ECの一元管理システムとは?活用するメリットや選び方を解説!
こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
EC運用に一元管理システムを活用すれば、業務負担を軽減できるだけでなく、自社の経営資源を有効活用できて売り上げの向上につながります。
中には
「一元管理システムのメリットとは」
「一元管理システムの選び方がわからない」
上記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回は一元管理システムのメリットから、選び方までわかりやすく解説します。
自社のEC運用に一元管理システムを導入して、生産性の向上を成し遂げたい方はぜひ参考になさってください。
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ECの一元管理システムとは
ECの一元管理システムとは、商品の受発注や在庫情報・売上や商品登録などの情報を一括で管理する、業務効率化に欠かせないシステムです。
自社ECや複数モールに出店すると扱う情報が増えて管理が煩雑になってしまい、ヒューマンエラーやトラブルにつながるリスクが上がります。
トラブル発生時には対応にリソースが割かれて、販売機会の損失を生む可能性もあります。
EC運営を効率化して売上を向上させるためには、一元管理システムの導入が欠かせません。
一元管理と一括管理との違い
一元管理と一括管理が混同して使用されるケースもありますが、意味が異なるため扱う際には注意が必要です。
一括管理は複数のデータを集約して一箇所で管理する意味があるのに対して、一元管理はデータを集約して管理方法も統一する意味を指します。
一元管理のようにデータを集約して管理方法も統一すれば、必要な情報を効率的に活用できます。
一元管理と一括管理の違いを理解して使い分けましょう。
EC一元管理システムの機能
一元管理システムの基本機能を理解しておけば、選定時の判断材料になるでしょう。ここでは、代表的な下記8つの機能を解説します。
- 1.受注管理機能
- 2.在庫管理機能
- 3.倉庫管理機能
- 4.発注・決済管理機能
- 5.出荷管理機能
- 6.商品登録機能
- 7.メール・お問い合わせ管理機能
- 8.データ分析機能
自社ECの運用に必要な作業と照らし合わせて導入を検討しましょう。
1.受注管理機能
受注管理機能は、注文の受付から出荷までの一連の処理を担います。
受注管理機能を活用すれば、自社ECや複数モールで商品を扱う場合でもひとつの管理画面で情報処理が可能です。
従来であれば、注文内容から在庫を確認して出荷指示までを手作業で行っていたため、注文漏れや処理に手間が掛かっていました。
受注管理機能でワンストップな処理が可能なだけでなく、受注ステータスの把握にも役立ちます。
2.在庫管理機能
在庫管理機能は、複数のECで商品を扱う場合に非常に役に立つ機能です。
在庫管理機能を活用すれば複数のECで商品が売れたり、入荷したりした際の情報を反映させて在庫数を正確に把握できます。
返品などのケースでも、リアルタイムで在庫数の反映が可能です。
在庫切れのリスクを防げるだけでなく、棚卸し作業も効率的に行えます。
3.倉庫管理機能
倉庫管理機能を活用すれば、商品の入出庫作業を効率的に行えます。
広大な倉庫で商品を管理している場合、手作業では商品のピッキングに時間を要したり、ピッキングミスが起きたりする可能性も高いでしょう。
倉庫管理機能があれば、商品の確保から出荷作業までスムーズに行えてピッキングミスも防げます。
ピッキングミスが発生すれば信用問題につながる恐れがあるため、リスクマネジメントの観点からも欠かせない機能です。
4.発注・決済管理機能
発注・決済管理機能なら発注を効率化できたり、入金忘れを防止できたりします。
発注には、発注残数の確認から発注書の作成、連絡まで多くの作業工程が存在します。
複数のECで商品を扱っている場合、発注作業が煩雑になるため管理システムの導入が欠かせません。
発注・決済管理機能を活用して、発注から入金の一連の流れを自動化して効率化を実現させましょう。
5.出荷管理機能
出荷作業は多くのリソースが割かれるポイントでもあるため、出荷管理機能で効率化を図りましょう。
出荷作業には商品のピッキングリスト作成や納品書の準備、配送状況の追跡確認が挙げられます。
繁忙期など受注の増加に伴う納期遅れや、出荷ミスを防ぐために出荷管理機能は欠かせません。
管理システムによっては個別ケースに対応できる場合もあるため、導入する際には確認しましょう。
6.商品登録機能
自社ECやECモールなど複数のプラットフォームで出品している場合、商品登録機能が活躍します。
新しい商品を出品する際には、商品名や画像・カテゴリー分けなどの詳細な登録が必要であるため、複数のプラットフォームで出品している場合は大変な作業量です。
商品登録機能があれば、情報の登録や価格の変更も一括で行えます。
商品登録作業を効率化させて迅速に出品できれば、販売機会の損失も回避できます。
7.メール・お問い合わせ管理機能
顧客からのお問い合わせには迅速で丁寧な対応が求めらます。
メールやSNS・電話など複数の窓口で対応した場合には、返信遅れや回答の重複に注意しなければいけません。
メール・お問い合せ管理機能を活用すれば、お問い合せを担当ごとに自動で振り分けたり、対応済みかのステータスを表示したりできます。
過去の対応履歴も分析できるため、サポートの質改善に役立てられるメリットもあります。
8.データ分析機能
EC運用で得たデータは経営戦略を練り直す際に活用できるため、データ分析機能は欠かせません。
EC運用では売り上げが好調な時期もあれば、停滞するタイミングも訪れます。
長期的なEC運用を望む場合には、蓄積されたデータを分析して、検証・改善作業が必要です。
データ分析機能を活用すれば、ECの売り上げや顧客情報の分析が可能です。
取得した分析データを経営戦略に活かしましょう。
EC一元管理システムを活用するメリット
EC運用を行う際には、一元管理システムを導入すればさまざまな恩恵を受けられます。
一元管理システムを導入する具体的なメリットは下記の通りです。
- ヒューマンエラーを防げる
- 作業コストを削減できる
- コア業務に注力できる
- 複数の在庫情報を一括管理できる
- データを簡単に共有できる
順番に解説します。
ヒューマンエラーを防げる
一元管理システムの導入によって、ヒューマンエラーを大幅に減らせます。
手作業で実施していた業務の大半を、一元管理システムの導入で自動化に切り替えが可能です。
在庫数の確認を自動化できれば販売機会の損失を防げたり、出荷作業の自動化によって商品違いのミスも防げたりします。
手作業は起こりうるミスも、自動化によって最小限に抑えられます。
作業コストを削減できる
一元管理システムを導入すれば、作業コストの削減が可能です。
一元管理システムで多くの作業工程が自動化できるため、人件費や作業時間などのコスト削減が可能です。
多くの作業工程を自動化すれば、新人教育に充てるコストも削減できます。
複数のシステムで担っていた業務も、一括管理できれば従業員の負担を大幅に減らせます。
コア業務に注力できる
一元管理システムを活かせば、コア業務に注力できるメリットもあります。
業務を自動化して必要人員を最小限にできるため、空いたリソースはコア業務へ注げます。
主なコア業務には、一元管理システムでは担えない商品開発や、プロモーションなどのフロント業務です。
ビジネスを拡大させるコア業務に注力することによって、将来的な売り上げの向上につながるでしょう。
複数の在庫情報を一括管理できる
ECや実店舗など複数のオムニチャネル展開を行っているケースでも、在庫情報の一括管理が可能です。
一元管理システムなら、すべての在庫情報をリアルタイムで取得して反映できます。
在庫情報をリアルタイムで反映できるため、在庫管理のコストや売り逃しのリスクを軽減できます。
複数の在庫情報を一括管理できるメリットは、オムニチャネル展開に挑戦する際のアドバンテージになるでしょう。
データを簡単に共有できる
一元管理システムがあれば、EC運営に関わる担当者間のデータ共有がスムーズに行われて業務効率が改善されます。
従来は担当者ごとにデータを管理していたケースが多く、データ確認で時間を取られたり確認ミスが起きたりして非常に非効率でした。
一元管理システムを導入すれば最新のデータをまとめて共有できるため、効率的に正確な業務をこなせます。
情報のオープン化は、リスクマネジメントの観点から見ても重要です。
EC一元管理システムを活用するデメリット
ECに一元管理システムを導入するメリットは大きいものの、デメリットも確実に存在します。
具体的には次のとおりです。
- クラウド型システムの場合自社に合わない可能性がある
- 導入・運用にコストが掛かる
- 既存の業務フローを組み替える必要が出てくる
メリットとデメリットの両面性を理解したうえで、活用を検討しましょう。
クラウド型システムの場合自社に合わない可能性がある
クラウド型の一元管理システムでは、自社ECに適合しないケースがあります。
クラウド型の一元管理システムは低コストで導入できる反面、カスタマイズ性が乏しくECの仕様に対応できないケースがあります。
自社ECへのカスタマイズを軸に検討している場合は、フルスクラッチの一元管理システムがおすすめです。
Wakkaのフルスクラッチなら、具体的な費用感から運用・保守までトータルでサポートできるため、検討してみてはいかがでしょうか。
導入・運用にコストが掛かる
一元管理システムの利用には導入・運用コストが掛かる点もデメリットのひとつです。
導入するシステムやECの規模によってコストは異なるものの、初期費用から月額費用、保守費用まで発生するケースもあります。
一元管理システムを導入して削減できるコストを算出し、導入に掛かるコストと照らし合わせて費用対効果を確認しましょう。
コストだけで決めるのではなく、導入目的を含めた総合的な判断が求められます。
既存の業務フローを組み替える必要が出てくる
一元管理システムの導入によって、業務フローの変更や人員配置を見直すケースがあります。
多くの業務工程を自動化できて、必要人員を減らせるのが大きな理由です。
従業員によっては新しいシステム導入に戸惑ったり、人員配置に抵抗を感じたりして社内の混乱を招く可能性もあります。
説明会で導入の目的や効果を理解していただき、マニュアル作成や考慮した人員配置を行なって社内の定着を目指しましょう。
EC一元管理システムの導入が有効なケース
一元管理システムを導入する際には、自社ECで解決したい課題や目的に着目して検討しましょう。
特に導入が有効なケースは次のとおりです。
- リソースをコア業務へ割く場合
- データから販売戦略を練る場合
順番に見ていきましょう。
リソースをコア業務へ割く場合
EC業務を効率化させてリソースをコア業務へ割きたい場合は、一元管理システムの導入が有効です。
一元管理システムで業務を効率化できるため、業務フローや人員配置の変更が可能になります。
余裕のできた人員や作業時間を商品企画などのコア業務に投入すれば、自社ビジネスの拡大も図れるでしょう。
コア業務に力を入れたい企業には、一元管理システムは欠かせないツールです。
データから販売戦略を練る場合
ECの販売データを活用して経営戦略を立てるケースでも、一元管理システムの利用がおすすめです。
一元管理システムを活用すれば、顧客情報や購買履歴などのまとまった情報が取得可能です。
EC運営で蓄積されたデータから将来の売り上げを予測したり、顧客分析に活用したりして、戦略を立てる際に有効活用できます。
EC運営ではニーズや市場の動向に応じた変化が求められるため、正確な情報で戦略を練りましょう。
自社に適したEC一元管理システムの選び方
一元管理システムは便利機能が豊富でEC運営には欠かせませんが、システムの選び方を間違えればあまり恩恵を受けられないケースがあります。
システム導入後の後悔をなくすために、選び方を改めて確認しておきましょう。
一元管理システムの失敗しない選び方のポイントは次の5つです。
- 搭載機能で選ぶ
- 連携できる範囲で選ぶ
- テスト運用の使用感で選ぶ
- 料金形態で選ぶ
- サポート体制で選ぶ
ポイントを確認して、自社に適した一元管理システムを見極めましょう。
搭載機能で選ぶ
自社ECの課題を解消できる機能が搭載されているかは、一元管理システム選びでは大切です。
一元管理システムは、種類によって搭載される機能が異なります。
販売管理の機能がメインで搭載されているケースもあれば、分析機能に注力したシステムもあります。
自社が求める機能を明確にして、課題解決できる一元管理システムを選びましょう。
連携できる範囲で選ぶ
導入する一元管理システムを決める際には、自社のシステムと連携できる範囲で選ぶ方法も有効です。
一元管理システムを利用するためには、自社システムとの連携が欠かせません。
自社の基幹システムだけでなく、出店するモールや倉庫と連携してはじめて本来の機能を発揮できます。
今後の事業拡大も想定して、連携する範囲をイメージしておけば長期的な利用も可能です。
テスト運用の使用感で選ぶ
導入後の後悔や失敗を防ぐためには、試用期間が設けられているシステムを選びましょう。
テスト運用で使用感を確認できるだけでなく、搭載された機能が自社の求めるレベルで提供されているかがわかります。
テスト運用せず導入した場合、エラーを繰り返したり操作性が難しく従業員から不満が出たりするケースもあります。
システムを選ぶ際には搭載機能などの表面的な部分だけでなく、テスト運用で実際の感触を確かめましょう。
料金形態で選ぶ
一元管理システムの料金形態は、導入する際の重要な選定ポイントです。
一元管理システムはさまざまな料金形態で提供されており、導入後に大きな差が生まれる可能性もあるため慎重に選びましょう。
買い切りタイプや月額料金を支払うタイプ、両方が必要なケースもあります。
将来的にECの規模を拡大するケースに備えて、追加オプションの料金も加味して検討しましょう。
サポート体制で選ぶ
一元管理システムを選ぶ際に忘れてはいけないのが、サポート体制の内容です。
導入後に急なトラブルやエラーが起こる可能性は高く、サポート内容によっては生産性が大きく変動します。
一元管理システムを提供する会社によって、サポート窓口の種類や対応時間が大きく異なります。
自社の環境に適したサポート体制を見極めましょう。
おすすめのEC一元管理システム
EC一元管理システムは多くのラインナップが揃っており、サービス内容や料金、サポート体制も異なります。
今回は代表的な一元管理システム8選を紹介します。
- アシスト店長
- CROSS MALL
- ネクストエンジン
- 助ネコ
- まとまるEC店長
- タテンポガイド
- TEMPOSTAR
- LOGILESS
この機会に一元管理システム別の特徴を理解して、選択肢を絞っていきましょう。
アシスト店長
アシスト店長はネットショップ支援室が運営しており、受注・在庫管理業務から顧客管理まで一括して担えるEC一元管理システムです。
一元化されたシステムで多くの作業工程を自動化できるため、作業時間を大幅にカットできます。
各種送り状ソフトと連携できるため発送処理がスムーズな点や、店舗別や店舗を横断した売り上げ分析ができる点も特徴のひとつです。
顧客の要望が機能に反映されているため、幅広い層のEC事業者から支持を得ています。
CROSS MALL
CROSS MALLは、株式会社アイルが運営する一元管理クラウドサービスです。
サービス導入から結果が出るまで専任の担当者がサポートを行っており、ユーザーのリピート率は98%を誇ります。
自社のEC運営状況をヒアリングして、人とシステムの長所を活かした役割分担を提案できる点が大きな特徴です。
リモート操作に対応しているため、エラーが発生した際にもスムーズな処理が可能です。
ネクストエンジン
ネクストエンジンはHamee株式会社が提供するEC一元管理システムです。
「もっと業務を楽にしたい」このような現場の声から生まれたサービスです。
アプリで機能の追加やカスタマイズができるため、事業規模や社会変化への柔軟な対応ができます。
導入をゴールにせず将来の不安も含めたサポートが当サービスの強みであるため、長期的に安心して使用できます。
助ネコ
助ネコは、複数のECと実店舗をまとめて管理できるクラウド型一元管理システムです。
主な機能は、受注管理・在庫管理・商品登録で使いやすさとサポートの充実にこだわっています。
助ネコは有人監視のサーバー内で厳重に24時間管理を行い、常時バックアップもしているため、災害など未曾有の事態でもデータの安全性は保証されています。
画面の流れに沿って操作できる使いやすさも助ネコの強みです。
まとまるEC店長
まとまるEC店長は株式会社ブランジスタソリューションが提供しており、複数モールを一元管理できるシステムです。
月額固定費のみのシンプルプランや、初月無料にトライアルも可能であるため始めやすい特徴があります。
対応範囲を主要なモールに絞っているため、安定したシステム開発や低価格の両立を実現しています。
海外モールとも連携しているため、海外展開を検討している方は特におすすめです。
タテンポガイド
タテンポガイドは株式会社オークファンが運営するEC一元管理システムです。
初期費用は無料なうえに3ヶ月間の無料体験ができるため、入念に導入を検討できるメリットがあります。
専任のサポート体制によって、ITに詳しくない方も安心して利用できます。
自社ECに合わせて、外部機能との連携や機能を追加できる点が強みです。
TEMPOSTAR
TEMPOSTARは、SAVAWAY株式会社が提供するクラウド型の一元管理システムです。
クラウド型ですが個別の要望に対して柔軟に対応が可能であるため、ハイブリッドカスタマイズシステムと呼ばれています。
商品情報や画像を一括で反映できる機能や、複数倉庫と連携して在庫管理ができる機能など運用効率を高める機能が豊富に搭載されています。
サポート体制には基本的な電話やメールだけでなく、操作マニュアルやオンラインセミナーを定期的に開催している点もTEMPOSTARの強みです。
LOGILESS
LOGILESSは、ECビジネスのオペレーション効率化に欠かせない受注管理システムと、倉庫管理システムを併せ持った一体型のシステムです。
自動出荷率90%以上を誇り、受注から出荷までほとんど手を加えなくても良い状態を実現できます。
特定チャネルで購入された方には特別な包装資材を使う個別ケースにも、はじめに設定すればすべて自動化が可能です。
複数の倉庫から自動出荷もできるため、ビジネス拡大や配送コストの調整もできます。
一元管理システムを導入してEC業務の効率化を実現させよう
今回は一元管理システムの具体的なメリットから、導入後に後悔しない選び方のポイントまで解説しました。
EC運営には多くのリソースを割きますが、一元管理システムの導入によって効率化が図れたり、働き方改革やDX推進も実現できたりします。
学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。