ベトナム拠点のテクニカルマネージャー 鍋山さんの役割

2025.05.15
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林田 矩子
ベトナム拠点のテクニカルマネージャー 鍋山さんの役割

こんにちは。人事部の林田です。

今回のインタビュー対象者は、ベトナムに駐在している鍋山さんです。

まずは、鍋山さんのご紹介をする前にWakka Inc.のことを簡単に説明させていただきます。Wakka Inc.は2008年に設立し、システム開発の裾野を広げる目的で2012年にベトナムに開発拠点となるLampartを設立しました。月日が立つのは早いもので今年で創立17年目になりますが、まだまだベンチャー感もあるかなと思っています。

また、大きな特徴といたしまして、システム開発の工程を日本とベトナムとで分業体制をとっております。日本では開発の上流工程(要件定義〜設計)を、ベトナムでは下流工程(実装〜テスト)を担当しており、この両輪で走ってきて13年になりました。

この両輪をつなぐ重要な軸として、ベトナムに駐在しているメンバーが4名います。
今回はその中のひとり、テクニカルマネージャーの鍋山さんにお話を聞いてみました。
ベトナムに住み始めてもう11年目になるという鍋山さんは、エージェントからの紹介をきっかけにWakka Inc.に入社され今年で5年目になります。これまでの様々な経験を活かしてWakka Inc.とLampartの体制を整えて来られました。

目次

鍋山さんの役割

林田
林田
今、ベトナムに駐在しているメンバーは鍋山さんを含めて4名ですが、鍋山さんの具体的な業務内容をおしえてください。
鍋山
鍋山
テクニカルマネージャーという肩書きで働いています。
Wakka Inc.とグループ会社であるベトナムのLampartはシステム開発の上流と下流とで役割分担をしていますが、その中で僕の役割は開発の品質や生産性など全体業務の底上げをすることです。
品質を向上をさせつつ、生産スピードも上げるためにはどういう体制にすればいいのか、どういうプロセスを作ればいいのか、教育も含めて機動力を上げるための仕組み作りを任せてもらっています。
鍋山
鍋山
具体的に何をやってきたかというと、はじめに体制の見直しをしました。
それまで業務改善については、それぞれが自分の裁量でおこなっていたので優先順位も人によってバラバラでした。そこで業務全体をもっと俯瞰でみて、業務の優先順位を社内で統一する必要があると思い、ITSという社内情報システム部門と、PMOというプロジェクト管理をサポートする部門を立ち上げました。
部門ごとに役割を持たせて組織化することで、一貫性と継続性を保つことができ、もし誰かが休んだり辞めちゃったりしても対処できるような体制づくりをしました。現在はそれぞれの部門が目的の達成に向けて自律的に動けるようになっています。

Wakka Inc.に入社を決めた理由

林田
林田
ずばり当社への入社の決め手をおしえてください!
就職面接のとき、業務改善をして欲しいなど具体的な話があったのでしょうか?
鍋山
鍋山
入社前もベトナムのIT企業にいましたが、裁量を持たせてもらえるところがないかと求職活動をしていたところ、エージェントにWakka Inc.を紹介してもらいました。
面接はざっくばらんな雰囲気で「体制強化したいので、協力してほしい」というようなことを言われたと思います。
すでにLampartというある程度形が整った状態で、裁量を持ってやらせてもらえるんだなっていう印象を受けました。
ガチガチにやることを決められた仕事より、能動的にできる仕事がしたかったこともあり、河原さん(開発部長)と面接で色々と話しをする中で、魅力的な会社だなって思えました。
何より面接の場でバーンとオファーを出してくれたところも嬉しくて、Wakka Inc.は転職活動をする中ですごく印象として強く残ったし、Wakka Inc.に貢献していきたいなと思えました。
鍋山
鍋山
そう思われてるかもしれないですけど、LAKAは僕が入る前からプロジェクトとしては進んでいて、
プロトタイプも作られていました。入社して1年目のときに、それを製品化しないといけないっていう状況で「あとはよろしく!」といわれて引き継ぎました。
プロトタイプを実際に稼働させるために、誰が使うのか、何人での使用を想定するのかなど、インフラもしっかり要件を作り直して、他のチャットツールと比較したときにどのくらい安くできるのかのコスト計算して見積をだしたりして、稟議を出すということからリリースまで進めました。それまで利用していたチャットツールからのデータ移行も大変でしたね。
鍋山
鍋山
基本的にはLampartが担当するエリアの開発品質を向上させることで、全体に貢献するというのがメインのミッションだと思っています。ですが、最近だとWakkaが担当するエリア(特にアーキテクチャ設計部分)や、Wakka内の業務改善についても、提案やサポートする機会が増えていますね。
鍋山
鍋山
具体的な話をすると、Wakka Inc.では、お客様のご要望に合わせてプロジェクト毎の管理体制や対応を柔軟に行っているので、複数のプロジェクトチーム同士で情報を共有することがありませんでした。
良い改善策があってもチーム内だけでの共有になっていたんです。
だから、それぞれのチームで出た改善策を他のプロジェクトでも活用できれば全体の底上げにつながるなと思いました。
さらに全社共通で適用できるルール、いわゆる「スタンダード」を作っておけば、より効率的な運営ができるなと思い、プロジェクトを跨いでテクニカルな課題を共有したり、アドバイスなどを行う専門チーム『テクニカルサポートチーム』を立ち上げました。
プロジェクトごとの課題を認識して、適切な情報共有やアドバイス、情報の蓄積を行うことでWakka全体の生産性を高めて効率化を図るための業務改善を日本のメンバーたちとも協力して進めています。
鍋山
鍋山
『背景や目的を丁寧に聞く、伝える』ということを心がけています。
依頼や提案があったら、その目的をしっかり確認するようにしています。よくよく考えると別の方法がいいかもしれないなということもあるので、常に目的を達成する手段というのは一つではないという意識を持つようにしています。
指示を伝える際にも最初に目的を伝えて、その選択に至った経緯なども必ず説明するようにしています。
そうすると納得した上で業務にあたってくれますし、より良い改善提案を出してくれたりします。

駐在員の役割

林田
林田
他の駐在員の3名の方々もそれぞれ役割があるんですか?
まだまだ、みなさんの役割などわかっていなくて・・・
鍋山
鍋山
『Wakka Inc.とLampartのつなぎ役」というざっくりとしたくくりはあると思うんですけど、それぞれ得意分野を活かした役割を持っています。

会社運営の部分を担当していたり、プロジェクトの課題を抽出して問題提起したり、ラボ型開発っていう新しいビジネスの体制を整える準備だったり、みんな色々と携わっていて今やひと言で説明するのは難しい状況です。
バックグラウンドもみんな全然違っていて、中には元イタリアンの料理人もいます。
それぞれが自分の強みを活かして活動する中で結果的に今の業務を遂行しているという感じですね。

役割が固定されるということはあまりなくて、逆にやりたいことや、強い意思がある人は自ら進めることができる会社だと思います。

ベトナムのLampartについて

林田
林田
素朴な疑問なんですけど、そもそもコミュニケーション言語は何になるんですか?日本語?ベトナム語?英語?
鍋山
鍋山
コミュニケーションは日本人同士だと日本語ですが、英語を話せると分かってるスタッフには英語で話してます。英語が苦手そうな相手だと片言のベトナム語になっちゃいます。ベトナム語は全然喋れないので。
もちろんミーティングなどはIT通訳さんが入ってくれていて、日本語をベトナム語に通訳してくれます。
鍋山
鍋山
社員数が増えて大変になったというよりは、いろいろと洗練されてきて、組織化されてきたので管理者目線だと楽になったんじゃないかなと思っています。ただルールがきちっとしてくると、ルールを守ることが優先になっちゃって、新しいアイディアは出にくくなってるような気はしますね。
みんなのびのびと働いてほしい気持ちはありますが、ルールは必要。
そこのバランスが難しいところなんですよね。なんでもかんでも自由にやればいいというわけではなく、組織の中で目的を意識して、目的に達するための共通ルールをどう納得してもらうかが難しかったりします。それはマネジメントの責務として取り組んでいます。
鍋山
鍋山
それに、ベトナム人は日本人と比較すると転職意欲が高い傾向があるので、人材が流動的なんですよね。だからこそ会社としてしっかりルールを決めておく必要があるんです。

ベトナムの国民性だと思うんですけど、転職でもなんでも次へのステップを踏むのに二の足を踏む人が少なくて、自分で起業したり、家の手伝いだったり、今までずっとITでやってたのに、全く別なことをはじめる人もいます。みんなあまり悲観的なことは考えていなくて「まあなんとかなるでしょう、家族もサポートしてくれるし」って、そういう精神的に安定した人が多いんじゃないかなという気はします。
そこがベトナムの大好きなところでもあります。人がポジティブなところ。
鍋山
鍋山
ただ1つ、最近ついていけないところがあって・・・。
お酒の飲み方が日本で例えると昭和的なんですよね。けっこう激しい飲みにケーション文化があるんです。
みんなの距離がすごく近いし、僕も元々そういう場が好きだし昔はすごく飲んでたんですけど。いかんせん年齢と共に僕自身も酒が弱くなって、お酒を飲むと運動もできなくなるから結構控えるようになっちゃいました。
それでも節目節目でチームイベントはあるので参加もするんですけど、そしたら代わる代わる僕のテーブルにお酒をつぎにきてくれて、飲め~♪って言われます。
これが年々つらくなっています(笑)
林田
林田
気持ちと身体の乖離を感じたときに、年齢を感じざるを得ませんよね(苦い)

エンジニアになったきっかけ

林田
林田
ところで、鍋山さんはどうしてエンジニアになろうと思ったんですか?
鍋山
鍋山
幼少時代からの話になりますが、兄が早くからパソコンを持っていて、僕はそれを使ってゲームして遊んでいたので、パソコンには小さいころから馴染みがありました。
高校生ぐらいになると理系か文系か選択する必要があったんですが、高校時代の僕は理系がつまらなそうだなと思っていて、コンピューターとは関係のなさそうな文系を選びました。
そのときは全く将来のことを考えていなくて、大学も文系に進んだんですけど、僕らの時代って氷河期世代って言われていて、就職することが大変だったので手に職を付けた方がいいなと考え出しました。

そんなとき、大学の授業でプログラミングがあったんですけど、そのときにわりとすんなりとできちゃったので、システムエンジニアに絞って就職活動しようと決めました。
幼少期の基礎知識が活かされたのかもしれません。
鍋山
鍋山
最初に入った会社はまあまあ大変でしたね。
僕が入った会社は大手の会社の下請けだったので大きいプロジェクトの一部の工程をやっていたんですけど、その頃、人件費を抑えるためにシステム開発の下流工程を海外の企業に委託するオフショア開発に目を向ける企業が増えてきたということもあり、この仕事に固執していられないぞと思うようになりました。もちろん年齢もあってか、最初の会社にしがみついて仕事を続けていこうとは考えていませんでしたし、なにより会社に自分の人生を握られるのはすごく嫌なんです。

どうしたらいいかって考えたときに、英語とプロジェクト管理ができればこれから時代が変わったとしても上流のほうでやっていけると思い立ち、最初の会社は4年で辞めて、貯めたお金でカナダに行ったんです。
鍋山
鍋山
さらには、日本人の多いバンクーバーにいても英語が上達しないと思って、日本人のいないカルガリーという気温マイナス30度になるような町を選びました。
そこにあるホテルで皿洗いから始めたんですが、楽しかったし英語の勉強になりましたね。
3ヶ月くらいそこで働いている間に、近所のフットボールの集まりにも出るようになって、そこで友達になった人に「ITの会社を立ち上げたいんだけど、人が足りないんだ」ってことを言われて「え?オレできるよ」って返したら、試しに使ってもらえることになった。
そしたら、「お前できるな~」って言ってもらえて、なんやかんやでその人と二人三脚で会社を立ち上げることになりました(笑)
鍋山
鍋山
本当に面白かったです。
全然英語もできない状態でプロジェクトを任されたりして、メールとかのテキストだったら大丈夫なんですけど、話を聞いたりするのはわけがわからなくて。とにかく分からないことは調べるしかなかった。
でも、これが仕事だ、これで金もらってるんだって追い込まれてる状況なので集中力が違うというか。
普通の勉強とは比べ物にならないくらい伸びました。
その時代はすごく良い勉強になったな。
英語力なんて「I have a pen」の中学生レベルでのスタートだったんですけどね。なんとかなる!
鍋山
鍋山
さらに言うと、Wakka Inc.に入る前はベトナムでITの仕事を本業でしつつ、副業でわたあめ屋をしたりしてました
鍋山
鍋山
ひとの顔がかくれるくらい大きなわたあめです。ベトナム人も映える写真撮ることが好きな人が多いし、原料は砂糖だけだし儲かりそうだなと踏んで。
ただね、わたあめって湿度が高いと溶けるんですよ。ベトナムの湿度は高くてすぐしぼんじゃう。プラカップに入れてみたり、デリバリーしてみたりと色々工夫はしてみたんですけど湿度には勝てず、これはちょっと失敗だったかなということで半年くらいで撤退しました。
おもしろかったですけどね。

その後にゲストハウスを経営したりもして、ようするにベトナムで何か事業をやるとなったときに、どういうプロセスが必要なのかというところを勉強しておきたくて色々と挑戦していました。
鍋山
鍋山
毎年、子どもの夏休みに合わせて帰ってはいるので恋しいということはないですね。ベトナムはご飯もおいしいし、夕飯は奥さんが日本食を作ってくれるので日本食が恋しくなることはないです。
朝食は毎日、スップクア(Sup Cua)を食べているんですが、トロッとしたスープにカニと野菜ときのこがいっぱい入ってて、うまいんですよ!おすすめです。
鍋山
鍋山
ひとつあげるなら日本の寒い冬に、熱い風呂に入りたいなと思ったりはします。ベトナムの家はシャワーだけなので。
冬に日本に帰ることがないので、なかなか叶わないのですが…。
林田
林田
冬の温泉、チャンスがないとなると、ますます恋しさが募りますね。。
本日は色々とお話をお聞かせいただきありがとうございました!Wakka Inc.とLampartの魅力がしっかり伝わったのではないかと思います。

それでは最後に求職者の方に向けて一言お願いします。
鍋山
鍋山
Wakka Inc.は色んなバックグラウンドを持った人が、それぞれの得意分野を生かして、活躍しています。そのことが自然な状態になっているってところが、すごく特徴的だし良いところだなと思います。
今まさに組織も拡大していってる段階で、整備していかなきゃいけない部分もあると思うんですけど、
逆にみんなで会社を作っていくっていうようなことが経験できます。
なので、自分の意思を持って何かやりたいたいことがある人には非常におすすめの会社かなと思います。

まとめ

Wakka Inc.とLampartとの連携を深めるだけでなく、社内のあらゆるプロジェクトを加速させている鍋山さん。どんなに大変なエピソードも「おもしろかった!」と前向きに捉え、目標達成に向けて真摯に、そして推進力と実行力をもって進められていて、まさに、会社の『エンジン』性能を上げるチューニングエンジニア的存在だと思いました。

Wakka Inc.はひとりひとりの得意が活かされる環境です。さらには、チームの仲間からのフィードバックや刺激を通して、新たに自分の得意分野を発見できるかもしれません。

そんなWakka Inc.に魅力を感じでいただけましたらぜひご応募ください!

お待ちしております。

それではまた👋

この記事を書いた人
林田 矩子

長らくサービス業に従事していましたが、結婚を機に営業事務職へ転身。Wakka Inc.では、管理部兼ライターとして働いています。 最近、明鏡止水 〜武のKAMIWAZA - の影響で、5歳の息子と一緒に合氣道を始めました。 5級への昇級審査のため技5つを猛練習中です!

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