ECサイトの顧客管理にはCRM!マーケティング活用で売上増にも貢献

2023.05.01
EC開発
安藤 大海
EC 顧客管理 CRM
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こんにちは。Wakka Inc.のテクニカルディレクターの安藤です。

コロナ禍でECサイトの需要が伸びていますが、ECサイトに導入されることが多いのがCRMです。ECサイトにCRMを導入することで、顧客情報の管理や分析が自動化されます。

ECサイトにCRMを導入するメリットは他にも複数ありますが、ECサイトにCRMが必須というわけではありません。導入するデメリットもあるので、比較検討していただくと良いです。

またCRMは既製品が複数あり、選択に迷うでしょう。そこで、CRMのメリット、デメリットにくわえ、CRMの選び方についても解説していきます。

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目次

CRMによる顧客管理

ECサイトでは、顧客管理のノウハウ、流れ、システムなどをまとめてCRMと呼びます。CRMはCustomer Relationship Managementの略です。CRMのためのシステムをCRMシステムと呼びますが、略してCRMと呼ばれることが多いです。そのため、CRMという用語はECサイトで顧客管理を行うシステムを指している場合がほとんどと考えて問題ないでしょう。

CRMの具体的な機能としては、顧客の購入履歴からおすすめ商品を表示する、顧客の属性に合わせてメールやSNSを送信する、購買データを一元管理する、といったものが挙げられます。

CRMの仕組み

CRMの仕組みは以下のようになっています。

  • 新規顧客情報の登録
  • 顧客データ収集、分析
  • 顧客データの活用

まず新規に顧客がECサイトに登録したら、顧客情報を収集してまとめます。具体的には、住所、氏名などの個人情報です。顧客がECサイトで買い物をしたら、閲覧履歴、購入履歴などの情報を収集し、分析します。情報収集はもちろん、分析までCRMで自動的に行われます。

収集、分析した顧客データは、顧客へのアプローチやマーケティングに活用されます。顧客へのアプローチでは、顧客へのダイレクトメール、SNSでのメッセージ、クーポン配信などを行います。

マーケティングでは、商品の改善、商品開発、新規に扱う商品の決定などを行います。顧客データから顧客ニーズがわかるため、マーケティングにも役立ちます。

CRMとSFAの違い

CRMは顧客情報の管理やマーケティングに便利なツールということでした。そして、CRMとよく比較されるツールとしてSFAがあります。SFAはSales Force Automationの略で、営業支援システムと訳されるものです。

SFAは営業の業務効率化や利益向上を目的に使用されるツールです。CRMとSFAは機能面で重複している部分も多いですが、CRMが顧客情報管理や収集など情報に特化しているのに対し、SFAは営業支援のための契約書作成機能なども用意されている場合が多いです。

営業という観点ではCRMとSFAは一長一短なので比較検討が必要ですが、ECサイトに導入するツールとしてはCRMを選択するのが一般的でしょう。SFAでも顧客情報の管理は可能ですが、情報の扱いという点ではCRMの方が優れていて、またSFAに搭載されている営業支援の機能はECサイトでは使用しない場合が多いからです。

ECサイトにCRMを導入するメリット

ECサイトにCRMを導入することで、以下のようなメリットを得られます。

  • 顧客へのアプローチ最適化
  • 顧客情報を共有しやすい
  • マーケティング活用

それぞれ上でも少し触れましたが、まとめて解説していきます。

顧客へのアプローチ最適化

CRMを利用することで、顧客ごとに最適なアプローチができます。顧客の個人情報、閲覧履歴、購入履歴などを参照し、自動で最適なアプローチを行います。たとえば、特定の家電の閲覧履歴が多い顧客におすすめ家電の情報を提示する、年齢や性別で提示する情報を変える、といったことが挙げられます。

ただし現状CRMも万能ではないので、誤ったアプローチをすることもあります。たとえば、すでに電子レンジを購入した顧客におすすめの電子レンジを提示する、といった誤りがあります。

今後はより正確に購入履歴等を把握し、顧客ニーズに合った提示ができるよう改善されていくでしょう。

顧客情報を共有しやすい

社内での顧客情報の共有や、顧客から問い合わせがあった際の情報共有もスムーズになります。特に顧客からの問い合わせ時に、個人情報を確認するだけで過去の購入状況等が確認できるので利便性が高いです。万が一何らかのトラブルが生じた際にも、CRMがあることによってスムーズに対応できます。

マーケティング活用

顧客情報を収集することで、どのような商品にニーズがあるのか、どうすればより良いアプローチができるか、といったことがわかります。CRMですべて完結するわけではありませんが、CRMから得たデータと分析結果をもとに戦略を立てることが可能です。

ECサイトにCRMを導入するデメリット

CRMのメリットは上でご紹介した通りですが、デメリットもあります。メリットとデメリットを比較して導入すべきかどうかご検討ください。CRMのデメリットは以下です。

  • 費用がかかる
  • CRMを活かすためには勉強が必要

費用がかかる

CRMの導入や運用には費用がかかります。費用対効果で比較し、効果の方が上回った場合にのみCRMを導入するのがおすすめです。CRMは利便性が高く導入価値は高いですが、どのECサイトにも例外なく導入すべきというわけではありません。利用者数が少ない場合や、ショッピングカートシステムのみで機能が十分な場合もあります。費用の観点から、導入すべきかどうか検討すべきでしょう。

CRMを活かすためには勉強が必要

CRMを導入すれば自動でデータを収集し、自動でデータを分析します。そのため特にスキルがなくても多くのことをCRMで自動化できます。しかし、特にマーケティング活用の部分ではCRMを活用する人のスキルが問われます。

マーケティングスキルがないとせっかく収集、分析したデータを最大限活用できないので、マーケティング等の勉強が必要になります。CRMを使いながら勉強になるという点はメリットとも言えますが、労力や時間がかかるという点ではデメリットとも言えます。

CRMを活用するための勉強をどうしても避けたい事情がある場合は、導入しない方が良いかもしれません。また最大限の活用はできませんが、マーケティングは行わずにデータの収集、分析、管理のみの目的で使用するという選択肢もあります。

CRMの選び方

CRMは独自に開発することも可能ですが、既製品も数多いです。既製品を購入して導入することができます。とはいえ既製品の種類が多いため、どのCRMを導入すべきか迷う場合が多いでしょう。そこでCRMを選ぶ基準を解説します。CRMを選ぶ基準として以下が挙げられます。

  • 機能の内容
  • 自社システムとの相性
  • サポート内容
  • セキュリティ対策の内容

それぞれの基準について解説していきます。

機能の内容

同じCRMであればどの製品も類似していますが、細かな部分で違いがあります。分析の詳細の違い、設定できる顧客属性の違い、操作感の違いなどです。細かい違いではありますが、実際に使用するとなると利用者への影響はそれなりに大きくなるでしょう。またそもそも必要な機能を満たしていない製品があるかもしれないので、大前提として機能は確認する必要があります。現状必要な機能にくわえ、今後必要になる機能も考えて検討するのがおすすめです。

自社システムとの相性

自社にすでにECサイトを導入している場合、ECサイトと親和性のあるCRMを導入する必要があります。親和性の低いCRMだと改修の手間がかかり、改修しても連携がうまくいかない可能性があります。既成の状態で親和性が高いのがベストなので、事前に親和性を確認して導入した方が良いです。

サポート内容

導入時のサポートはもちろん、運用を開始してからもサポートが充実していた方が良いです。特に担当者がエンジニアなどシステムに強い人でない場合は、なおさらトラブル発生時の対処が難しくなるでしょう。

既製品をそのまま使用している場合だけでなく、独自に改修して利用している場合にもサポートしてくれるようなCRMを選ぶのがおすすめです。言い換えれば、単に表面的なサポート対応だけでなく、エンジニアが技術的な対応をしてくれるような企業の製品を選んだ方が良いです。

セキュリティ対策の内容

ECサイトのセキュリティ事故が発生すると、企業の存続が厳しくなるだけでなく損害賠償問題に発展することもあります。企業が倒産した後に多額の負債が残るというケースもあるでしょう。

そしてECサイトにCRMを導入した場合、CRMがECサイト内の顧客情報を保管することになります。つまりCRMはECサイトの命綱を握っているということです。CRMにセキュリティ上の穴があると、ECサイト自体のセキュリティに問題がなくても情報漏洩するリスクが高いです。

セキュリティが強固なCRMを選ぶためには、以下のような基準で判断するのがおすすめです。

  • サービス開始からの期間
  • サービスの利用者数
  • 過去のトラブル事例
  • ISOやプライバシーマーク

サービス開始からの期間については、基本的には期間は長ければ長い方が良いです。長い期間サービス提供されているということは、それだけ優良で事故のない製品の可能性が高いからです。

サービス利用者数については、多ければ多い方が基本的には良いです。多くの人が利用しているということは、それだけ信用のできるサービスである可能性が高いでしょう。また万が一セキュリティ事故が発生した場合も世間で大きな問題になる分企業が素早い対応を迫られ、また流出する個人情報の数が多いと一人一人の安全度は高いというメリットもあります。たとえば流出した個人情報の中からより資金力の高い人が狙われることや、ランダムでターゲットを決める場合も自分が当たる確率が低いといったことです。

サービス利用者数が多いということは信頼できるというだけでなく、上でご説明したような少し打算的な観点からもメリットがあります。

過去のトラブル事例についても、当然少なければ少ない方が良いです。セキュリティ対策がしっかりできているということになるからです。ただし、過去にセキュリティ事故があったから絶対にNGというわけではありません。

過去にセキュリティ事故があったからこそセキュリティに力を入れていて、その結果無事故で利用者数を伸ばしている、といった事例もあるからです。そのため過去のトラブルはまず有無を確認し、発生していた場合はその後の対応や利用者数の推移を確認すると良いです。

ISOやプライバシーマークは、取得しているとより安全です。取得していなかったら絶対にNG、取得していたら絶対に安全、というわけではありません。しかし、上で挙げた項目とあわせて一つの指標にはなります。

まとめ

CRMはECサイトに導入されることが多いツールです。ECサイトにCRMを導入することにより顧客管理、データ収集、分析、マーケティングなどが可能になります。利便性が向上するだけでなく、利益にも貢献するツールです。

しかしメリットとデメリットがあるので、比較したうえで導入をご検討ください。CRMは既製品が複数あるのでそれぞれの特徴を比較することが重要で、また自社に最大限合う形にするために独自開発するという選択肢もあります。

弊社ではシステムの構築から運用保守まで幅広く対応が可能です。CRMの独自開発にもご対応します。また、『ラボ型開発サービス』を組み合わせてお客様のシステムの成功に伴走するプランもご用意しています。

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この記事を書いた人
安藤 大海

学生時代にWebサイトを自作したことがきっかけでWebの世界に。制作会社でデザイン、WordPressテーマ開発の実務を経て、テクニカル・ディレクターとして大規模サイト構築のディレクションを経験。2021年からWakka Inc.の日本拠点でWebディレクターとして参画。最近はブロックエディタになったWordPressをもう一度、勉強しています。

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