【アクセス増加対策】AWSで運用しているWordPressサイトが落ちる原因と4つの対策

2021.08.31
DX・システム開発
金昌洙
【アクセス増加対策】AWSで運用しているWordPressサイトが落ちる原因と4つの対策
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こんにちは。Wakka Inc.日本拠点でインフラエンジニアを担当している金です。

みなさんご存知の通りWordPressは、Webサイトを構築することができるCMSとして知られています。インターネット上に公開されている多くのWebサイトがWordPressで運用されており、実際にAWSでWordPressを使用している方も多いのではないでしょうか。

ただ日々運用していると突然、WordPressサイトのアクセスが急増することがあります。もし、対策をしていない場合、Webサイトを落ちてしまう心配があるでしょう。なぜなら、外部からのリクエストの処理は、サーバー性能に依存するからです。

AWSでWordPressを運用しているとAmazon Lightsailを使用しますのが、プランによって搭載メモリが決められているため、特に性能があまりよくないプランを選択しているとアクセスの急増に耐えられません。そのため、急増を予測して対策する必要があります。そこで、今回はAmazon Web Serviceで運用しているWordPressサイトのアクセス急増の原因と4つの対策について解説します。

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目次

WordPressサイトのアクセスが急増する3つの原因

まず対策を知る前に、サイトのアクセスが急増する主な原因についてご説明します。というのも主な原因を正しく理解することで、アクセス急増の期間がどのぐらい続くのか把握することが可能です。また、どのぐらいまでサーバー性能を高めればいいのかわかるようになります。では早速アクセス急増の原因を3つご紹介します。

原因①メディアで紹介される

1つ目の原因は、お店やサービスがメディアで紹介されたことによって発生したアクセス急増です。

TV番組でサービスやお店が紹介されると、インターネットから調べる視聴者がいます。必然的にアクセスが増えるため、WordPressサイトへのリクエストが多くなるのです。

また、メディアが紹介する規模によってサイトへの影響が大きく異なります。例えば、全国放送のTV番組で扱われると、かなりのアクセス急増が見込まれるでしょう。逆に、ローカル放送の場合、全国放送よりも限定的です。そのほかにも放送時間が長ければ長いほど、アクセス急増の状態が長続きするため、多くのリクエストに対応できるようにサーバーの見直しが必要になります。

原因②Googleの検索エンジンのアップデート

1つ目の原因は、Googleの検索エンジンのアップデートです。

特に、コンテンツマーケティングに力を入れている人が遭遇しやすい原因になります。アクセスが少ないコンテンツが検索エンジンのアップデートで上位表示されて、アクセスの急増を招くケースは珍しくありません。狙った検索ワードがビッグキーワードであればあるほど、その影響は大きいです。ちなみに、Googleアナリティクスなどを使用すれば、どのようなコンテンツにアクセスが集中しているのか確認できます。

原因③

3つ目の原因は、キャンペーンによるアクセス集中です。例えば、半額セールや大売り出しなど、お店や企業が行うキャンペーンに反応してアクセスが増えているケースがあります。どのような商品が安くなっているのか、安く購入できる条件の有無などをお客さんは確認しなければなりません。確認には、ホームページを閲覧する人も多いので、アクセスが集中するというわけです。

キャンペーンによるアクセス集中は、事前に予測することができるので、キャンペーン前に対処しておけば、多くのリクエストを処理することができます。また、複数の店舗を経営している方は、店舗ごとにキャンペーンを行うことで、アクセス集中を分散させることも可能です。

AWSのWordPressのアクセス急増に対応する4つの対策

AWSで運用しているWordPressのアクセス急増対策は4つあります。これらの対策を実行することで、アクセス急増にも耐えられるサーバーに変更できるため、ぜひ参考にしてください。

対策①現在のWebサイト性能を知る

1つ目の対策は、現在のWebサイト性能を確認することです。

まず、性能を確認しなければ、どのぐらいのリクエストに耐えられるのかわかりません。また、どのように改善すればいいのか見えてこないので、はじめにWebサイトの性能を知っておく必要があります。

Webサイトの性能測定には、Apache Benchを使用するのが一般的です。Apache BenchはApacheが提供する性能テストチェックツールになります。Apacheがインストールされている人は、下記のコマンドを実行すると測定することが可能です。URLは自身のWordPressサイトのURLに置き換えてください。

ab -c 100 -n 1000 https://あなたのドメイン/

オプション「c」は同時リクエスト数、「n」は総リクエスト数を意味します。つまり、上記のコマンドは、同時リクエスト100、総リクエスト1,000した結果が出力されるのです。

abコマンドは、Nginxで運用されているサイトにもテストすることができます。しかし、Apacheがインストールされていないマシンでは、abコマンドを使用することができません。そのため、Apache Benchをインストールする必要があります。当然ですが、Apache Benchはサーバーではなく、ローカルPCで使用しますので、自身のパソコンにインストールするようにしましょう。yumを使用してインストールする場合、下記のようなコマンドを実行してください。

yum install httpd-tools

対策②Amazon Lightsailのプランをアップグレードする

2つ目の対策は、Lightsailのプランを見直すことです。

Amazon Lightsailの仮想サーバーに用意されているプランは全部で7つあります。それぞれのプランでメモリの容量やプロセッサーのコア数、ディスク容量や転送容量が異なるのです。もちろん、メモリやコア数が大きくなればなるほど、サーバー性能が向上するため、多くのリクエストに耐えられるようになります。

Lightsailのプラン変更は、現在使用しているLightsailのスナップショットを撮り、古いインスタンスから新しいインスタンスに情報を移せば完了です。比較的少ない手間でサーバー性能自体をアップさせられるため、非常に便利な対策方法になります。

しかし、プラン変更をすると運用コストが増加するため、慎重に検討しなければなりません。また、一時的かつ予測できるアクセス急増のみに対処したい場合、プランを変更しなくてもほかの方法で解決できることもあります。

対策③CloudFrontを利用する

3つ目は、CloudFrontを利用することです。

CloudFrontとは、コンテンツの配信を高速化できるサービスのことになります。アクセス急増の対策には関係のないように思えますが、CloudFrontにはキャッシュ機能があり、それをうまく活用すれば、多くのリクエストに対応できるのです。

CloudFrontのキャッシュ設定は、CloudFrontの「Behaviors」タブの「Object Caching」から設定できます。通常は、CloudFrontを利用すれば自動的にキャッシュがオンになるので、特別な設定は必要ありません。

しかし、CloudFrontは料金がかかります。初期費用はかかりませんが、データ転送出力とHTTP/HTTPSリクエストに対して料金が課金されるのです。ユーザーがホームページにアクセスすることもHTTP/HTTPSリクエストになるため、アクセス数が多いとその分課金される料金も高くなります。

対策④海外子会社サービスで運用保守を外部化する

4つ目の対策方法は、海外子会社サービスで運用保守を外部化することです。

運用保守を外部化することで、メンテナンスに必要なエンジニアを容易に確保できます。また、既存のエンジニアは新規機能開発などに力を注ぐことができるので、開発効率の向上も期待できるでしょう。

海外子会社サービスの利用を検討している方は、株式会社Wakkaが提供する海外子会社設立サービスがおすすめです。詳しい内容が知りたい方は、下記のURLから詳細をご確認ください。

https://wakka-inc.com/service/

AWSの運用保守に不安があるなら、オフショアラボ型開発を検討しよう

今回は、Amazon Web Serviceで運用しているWordPressサイトのアクセス急増対策について解説しました。ただ、メディアで紹介されるようなサービスを抱えている企業の中にはAWSの運用保守に必要なエンジニアが不足しているケースも多いのではないでしょうか。

Wakka Inc.ではITコンサルティングに加えて、サービス開発からAWSの運用保守まで対応できるオフショアラボ型開発や海外子会社設立サービスを提供しています。成長企業やスタートアップのリソース問題解決に貢献できると思いますので、興味のある方は以下リンクからお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
金昌洙

前世は社内ネットワーク部門でインフラ担当していました。当時4Uサーバーの重さに限界を感じ、クラウド推進派に。Wakka Inc.の日本拠点にインフラエンジニアとして参画し、サーバー・ネットワーク全般を担当。最近はDocker・CI/CDなどに取り組んでいます。

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