ベトナム拠点のテクニカルマネージャー 鍋山さんの役割


こんにちは。人事部の林田です。
今回のインタビュー対象者は、ベトナムに駐在している鍋山さんです。
まずは、鍋山さんのご紹介をする前にWakka Inc.のことを簡単に説明させていただきます。Wakka Inc.は2008年に設立し、システム開発の裾野を広げる目的で2012年にベトナムに開発拠点となるLampartを設立しました。月日が立つのは早いもので今年で創立17年目になりますが、まだまだベンチャー感もあるかなと思っています。
また、大きな特徴といたしまして、システム開発の工程を日本とベトナムとで分業体制をとっております。日本では開発の上流工程(要件定義〜設計)を、ベトナムでは下流工程(実装〜テスト)を担当しており、この両輪で走ってきて13年になりました。
この両輪をつなぐ重要な軸として、ベトナムに駐在しているメンバーが4名います。
今回はその中のひとり、テクニカルマネージャーの鍋山さんにお話を聞いてみました。
ベトナムに住み始めてもう11年目になるという鍋山さんは、エージェントからの紹介をきっかけにWakka Inc.に入社され今年で5年目になります。これまでの様々な経験を活かしてWakka Inc.とLampartの体制を整えて来られました。
鍋山さんの役割


Wakka Inc.とグループ会社であるベトナムのLampartはシステム開発の上流と下流とで役割分担をしていますが、その中で僕の役割は開発の品質や生産性など全体業務の底上げをすることです。
品質を向上をさせつつ、生産スピードも上げるためにはどういう体制にすればいいのか、どういうプロセスを作ればいいのか、教育も含めて機動力を上げるための仕組み作りを任せてもらっています。
なんだか事が大きすぎてイメージがつかないのですが全体業務の底上げのための仕組みづくりって、どこをどう進めるんですか?

それまで業務改善については、それぞれが自分の裁量でおこなっていたので優先順位も人によってバラバラでした。そこで業務全体をもっと俯瞰でみて、業務の優先順位を社内で統一する必要があると思い、ITSという社内情報システム部門と、PMOというプロジェクト管理をサポートする部門を立ち上げました。
部門ごとに役割を持たせて組織化することで、一貫性と継続性を保つことができ、もし誰かが休んだり辞めちゃったりしても対処できるような体制づくりをしました。現在はそれぞれの部門が目的の達成に向けて自律的に動けるようになっています。

Wakka Inc.に入社を決めた理由

就職面接のとき、業務改善をして欲しいなど具体的な話があったのでしょうか?

面接はざっくばらんな雰囲気で「体制強化したいので、協力してほしい」というようなことを言われたと思います。
すでにLampartというある程度形が整った状態で、裁量を持ってやらせてもらえるんだなっていう印象を受けました。
ガチガチにやることを決められた仕事より、能動的にできる仕事がしたかったこともあり、河原さん(開発部長)と面接で色々と話しをする中で、魅力的な会社だなって思えました。
何より面接の場でバーンとオファーを出してくれたところも嬉しくて、Wakka Inc.は転職活動をする中ですごく印象として強く残ったし、Wakka Inc.に貢献していきたいなと思えました。
社内で使用しているチャットツールの『LAKA』も鍋山さんが主体となって開発を進めたと聞いています。

プロトタイプも作られていました。入社して1年目のときに、それを製品化しないといけないっていう状況で「あとはよろしく!」といわれて引き継ぎました。
プロトタイプを実際に稼働させるために、誰が使うのか、何人での使用を想定するのかなど、インフラもしっかり要件を作り直して、他のチャットツールと比較したときにどのくらい安くできるのかのコスト計算して見積をだしたりして、稟議を出すということからリリースまで進めました。それまで利用していたチャットツールからのデータ移行も大変でしたね。
そうだったんですね。今ではWakka Inc.の業務には欠かせないツールですよね。 ところで、日本とはどういう業務のやり取りがあるのでしょうか?

これまた具体的なイメージがつかないのですが、どんな提案やサポートをされているのでしょうか?

良い改善策があってもチーム内だけでの共有になっていたんです。
だから、それぞれのチームで出た改善策を他のプロジェクトでも活用できれば全体の底上げにつながるなと思いました。
さらに全社共通で適用できるルール、いわゆる「スタンダード」を作っておけば、より効率的な運営ができるなと思い、プロジェクトを跨いでテクニカルな課題を共有したり、アドバイスなどを行う専門チーム『テクニカルサポートチーム』を立ち上げました。
プロジェクトごとの課題を認識して、適切な情報共有やアドバイス、情報の蓄積を行うことでWakka全体の生産性を高めて効率化を図るための業務改善を日本のメンバーたちとも協力して進めています。
全体を巻き込んで、確実に進めていらっしゃるんですね。Wakka Inc.とLampartの間に立っていらっしゃるわけですが、スムーズに業務を進めるために心がけていることはありますか?

依頼や提案があったら、その目的をしっかり確認するようにしています。よくよく考えると別の方法がいいかもしれないなということもあるので、常に目的を達成する手段というのは一つではないという意識を持つようにしています。
指示を伝える際にも最初に目的を伝えて、その選択に至った経緯なども必ず説明するようにしています。
そうすると納得した上で業務にあたってくれますし、より良い改善提案を出してくれたりします。

駐在員の役割

まだまだ、みなさんの役割などわかっていなくて・・・

会社運営の部分を担当していたり、プロジェクトの課題を抽出して問題提起したり、ラボ型開発っていう新しいビジネスの体制を整える準備だったり、みんな色々と携わっていて今やひと言で説明するのは難しい状況です。
バックグラウンドもみんな全然違っていて、中には元イタリアンの料理人もいます。
それぞれが自分の強みを活かして活動する中で結果的に今の業務を遂行しているという感じですね。
役割が固定されるということはあまりなくて、逆にやりたいことや、強い意思がある人は自ら進めることができる会社だと思います。
ベトナムのLampartについて


もちろんミーティングなどはIT通訳さんが入ってくれていて、日本語をベトナム語に通訳してくれます。
Lampartは社員数もWakka Inc.の3倍以上、140名超が在籍していて、組織としてはWakka Inc.より大きくてしっかりしていますよね。組織が大きくなってきて大変だなと思うことはありますか?

みんなのびのびと働いてほしい気持ちはありますが、ルールは必要。
そこのバランスが難しいところなんですよね。なんでもかんでも自由にやればいいというわけではなく、組織の中で目的を意識して、目的に達するための共通ルールをどう納得してもらうかが難しかったりします。それはマネジメントの責務として取り組んでいます。


ベトナムの国民性だと思うんですけど、転職でもなんでも次へのステップを踏むのに二の足を踏む人が少なくて、自分で起業したり、家の手伝いだったり、今までずっとITでやってたのに、全く別なことをはじめる人もいます。みんなあまり悲観的なことは考えていなくて「まあなんとかなるでしょう、家族もサポートしてくれるし」って、そういう精神的に安定した人が多いんじゃないかなという気はします。
そこがベトナムの大好きなところでもあります。人がポジティブなところ。
ベトナムのみなさん、前向きだしホスピタリティにも溢れていて本当に素敵だなぁと思います。

お酒の飲み方が日本で例えると昭和的なんですよね。けっこう激しい飲みにケーション文化があるんです。
みんなの距離がすごく近いし、僕も元々そういう場が好きだし昔はすごく飲んでたんですけど。いかんせん年齢と共に僕自身も酒が弱くなって、お酒を飲むと運動もできなくなるから結構控えるようになっちゃいました。
それでも節目節目でチームイベントはあるので参加もするんですけど、そしたら代わる代わる僕のテーブルにお酒をつぎにきてくれて、飲め~♪って言われます。
これが年々つらくなっています(笑)


エンジニアになったきっかけ


高校生ぐらいになると理系か文系か選択する必要があったんですが、高校時代の僕は理系がつまらなそうだなと思っていて、コンピューターとは関係のなさそうな文系を選びました。
そのときは全く将来のことを考えていなくて、大学も文系に進んだんですけど、僕らの時代って氷河期世代って言われていて、就職することが大変だったので手に職を付けた方がいいなと考え出しました。
そんなとき、大学の授業でプログラミングがあったんですけど、そのときにわりとすんなりとできちゃったので、システムエンジニアに絞って就職活動しようと決めました。
幼少期の基礎知識が活かされたのかもしれません。
手に職を得たとはいえ、その時代のエンジニアって「IT土方」って言われていたし大変でしたよね。

僕が入った会社は大手の会社の下請けだったので大きいプロジェクトの一部の工程をやっていたんですけど、その頃、人件費を抑えるためにシステム開発の下流工程を海外の企業に委託するオフショア開発に目を向ける企業が増えてきたということもあり、この仕事に固執していられないぞと思うようになりました。もちろん年齢もあってか、最初の会社にしがみついて仕事を続けていこうとは考えていませんでしたし、なにより会社に自分の人生を握られるのはすごく嫌なんです。
どうしたらいいかって考えたときに、英語とプロジェクト管理ができればこれから時代が変わったとしても上流のほうでやっていけると思い立ち、最初の会社は4年で辞めて、貯めたお金でカナダに行ったんです。
『行動力』=鍋山さんといって過言はないですね。鍋山さんって、思考を止めないで常に先の事態を想定して行動していらっしゃるんですね。

そこにあるホテルで皿洗いから始めたんですが、楽しかったし英語の勉強になりましたね。
3ヶ月くらいそこで働いている間に、近所のフットボールの集まりにも出るようになって、そこで友達になった人に「ITの会社を立ち上げたいんだけど、人が足りないんだ」ってことを言われて「え?オレできるよ」って返したら、試しに使ってもらえることになった。
そしたら、「お前できるな~」って言ってもらえて、なんやかんやでその人と二人三脚で会社を立ち上げることになりました(笑)
いきなり右腕からのスタートとは、これまたスゴイですね!

全然英語もできない状態でプロジェクトを任されたりして、メールとかのテキストだったら大丈夫なんですけど、話を聞いたりするのはわけがわからなくて。とにかく分からないことは調べるしかなかった。
でも、これが仕事だ、これで金もらってるんだって追い込まれてる状況なので集中力が違うというか。
普通の勉強とは比べ物にならないくらい伸びました。
その時代はすごく良い勉強になったな。
英語力なんて「I have a pen」の中学生レベルでのスタートだったんですけどね。なんとかなる!

ゆ、勇気ありますね~。 鍋山さんのアナザースカイは「カナダ、カルガリー」ですね。

システムエンジニアが経営するわたあめ屋ってどんなわたあめ屋さんですか・・・ベトナムでわたあめって人気があるんですか?

ただね、わたあめって湿度が高いと溶けるんですよ。ベトナムの湿度は高くてすぐしぼんじゃう。プラカップに入れてみたり、デリバリーしてみたりと色々工夫はしてみたんですけど湿度には勝てず、これはちょっと失敗だったかなということで半年くらいで撤退しました。
おもしろかったですけどね。
その後にゲストハウスを経営したりもして、ようするにベトナムで何か事業をやるとなったときに、どういうプロセスが必要なのかというところを勉強しておきたくて色々と挑戦していました。

鍋山さんがWakka Inc.に就職する前のエピソードだけでも1冊本が書けそうです! 海外に慣れ親しまれていますが、日本が恋しくなることはありますか?

朝食は毎日、スップクア(Sup Cua)を食べているんですが、トロッとしたスープにカニと野菜ときのこがいっぱい入ってて、うまいんですよ!おすすめです。


冬に日本に帰ることがないので、なかなか叶わないのですが…。

本日は色々とお話をお聞かせいただきありがとうございました!Wakka Inc.とLampartの魅力がしっかり伝わったのではないかと思います。
それでは最後に求職者の方に向けて一言お願いします。

今まさに組織も拡大していってる段階で、整備していかなきゃいけない部分もあると思うんですけど、
逆にみんなで会社を作っていくっていうようなことが経験できます。
なので、自分の意思を持って何かやりたいたいことがある人には非常におすすめの会社かなと思います。

まとめ
Wakka Inc.とLampartとの連携を深めるだけでなく、社内のあらゆるプロジェクトを加速させている鍋山さん。どんなに大変なエピソードも「おもしろかった!」と前向きに捉え、目標達成に向けて真摯に、そして推進力と実行力をもって進められていて、まさに、会社の『エンジン』性能を上げるチューニングエンジニア的存在だと思いました。
Wakka Inc.はひとりひとりの得意が活かされる環境です。さらには、チームの仲間からのフィードバックや刺激を通して、新たに自分の得意分野を発見できるかもしれません。
そんなWakka Inc.に魅力を感じでいただけましたらぜひご応募ください!
お待ちしております。
それではまた👋

長らくサービス業に従事していましたが、結婚を機に営業事務職へ転身。Wakka Inc.では、管理部兼ライターとして働いています。 最近、明鏡止水 〜武のKAMIWAZA - の影響で、5歳の息子と一緒に合氣道を始めました。 5級への昇級審査のため技5つを猛練習中です!