重要です。商品の内容、販売計画などを決める必要があります。商品企画の具体的な流れは、企業や個人によって異なります。

たとえばもともと店頭販売を行っていた企業がECサイトに進出する場合、既存の商品をECサイトで販売することになるでしょう。そして商品によって、いろいろな課題が出てきます。

アパレル企業なら試着ができないのでサイズ感がわかりやすいようにする、返送可にする、食料品なら鮮度の問題が出てくるので食料品に強い配送業者を探す、保管場所を分けて配送するようにする、といったイメージです。

Web業界がECサイトに進出する場合はオンライン戦略やIT技術が強みになるので、逆にどのような商品を扱うかの選定には時間をかけることになるでしょう。このように企業によって商品企画のどの部分に力を入れるべきかが変わってきます。

仕入れ・製造

商品が決まったら、仕入れや製造が必要です。仕入れと製造についても、商品によって流れが変わってきます。たとえば製造まですべて外部に任せる場合もあれば、原材料だけを仕入れて自社で製造を行う場合もあります。

実店舗ですでに取り扱っている商品をECサイトで販売する場合は、仕入れと製造の流れはすでにできているでしょう。ECサイトでの販売数に応じて、仕入れ数、製造数が変わってきます。

ECサイトで販売するために新規で商品を用意した場合、仕入れや製造にどのくらい期間が必要か読めない場合もあります。そのため、初期準備は早めに行うことが重要です。受注が入ったのに商品が用意できないと売上機会を損失することはもちろん、評判も悪くなってしまいます。

今の時代は特にネットやSNSでの評判が非常に重要で、ECサイトはオンラインで完結する分評判もオンラインで拡散されやすいです。消費者がオンラインで商品を購入しているので、ネット、SNS上の情報を目にしやすいということもあります。

評判を落とさないためにも、仕入れや製造のトラブルは最大限防止すべきでしょう。

ECサイト制作・管理

ECサイトで商品を販売するためには、当然ECサイトが必要です。ECサイトを制作する必要があり、またECサイトの運営が開始したら管理を行う必要があります。ECサイトの制作、管理は自社で行うことも可能ですが、制作は外注するケースが多いでしょう。

制作は外注し、管理は自社で行う、というパターンが多いです。ECサイトの制作を外注する場合、制作方法は複数あります。具体的には、フルスクラッチ、パッケージ、ASPなどが挙げられます。

どの制作方法が良いか、外注する場合どの企業に依頼するか、といったことを検討する必要があります。ECサイトの運営が軌道に乗ればサイトの管理にはそこまで手間はかからないのですが、初期段階ではサイトに手間がかかります。

また十分に比較検討して決めないと後々後悔する可能性があるでしょう。拡張性まで考えて制作しないと、サイトを引っ越しする必要が出てくるかもしれません。長期的な視点も含めると判断が変わってくることがあるので、サイトの制作段階では時間をかけて検討するのがおすすめです。

webマーケティング

webマーケティングは、ECサイトのアクセスを伸ばすことや、商品の売り上げを伸ばすために必要になります。具体的には、SEO対策、SNS運用、広告運用などが中心です。SEO対策は、Googleなどの検索エンジンで上位に表示するための施策です。

ECサイトの商品を展示するだけでなく消費者が知りたいコンテンツを入れることでアクセスを増やしていく、といったことが考えられます。SNS運用では、新着情報を発信するほか、消費者へのリツイートなども販促につながります。お金を支払うことで、インフルエンサーに商品を紹介してもらうようなパターンもあります。

広告運用は費用が発生しますが、ECサイトの認知度を高める方法としては有効です。ただし広告を出せば商品が確実に売れるというわけではありません。消費者は広告に対してあまり良い印象を持っていないことも多いため、目には留まるものの、購入にはつながらないといったケースも多いです。

消費につなげるためには、ECサイト自体の魅力、商品の魅力、購入したくなるようなストーリーなどを伝えていく必要があります。

バックエンド業務

ECサイト運営のバックエンド業務として、以下が挙げられます。

  • 受注確認
  • 入金確認
  • 在庫確認
  • 商品の検品・梱包
  • 配送
  • アフターサービス

次にバックエンド業務をそれぞれご説明します。

受注確認

受注確認は、ECサイト利用者から注文が入った際に内容を確認し、メールを送信する処理のことです。手作業では行わず、ECサイトの機能で自動化する場合がほとんどでしょう。メールの送信内容もあらかじめ設定しておきます。

入金確認

入金があったら入金の確認を行います。入金確認についても、システムで自動的に通知が来るように設定しておくのが一般的です。クレジットカード払いの場合は支払いが自動化されているため、商品発送前には入金確認は行いません。この場合、商品の発送依頼まで自動化されている場合が多く、業務として効率的です。

在庫確認

商品を発送すると在庫が減るので、在庫処理、在庫確認が必要です。システム上の在庫は自動化されている場合が多いですが、定期的に在庫を物理的にチェックする必要があります。自社で商品を保管している場合は自社でチェックすることになり、外注している場合は外注先に在庫確認をしてもらいます。

商品の検品・梱包

商品の検品・梱包は自社で行う場合もあれば、在庫同様外注する場合もあります。受注数が増えれば商品の検品・梱包が大変になるので、外注するケースが多いです。

配送

商品の検品・梱包が完了したら配送します。配送そのものは配送業者に依頼しますが、在庫管理、検品・梱包を外注している場合は外注先企業が配送の手配をするのが一般的でしょう。

アフターサービス

商品購入後のアフターサービスは、問い合わせ対応などが該当します。商品に問題が合った場合や、使い方に疑問がある場合などに問い合わせが発生する場合があります。問い合わせ対応も自社で行う場合もあれば、コールセンターなどに外注する場合もあります。

問い合わせ件数が少ないうちは自社で対応し、件数が増えてきたら外注するケースが多いでしょう。

ECサイト運営に必要なスキル

ECサイト運営にはいろいろな業務があるということでした。そしてこれらの業務をこなすためには、以下のようなスキルが必要です。

  • WEBマーケティングのスキル
  • IT関連スキル
  • 商品企画スキル
  • カスタマーサポートスキル
  • 分析力
  • 対応力
  • 顧客の気持ちを考える力

それぞれのスキルについて解説していきます。

WEBマーケティングのスキル

WEBマーケティングスキルは、ECサイトを伸ばすためのスキルです。SEO対策、SNS運用、広告運用などがWEBマーケティングの方法です。機械的な設定や作業を行うだけでなく、ツールを活用した分析や、ユーザーニーズを考えることなどが必要です。

IT関連スキル

IT関連スキルとしては、プログラミングスキル、商品撮影スキル、画像制作スキルなどが該当します。すべてを自社では行わずに外注する場合が多いですが、外注する場合も一定のスキルはあった方が業務上利便性が高いでしょう。ゼロからすべてできる必要はありませんが、ある程度は自分でも対応できる状態が好ましいです。

商品企画スキル

商品企画スキルは、消費者にニーズのある商品を考えるスキルなどが該当します。消費者ニーズを探るためにはマーケティングのノウハウが必要で、WEBで実施する場合は一部WEBマーケティングスキルと重複します。具体的なノウハウの実施やツールでの分析は行いますが、多くの情報を収集し、情報に基づいて自分で考えて判断することも重要です。つまり明確にノウハウとして定義づけるのが難しいようなスキルも含まれています。

カスタマーサポートスキル

カスタマーサポートスキルは、顧客満足度を高めるために顧客対応を行うスキルです。効率的に回すための流れを確立することと、コミュニケーションが重要になります。

分析力

上で挙げたマーケティングに関するスキルも分析力に含まれますが、もっと幅広い意味での分析力が重要です。抽象的なので明確に定義づけることは難しいですが、顧客データ、顧客の反応、ライバルの状況などを観察し、考える姿勢がまずは重要と言えるでしょう。ざっくりと考えるだけでなく、数値化や深掘りを繰り返すことで情報やノウハウが蓄積され、分析力が高まっていくはずです。

対応力

対応力も分析力同様に抽象的な能力ですが、抽象的な能力で結果に差が出る場合も多いはずです。対応力は、業務上発生するすべてに対する対応を含みます。具体的には、市場の変化、人員の変化、顧客の変化などが該当します。ルーティンワークを繰り返すだけでなく、変化に対して対応していく力が必要です。

顧客の気持ちを考える力

ECサイト運営はオンラインでの作業が中心になるのでパソコンに向かっていることになりますが、その先には顧客が存在します。パソコンの先の顧客の気持ちを考えることで、より良い商品、サービスが提供できるということです。これはECサイト運営だけでなく、すべてのビジネスに共通するポイントとも言えるでしょう。

どのようなビジネスであっても顧客に何かを提供するために行っているので、顧客の気持ちを考えながら適正に軌道修正していくことは非常に重要です。

まとめ

ECサイトの運営には、大きく分けてフロント業務とバックエンド業務があります。そして業務をこなすために複数のスキルが必要になります。IT技術など明確に定義づけしやすいスキルもありますが、業務が幅広い分抽象的で身に付けるのが難しいスキルも存在します。

こういったスキルを身に付けるためには、実際にECサイトを運営しながら思考錯誤していくことになるでしょう。とはいえやみくもに運営してもうまくいかない可能性が高いので、ECサイトに何が必要か、そのためにはどのようなスキルが必要か、といったことは常に考える必要があります。

またECサイトを運営するためにはECサイトを制作する必要があり、制作方法は複数あります。既存のオープンソースなどを使用することもできますが、今後の拡張性を考えるとフルスクラッチという選択肢もあります。

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この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。