【ラボ型開発】 その特徴とメリット・デメリットは?|分かりやすく解説

2021.11.10
ラボ型・オフショア開発
中垣圭嗣
【ラボ型開発】 その特徴とメリット・デメリットは?|分かりやすく解説
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外部リソースを活用した開発の手法として、海外で開発するオフショア開発や日本の北海道や沖縄などで開発するニアショア開発などを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

その中でも近年「オフショアラボ型開発」という手法がIT企業や成長企業を中心に注目されています。

近年では、アジャイル開発のプロジェクトで海外のラボ型開発を導入しているケースも増えてきていますが、まだまだ「ラボ型開発」は多くの方にとって馴染みのない開発形態だと思います。

そこで、この記事ではオフショア開発の特徴とそのメリット・デメリットについて解説していきます。

ラボ型開発の導入を具体的に検討している方は「【保存版】成長企業が導入するWakkaのラボ型開発」に詳しいサービス内容を掲載しているのでご覧ください。

目次

ラボ型開発とは

ラボ型開発とは、外部パートナー企業に自社専任のエンジニアチームを構築してもらい、継続的にリソースを提供してもらう開発形態です。

日本のラボ型開発では海外オフショア開発の一種として活用されるケースが多く、オフショア開発は請負型開発とラボ型開発で大きく分類することができます。
具体的には、決められた要件で納品するものが「請負開発」、決められた人材のリソースを一定期間提供してもらうものが「ラボ型開発」と呼ばれています。

請負開発とラボ型開発の違いを知りたい方は、『システム開発でのラボ契約とは?請負契約との違いや導入時の注意点を解説』で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

自社が指定したスキルを持つエンジニアチームの確保ができるので、継続的な開発プロジェクトや新規事業のようにビジネス要件に応じて仕様を検討していくアジャイル開発のプロジェクトに向いています。

日本では海外オフショア開発の一部サービスとして活用されており、海外の優秀で安いエンジニアのリソースを確保することで、国内の自社開発に比べてコストを抑えることができます。

次の項目では海外オフショアにおけるラボ型開発の5つのメリットと3つのデメリットの説明をしていきます。

オフショアラボ型開発の5つのメリット

①継続的なリソースの確保


ラボ型開発の最も大きなメリットとしては、特定のエンジニアのリソースを自社のために確保し続けられることが挙げられます。

例えば、外注で請負開発を発注する場合、事前に要件を固めてリソースを確保してもらう形になりますが、
外注先のエンジニアは複数の案件を担当しているためタイミングによっては、リソースがなく断られてしまう可能性があります。

しかし、オフショアラボ型開発なら専任エンジニアのリソースを自社だけのために確保してもらえるので、
継続的に開発するプロジェクトや要件が固まっていないプロジェクトでもラボ型開発であればリソース確保の心配なく利用することができます。

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②開発チームにノウハウが蓄積する

オフショアラボ型開発は自社専用のエンジニアがチームとなって開発を進めてくれる形態です。
そのため、請負型の開発に比べてラボ開発のメンバーに自社サービスや開発ルールのノウハウが蓄積しやすくなります。

ラボ型開発であれば外部パートナーのエンジニアでも、自社のエンジニアと同じようにノウハウを蓄積してくれるので、
将来的な開発スピードが早くなったり、品質が向上しやすくなったりするメリットがあります。

③中長期的なコストパフォーマンスの良さ

海外オフショアのラボ型開発では、若くて優秀なエンジニアをコストパフォーマンスよく確保することができます。

日本では平均年齢や市場ニーズの高まりでエンジニアの平均人件費はおおよそ600万円程度と言われている中、
ベトナムやフィリピンでは同じスキルのエンジニアが日本の人件費の1/2くらいのコストで確保することができます。

ベトナムのラボ型開発のメリットについて詳しく知りたい方は、『【ラボ型開発】おすすめはベトナム!その理由と具体的なメリットとは?』もご覧ください。

オフショアラボ型開発では通訳やブリッジエンジニアなど、海外とコミュニケーションを取るための人材が必要になりますが、
それを勘案してもオフショアラボ型開発であれば国内開発に比べて年間数百万円から数千万円程度コストを削減できるというメリットがあります。

④アジャイル開発に向いている


Webサイトや自社サービス・新規事業など将来の市場ニーズを推測して開発するプロジェクトの場合、
ビジネス要件の仮説検証の結果に応じて迅速に機能追加や仕様変更ができるアジャイル開発が求められます。

例えば、請負型開発では、決まった要件の開発を進めることに適した契約形態のため、
アジャイルの開発プロセスを求めると、見積工数の増加や現場の混乱、コストの増加などのリスクが大幅に増加してしまいます。

一方で、オフショアラボ型開発は専任エンジニアのリソースを確保しているので、アジャイル前提でチームビルディングをしておけば、都度発生する仕様変更や機能追加でも柔軟かつ迅速に対応することができるようになります。

⑤自社採用に比べてリスクを低減できる

日本国内でエンジニアを自社雇用する場合、人事部の強化や人材紹介エージェントとの連携など事前の体制構築が必要になります。

また、エージェント経由での採用した場合、エンジニアの年収の35%程度を報酬として支払う必要があります。

自社人材ではノウハウの蓄積や柔軟なコミュニケーションが取れるという大きなメリットがありますが、1名のエンジニアあたり100万円以上の初期投資に加えて年間数百万円単位の固定費が発生します。

そのため、もしプロジェクトが想定よりもうまくいかずに半年程度でプロジェクトが終了した場合の採用リスクが高くなります。

しかしラボ型開発では、外部パートナーの専任エンジニアのリソースを半年から1年程度の期間を絞って確保してもらうため、
万が一プロジェクトが想定よりも早期に終了したとしても、自社採用に比べて事業毀損リスクや倒産リスクを低減することができます。

オフショア開発の3つのデメリット

①開発チームの構築に時間がかかる

海外オフショアのラボ型開発では専任のエンジニアの確保が必要になるため、現地のエンジニアの採用や面接が必要になります。契約してから少なくとも1ヶ月間は採用活動が中心となるため、請負開発のようにすぐに開発に着手できるわけではありません。

また、ノウハウの蓄積やコミュニケーションを円滑化するために、採用後もプロジェクトの説明やチームビルディングで時間がかかるというデメリットもあります。

海外拠点のラボ型開発では一般的に発注後3ヶ月目くらいから本格的に開発に着手できるイメージになります。そのため、開発リソースが必要になるタイミングから逆算して計画的に進めることをお勧めします。

②作業がなくても月額の支払いが発生する

ラボ型開発では専任のエンジニアリソースを一定期間確保する開発形態です。
そのため、きちんとプロジェクトの配分をしないと、稼働していない状態でも毎月の人件費支払いが発生します。

せっかく自社専任の優秀なエンジニアを確保しても、うまくリソース配分ができなければ宝の持ち腐れになってしまうので、
プロジェクトで必要なリソースを想定して計画的にラボメンバーを採用したり、複数のプロジェクトを担当してもらい業務を平準化したりすることで、継続的にタスクを依頼できるように準備しておきましょう。

③品質管理の難しさ

外注での開発全般に言えることですが、自社開発に比べて品質管理の難しさが挙げられます。
特に、海外オフショア開発では言語や文化の違いなどで、想定していた品質よりも低いケースや納期の遅れが発生するケースがあります。

ただし、このようなケースは単に安い人件費だけ求めて仕事を丸投げするというスタイルのコミュニケーションで起きやすいトラブルです。
そのため、ラボメンバーは開発に不可欠なパートナーであるという意識を持って、日々の開発定例などで開発の背景や全体スケジュール、品質の目線合わせを続けることが大切です。

また、大手企業では社内の品質保証部門との調整に時間がかかる場合もありますので、気になる場合はラボチームに専任のQC・QAエンジニアを採用することも検討しましょう。

オフショア開発の品質管理のコツについて知りたい方は、『オフショア開発における品質管理の課題と対策を解説 』もご覧ください。

ラボ型開発のまとめ

オフショアのラボ型開発は安い人件費で自社専用のリソース確保できるので、アジャイル開発や継続的な開発プロジェクトに向いている開発手法です。
一方で現地での採用やチームビルディング、品質基準のすり合わせに時間がかかるデメリットもあります。

ラボ型開発を成功させるためには、現地での採用やラボ運営ノウハウが豊富で、
デメリットの対処法を理解しているパートナー企業を見つけることが不可欠になります。

Wakka Incでは、10年以上のオフショアのラボ型開発実績があり、日本の本社とベトナム支社が一丸となってお客様のラボ型開発を支援しています。
また、将来的にはラボメンバーを中心にお客様の海外子会社として設立することも可能です。

オフショアラボ型開発や海外子会社化について少しでも気になることがあれば、こちらからWakka Inc.にお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
中垣圭嗣

WebメディアでPGから管理職まで幅広く経験し、Wakka Inc.に参画。Wakka Inc.のオフショア開発拠点でラボマネジャーを担当し、2013年よりベトナムホーチミンシティに駐在中。最近では自粛生活のなかでベトナム語の勉強にハマっています。

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