ITアウトソーシングとは?メリットやデメリットから導入手順まで解説
こんにちは。Wakka Inc.のWebディレクターの安藤です。
現在多くの企業でITアウトソーシングが活用されています。ITアウトソーシングは、正しく導入すれば、コスト削減や業務の大幅な効率化を実現できます。しかし、
「ITアウトソーシングのメリットや具体的な事例を詳しく知りたい」
「ITアウトソーシングに興味はあるが、導入手順が不明で躊躇している」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、ITアウトソーシングの現状や活用される理由から、メリットやデメリット、導入手順まで徹底解説します。ITアウトソーシングについて理解し、自社に最適な導入方法を知りたい方はぜひご覧ください。
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ITアウトソーシングとは?
ITアウトソーシングとは、IT業務を外部委託することです。ITOと略して呼ばれることもあります。
ITアウトソーシングの導入形態としては、
- 企画から開発・運用まですべてを委託するケース
- 業務の一部のみを委託するケース
があります。
ITアウトソーシングの現状
ITアウトソーシングの需要は年々増加しています。IT業務の拡大や高度化が進み、IT人材の需要が高まっているにもかかわらず、国内の人材不足が深刻化しているからです。
経済産業省の報告では、2030年に最大で79万人のIT人材が不足するといわれています。
(参考:経済産業省 IT人材需給に関する調査)
ビッグデータやAIの活用、オンライン上での顧客情報の管理など、企業にとってIT業務は欠かせません。多くの企業において、IT業務は今後も増え続け、必要性はさらに高まるでしょう。
ITアウトソーシングが活用される理由
前述したとおり、ITアウトソーシングが活用される背景には、IT人材不足の深刻化が挙げられます。
しかし、その他の理由で活用されるケースも増えてきています。具体的には次のとおりです。
- 業務の効率化
- 固定費の削減
- 労働人口の減少
- メイン業務に集中するため
- IT技術の進化への対応
- 繁忙期と閑散期への対応
順番に詳しく解説します。
業務の効率化
ITアウトソーシングが活用される理由として、業務の効率化が挙げられます。IT業務は高度化しており、従業員のITスキル不足は業務の生産性に大きく影響します。
非効率なIT業務をアウトソーシングすれば、人員の余裕が生まれ、メイン業務へのリソース投入が可能です。
業務の効率化を図るために、従業員のITスキルや業務の難易度を考慮し、ITアウトソーシングを検討すると良いでしょう。
固定費の削減
固定費の削減も、ITアウトソーシングが活用される大きな理由です。なぜなら、IT業務はコストが大きく、委託すれば固定費が下がる可能性が高いからです。
例えば、新しいデジタル技術の導入により、一時的に多くのIT人材が必要になるケースもあります。その際にITアウトソーシングを活用すれば、従業員を抱える必要がなく、人件費を抑えられます。
IT技術の高度化による教育コストも考慮し、ITアウトソーシングを検討しましょう。
労働人口の減少
労働人口の減少により、IT業務の担い手が不足傾向にあることも、ITアウトソーシングが増えている要因です。
前述したとおり、経済産業省の報告では、2030年に約79万人のIT人材が不足すると言われています。IT技術の高度化も影響し、さらに人材不足は加速するでしょう。
人材不足への対策としてDXを推進する企業も増えており、ITアウトソーシングの必要性は今後ますます高まることが予測されます。
メイン業務に集中するため
メイン業務に集中するために、ITアウトソーシングを活用するケースも多いでしょう。
IT業務には多くのリソースが必要であり、トラブル時は特にメイン業務のリソースが不足しがちです。さらに、
- 日々の問い合わせ対応
- システムの保守管理
- システムのバージョンアップ
などの定例業務もあります。しかし、ITアウトソーシングを活用すれば、空いた人員をメイン業務に集中させる環境を整えられます。
さらに社内のリソースに余裕が生まれれば、事業拡大に着手する機会にもなるでしょう。
IT技術の進化への対応
ITアウトソーシングが活用される理由として、IT技術の進化への対応も挙げられます。
IT技術は常に高度化しており、相応のスキルを持った人員の確保や育成が難しいケースが増えています。たとえば、
- 5Gの高速通信により多くの端末で同時接続が可能になり、維持管理コストが増える
- ビッグデータの発展で、より膨大なデータを管理する必要がある
など、IT技術は日々進化し、必要な知識やスキルも複雑になってきています。ITアウトソーシングを活用すれば、新しいIT技術にスムーズに対応でき、従業員の採用・教育コストの削減にも繋がるのです。
繁忙期と閑散期への対応
繁忙期と閑散期への対応も、ITアウトソーシングが活用される理由の1つです。企業によっては、繁忙期に備えて多くの人員を確保する場合もありますが、閑散期を考慮すれば、人件費の負担は決して小さくありません。
最低限の人員を確保し、繁忙期のみITアウトソーシングを活用すれば、年間の固定費も抑えられます。
ITアウトソーシングのメリット
ITアウトソーシングのメリットは多岐に渡りますが、具体的には次の通りです。
- コスト削減
- ITシステムの管理体制が盤石になる
- 体制変更の場合でも対応できる
- メイン業務に集中できる
- ITのプロに任せられる
順番に解説します。
コスト削減
ITアウトソーシングの大きなメリットとして、コスト削減が挙げられます。常に高度化するIT業務に対応するためには、IT人材の雇用や教育に多くのコストが必要です。
さらに自社でIT業務を行う場合、サーバーの固定費から管理運用費まで、人件費以外にも多くのコストがかかります。
しかし、ITアウトソーシングを活用すれば、IT人材を抱える必要もなく、自社サーバーを維持管理する必要もありません。委託業者が、複数の企業のIT業務をまとめて担うことで、大幅なコスト削減が実現できるのです。
ITシステムの管理体制が盤石になる
ITシステムの管理体制が盤石になることも、ITアウトソーシングの大きなメリットのひとつです。
IT業務は常にセキュリティや障害などのリスクと隣り合わせであり、自社の従業員だけでは対応が困難な場合も少なくありません。
プログラミングやセキュリティに関する高度なスキルを持ったエンジニアが自社にいない場合、リスク管理などの課題が残り、それだけ従業員の負担も増えます。ITアウトソーシングの活用によって適切なシステムを導入すれば、ガバナンスの強化にも繋がるでしょう。
体制変更の場合でも対応できる
メリットとして、体制変更の場合でも対応できる点も挙げられます。IT業務では導入するシステムが急に変更になり、人員などの体制変更が頻繁に起こります。
急な体制変更により、メイン業務に支障が出るケースもあるでしょう。
しかしITアウトソーシングを活用すれば、自社の体制を変えず、新しいシステムの導入時も安心してプロに任せられます。
メイン業務に集中できる
前述したとおり、メイン業務に集中できるのもITアウトソーシングの大きなメリットです。
IT業務には多くのリソースが必要であり、メイン業務に集中できないタイミングもあるでしょう。例えば、セキュリティ問題やシステムの障害が発生したときなど、解決には多くの人員と時間を要します。
- メイン業務が停滞すれば、売り上げへの影響も避けられません。
- 定例業務や雑務を自動化して、メイン業務に集中できる。
セキュリティ対策や障害対応などの業務の負担を減らせる。という点も、ITアウトソーシングを活用する重要なポイントです。
ITのプロに任せられる
ITのプロに任せられるのは、ITアウトソーシングの大きなメリットと言えます。
前述したとおり、IT業務は常に高度化し、専門性が高まっています。
しかし、ITのプロなら進歩するIT技術への対応も早く、システムの変更にも柔軟に対応可能です。ITが専門ではない従業員の負担を減らして、働きやすさを実現するためにも、ITアウトソーシングは有用でしょう。
ITアウトソーシングのデメリット
ここまでは、ITアウトソーシングの必要性や、多くのメリットを解説してきました。
しかしITアウトソーシングは、進め方によってはデメリットが生じる可能性もあります。具体的には次のとおりです。
- 想定以上にコストが必要なケースがある
- セキュリティ面でトラブルの可能性がある
- ノウハウが残らない
- 生産性が低下する可能性がある
詳しく見ていきましょう。
想定以上にコストが必要なケースがある
ITアウトソーシングには、想定以上にコストがかかってしまう恐れがあります。自社に本当に必要なサービスかの判断が曖昧になり、余計なサービスまで依頼してしまうケースがあるからです。
事前に自社の状況を細かく把握して、「本当に導入が必要かどうか?」を慎重に判断しましょう。
セキュリティ面でトラブルの可能性がある
セキュリティ面のトラブルも、ITアウトソーシングのデメリットの1つと言えます。
なぜなら、情報の公開範囲や用途などの認識のズレが生じる恐れがあるからです。ITアウトソーシングを活用すれば、専門業者がシステムを管理し、セキュリティ上の問題は最小限に抑えられます。
しかし、前述したとおり情報の公開範囲や用途を明確にしなければ、情報漏えいやプライバシーの問題に発展しかねません。
事前にあらゆる状況を想定して綿密に協議し、情報の取り扱いには最大限の注意を払いましょう。
生産性が低下する可能性がある
ITアウトソーシングのデメリットとして、生産性が低下する可能性も見逃せません。委託先によっては、自社システムへの知見が不足しており、かえって時間がかかる場合もあります。
さらに、トラブル解決に時間がかかり、自社で対応した方が効率的な場合もあります。
ホームページに掲載される事例や問い合わせによって、委託先の専門分野や遂行能力は事前にくわしく確認しておきましょう。
ノウハウが残らない
ノウハウが残らないのは、ITアウトソーシングの無視できないデメリットです。IT業務の過程で得られるノウハウは、競合との優位性につながる武器となる可能性が高いです。
ITアウトソーシングの場合、委託先によっては、業務の細かな過程は確認せず、結果のみ共有される場合も少なくありません。
一部の業務を社内に戻す予定がある場合には、自社の専任の担当者を決めるなど、業務内容に深く関わっていく必要もあります。3年後、5年後の状況まで社内でよく検討し、業務ごとに臨機応変に対応するのが良いでしょう。
あるいは、途中から開発チームを移管して、自社の海外開発子会社として設立可能なラボ型開発を導入するのもオススメです。
ITアウトソーシングの主な形態
ITアウトソーシングは、形態により依頼できる業務内容が異なります。下記は、それぞれの業務形態と内容をまとめた一覧表です。
形態 | 業務内容 |
---|---|
フルアウトソーシング | IT関連業務の企画から運用まですべて |
運用アウトソーシング | 導入したシステムのインフラ部分の運用 |
ホスティング | 外部のサーバやストレージの準備や運用、保守 |
ヘルプデスク | コールセンターなどのように、顧客からの問い合わせ対応 |
ハウジング | 自社のサーバや通信機器を外部ベンターのデータセンターに間借りする |
常駐サービス | 提供先に常駐し、業務への協力やサポート |
さらに具体的に見ていきましょう。
フルアウトソーシング
IT業務の一部だけでなく、企画や開発・運用まですべての業務を委託する形態を、フルアウトソーシングと呼びます。IT業務は多くのリソースを要するため、
- 必要な人員の確保が難しい
- 人件費を抑えたい
などの場合には、特にフルアウトソーシングが選ばれる傾向にあります。フルアウトソーシングの活用で、空いたリソースをメイン業務へ投入し、事業拡大に取り組むケースも多いでしょう。
運用アウトソーシング
自社に導入したシステムのインフラ運用を委託する形態が、運用アウトソーシングです。自社でシステムを導入し、運用に取り組む企業は増えています。
しかし、導入後にシステムをうまく使いこなせず、結果的に運用アウトソーシングを活用する企業も少なくありません。
自社で使いこなせないシステムを放置すれば、セキュリティの問題が発生するリスクも高まります。それであればシステムの運用をアウトソーシングしてしまったほうが、かえって業務効率が高まるかもしれません。
ホスティング
データセンター内に設置されたサーバを借りることを、ホスティングといいます。
レンタルサーバーとも呼ばれ、通信事業者やISP(インターネットサービスプロバイダ)が提供しています。
サーバーの運用からメンテナンスまでレンタル先の管理となり、手間が省けるのがメリットです。自社でサーバを管理する企業は、メンテナンスやセキュリティ面で大きなリスクを抱え、管理コストも大きな負担となります。
セキュリティ面や管理コストを考慮するなら、ホスティングを活用するのも、業務改善に大変役立つ手段でしょう。
ヘルプデスク
- 顧客への電話やメール対応
- 夜間や休日対応のサポート
などを包括的に委託する形態がヘルプデスクです。自社で顧客の問い合わせ対応をする場合、想定以上に時間や人員のリソースを割かれるケースもあります。
繁忙期はとくにメイン業務に人員が必要であり、顧客対応が手薄になることを考慮し、ヘルプデスクを活用する企業が多いです。ヘルプデスクの活用で、メイン業務にリソースを集中させ、生産性の向上も期待できるでしょう。
ハウジング
サーバーなど必要機器は自社で用意し、設置場所を間借りする形態がハウジングです。サーバを自社で管理する場合、冷却装置や専用のラックが必要であり、セキュリティ面のリスクも抱えてしまいます。
設置スペースや備品の準備が難しく、セキュリティ面のリスクを減らしたい企業には特にオススメのサービスです。
また、機器のメンテナンスやトラブル対応のほかに、プロによる監視やバックアップがサービスに含まれているケースもあります。
常駐サービス
依頼された企業に必要なスキルを備えた人材を派遣し、問題解決を行うサービスを、常駐サービスといいます。
個人情報や機密性の高いデータを扱っているなど、社外に情報を持ち出せない業務や企業では、特に活用されることが多いようです。
派遣された期間は、適切な人材が常駐し、業務に協力したり、コンサルティングサービスを提供したりする場合もあります。
常駐サービスには、人材派遣したサービス提供側が指示権を持てる委託型と、指示権を持てない派遣サービス型の2種類があります。
ITアウトソーシングの委託先の選び方
ITアウトソーシングの委託先を選ぶ際には、自社が想定する効果を得られるように、考慮したいポイントがあります。考慮するポイントは次の通りです。
- 対応する業務
- 専門性や実績
- コスト
- セキュリティ面
順番に詳しく解説します。
対応する業務
その企業が対応できる業務範囲は、必ず確認しましょう。アウトソーシング先によっては、対応できる業務範囲が異なり、契約後に支障が出るケースもあります。
契約前に、依頼する業務と自社で行う業務を明確にすること。
そして今後依頼する予定の業務も洗い出し、あらかじめ相談することが大切です。
「どの業務を依頼すればいいのか?」といった根本的な部分から支援してくれる企業もあるので、まずは自社の課題やニーズを相談してみるのが良いでしょう。
専門性や実績
専門性や実績は、アウトソーシング先を決める際に重要な情報です。
アウトソーシング先が、依頼した業務への知見やスキルを持っていない場合もあるでしょう。
たとえばアウトソーシング先によっては、特定の業務形態しか対応しないケースもあり、自社が求める業務と照らし合わせる必要があります。
IT業務は高度化しており、常に高いスキルが求められます。ITアウトソーシング先の候補は複数用意し、自社に最適なパートナーを選びましょう。
コスト
コストも、アウトソーシング先を決める際に欠かせない要素です。価格の安さだけで決めてしまうと、依頼先の業務や提供サービスの品質が低く、結果的にコストが増えるリスクもあります。
また依頼した業務へのスキル不足が原因で、トラブルに発展するケースもあるかもしれません。
自社の環境や、依頼する業務への遂行能力を双方で確認し、慎重に進めていきましょう。
セキュリティ面
セキュリティ面も、アウトソーシング先の選択において重要な要素です。IT業務では多くの顧客情報を抱え、情報漏えいのリスクがあります。
「サイバー攻撃や不正アクセスにより、顧客の個人情報が流失した」といったニュースは後を絶ちません。
また委託先が(無断で)業務を再委託しているようなケースもあります。信頼できるアウトソーシング先を見定めることが、何より大切です。アウトソーシング先の情報の管理方法や体制は、必ず確認しましょう。
ITアウトソーシングで効率化しやすい業務
次に、ITアウトソーシングで効率化しやすい業務をご紹介します。具体的には、次のとおりです。
- IT業務全般
- 管理業務やシステム運用
それぞれ詳しく見ていきましょう。
IT業務全般
IT業務全般は、アウトソーシングの導入で効率化しやすいでしょう。
IT業務は常に高度化し、求められるスキルの変化も早く、企業によっては対応が難しい場合もあります。
たとえば、5Gの普及やAIの発達により、扱うシステムが変化し、求められるスキルもどんどん高度になっています。メイン業務でリソースに余裕のない企業では、IT業務への増員が難しいでしょう。
また担当者が離職し、システムや業務そのものがブラックボックス化するケースもあります。ITにより自動化できる業務を洗い出し、ビジネスの効率化を図りましょう。
管理業務やシステム運用
業務管理やシステム運用も、ITアウトソーシングで効率化しやすい業務です。メイン業務が忙しい場合、多くの企業で業務管理やシステム運用が疎かになります。
アウトソーシングを活用して定例業務や雑務を自動化すれば、その分メイン業務へリソースを投入でき、企業の成長に繋がるでしょう。IT業務には、利益に直結するコア業務と、直結しないノンコア業務があります。
ノンコア業務である業務管理やシステム運用をアウトソーシングすることで、コア業務に集中でき売上の向上も見込めます。
ITアウトソーソングの導入手順
ITアウトソーシングの導入では、手順の理解が大切です。導入手順を明確にすれば、効率的に進められ、トラブルも未然に防げる可能性が高くなります。
具体的な手順は次の通りです。
- 課題の把握と目的設定
- 委託に必要な情報の整理と予算の確保
- 具体的な運用設計
- 導入
順番に見ていきましょう。
課題の把握と目的設定
導入手順として、まず課題の把握と目的設定を行いましょう。ITの専門家と情報を洗い出すことで、改めて改善すべき課題が見つかり、適切な目的設定ができます。
第三者の客観的な視点が入ることで、より優先度の高い課題の見極めが可能となります。自社の目的や課題が明確になれば、よりスムーズにアウトソーシングを導入できるでしょう。
委託に必要な情報の整理と予算の確保
次に、委託する際に必要な情報を整理し、予算を確保します。
具体的には、業務遂行に必要な人員や予算、必要な工程を決めます。後々トラブルにならないよう、必要な情報や予算はしっかりと洗い出しましょう。
具体的な運用設計
次に具体的な運用設計です。運用設計の作成により、効率的に業務を進められます。
具体的には、スキルチェック表や作業手順書、作業フロー図などを作成しましょう。運用設計にて、メンバー間で業務遂行への認識共有や、適切な人員配置ができます。
導入
最後に導入を行いましょう。導入後にも、新たな課題や改善点が次々と見つかるかもしれません。
新たな課題・改善点の早期発見、共有により、その後の運用がスムーズになります。導入して終わりではなく、継続的な連携を図り、改善に取り組みましょう。
ITアウトソーシングを導入する際の注意点
ITアウトソーシングを導入する際には、ぜひとも確認しておきたい注意点があります。確認を怠れば、求めるサービス品質が得られなかったり、セキュリティリスクが高くなったりするリスクがあるからです。
具体的に、導入する際の注意点は次の通りです。
- 業務の柔軟性
- 業務範囲・サービス品質の明確化
- セキュリティレベルの確認
順番に解説します。
業務の柔軟性
ITアウトソーシングを導入する際には、「業務に柔軟に対応してくれるか委託先かどうか?」を確認しましょう。ITアウトソーシングを活用したものの、結果的に自社の負担が減らないことも考えられます。
例えば、事前に業務範囲を明確にした場合でも、あとから細かな業務が発生するケースもあるでしょう。
その度に自社で対応していては、従業員の負担も減らず、アウトソーシングの意味が薄れてしまいます。
繰り返しになりますが、「(契約内の業務内容に関して)どこまで柔軟に対応してくれるのか?」という点は、しっかりと事前に確認しておきましょう。
業務範囲・サービス品質の明確化
業務範囲・サービス品質の明確化も重要です。なぜなら、業務範囲とサービス品質を明確にしなければ、品質低下に繋がる恐れがあるからです。
例えば、業務範囲やサービス品質を明確にするSLA※などの取り決めを交わすのも有効でしょう。
SLAを取り決める際に、トラブルや事故発生時の対応についても話し合えば、スムーズな問題解決に繋がります。
※SLA(Service Level Agreement)・・・サービス提供者と利用者間で、業務範囲やサービス内容の取り決めを交わし、品質を保つ文書
セキュリティレベルの確認
委託先のセキュリティレベルも、導入する際に確認しておきたいポイントです。外部が顧客情報を扱うため、自社で完結する業務と比べ、漏えいのリスクは格段に高まります。
セキュリティレベルの基準となる
- 国際的なセキュリティ基準を満たしたことを示すISMS認証
- 事業間の個人情報の取り扱いが適切である証明のプライバシーマーク
などの有無は、事前にチェックしておきたいところです。
また、前述したSLAにて顧客情報の取り扱いも明確にすれば、さらにリスクは減ります。顧客情報の漏えいによる企業の損害は計り知れません。セキュリティレベルは、ITアウトソーシング先を選ぶ際の最重要な指標の1つと言えます。
ITアウトソーシング運用時の注意点
ITアウトソーシングの運用時の注意点として、自社にノウハウがたまらない点があげられます。コア業務が忙しく、依頼した業務の詳細が把握できないケースや、委託先に任せっぱなしにしてしまうケースも少なくありません。
例えばフルアウトソーシングであれば、企画から開発・運用まですべてを依頼できるため、自社の担当者が介入する場面は少ないでしょう。
しかし、将来的に自社での運用が必要になる場合や、トラブル時の対応で業務把握が必要なケースも想定されます。
ITアウトソーシングは依頼して終わりではなく、委託先の担当者と密に連携をとりながら、定期的に情報交換をすることが大切です。
ITアウトソーシングで事業を成長させよう
今回はITアウトソーシングのメリットやデメリット、導入手順を解説しました。ITアウトソーシングは、導入する際の注意点や、正しい手順を理解することで、多くのメリットを得られます。
ぜひこの機会に、ITアウトソーシングによる業務効率化やコスト削減を検討されてみてはいかがでしょうか?
学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。